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「専門家」になるということ

おはようございます。昨日、とあるインタビューをお受けする貴重な機会がありました。その中で改めて思い返したことを、noteで書いていきたいと思います。

そんな中、知財の仕事、特に特許事務所の仕事には「向き不向きがある」というポストを、ちょうどXで拝見しましたので

専門家だからこそ最初はめちゃくちゃ大変だけど、
その大変さを経ることができたなら、生き残るための武器になるよね、

という話を書きたいと思います。

専門的だからこそ最初は大変

ここでは、気軽な記事にすべく、専門家を「知財実務全般」を意味するものとして書きます。
(本当は、企業か事務所か等で色々ありますが、そこはまたの機会に。)

別の業界から、知財の業界に初めて飛び込んだとき、覚えることの多さにビックリするのではないでしょうか。用語もそうですし、特許請求の範囲の書き方の異様な感じに、面食らうかもしれません。定常業務をするためだけでも、半端ない量の文章を読む必要があり、長時間座って静かに文章を読み続けるという空間にも慣れるのが難しいかもしれない。誰かに説明するための文章を分かりやすく書くというだけでも、最初は大変ですよね。

ま、軽く想像しただけでも、知財業界に入って思うかもしれない、あれやこれやの大変さは、とどまることなく大量に頭に浮かびます。

はっきり言って、とても大変だと思います。
私はこの期間を「修行」と呼んで間違いないと思います。
どんな師匠につけるかも、大事だと思います。

修行の期間は、3年とも言われていますが、私なんかは、未だに修行中だなーと思います。
特許、意匠、商標、著作権といった、分かりやすいカテゴリーだけでいっても、まったく違う傾向の大変さがありますし、
特許事務所側の視点、企業側の視点、権利化重視の視点、活用重視の視点・・・といった、利活用面の視点から考えても、多種多様な大変さがあります。

・・・どこまでいっても修行!そういう世界な気がしています。

大変だからこそ武器になる

と、ここまで、大変だー、大変だー、という話ばっかりしてきましたが、
だからこそ得られるメリットって大きいよね、というのが昨日インタビューを受けて改めて感じたことです。

私でいえば、知財業界に入ってから最初の転職は、長男が1年生、次男が保育園というタイミングでした。
ご存じの方もおられるかもしれませんが、保育園という時代には「お迎え」という決して忘れてはいけない重要任務があります。
このため、この時代にする転職活動は、転職先として選べる範囲も限らざるを得ないし、選ばれる側の人材として有利か不利かと言われれば、不利になることも多いです。

今ふりかえっても、「あの時、よく転職できたなー」と思うのですが、それまでに特許事務所で働いていたことが「専門家」として評価されたことの大きさが確実にあったと思います。

つまり、大変だからこそ、たとえ苦難な状況下でも生き残るための「武器」になりやすいと思います。

共通言語がわかる凄さ

そして、専門家になるにつれて自然と身についていく「共通言語」の活用範囲は未知数だと思います。

私の場合は、近年「海外との交流」という意味で、活用の機会が多いです。知的財産法は、他法と比べて、諸外国の法律と日本の法律との差が少なく、共通項が非常に多いと思っています。(例えば、憲法や民法を他国と比べたら、もっと全然違うと思います。)
なので、英語自体はたいしてできなくても、知財の共通知識さえあれば、意外と色んな方と不自由なく交流しやすいと感じています。
(※この話は、今度Advent Calender向けに詳しく深堀して書く予定です。)

また、英語に限らなくても、知財の方々、たまには「すごい方」なんかもおられたりする中でお話するようなときも、共通言語があることは非常に大きいと思います。
私も、最初のうち、ベテラン弁理士の方々に混じった会に参加することは、生きた心地しなかったものですが、最初のうちは分からないことを素直に訪ねてみると、大体知財は優しい方が多いから丁寧に教えてくださるし、少しずつ慣れてくると、企業には企業、事務所には事務所に共通した課題みたいなものを知るようになって、だんだんと話す話題に困ることは無くなるなーと思います。(この辺りは、知財に限らず、どの専門業界でも同じじゃないかと思います。)

おわりに

というわけで、とにかく最初は「意味の分からない」大変なことが多い知財実務ですが、その大変さを経たところには、困ったときに使える武器だったり、活用し甲斐のある共通言語があったりするなー、というのが、昨日改めて感じた私の気づきでした。



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