オカン、骨折する。

2017年からオカン、旦那氏との同居が始まったのだけど、旦那氏も私もほぼ家にはいない人なのは、変わらず。
まあ、それまで10年以上、家には、寝るときくらいしか居なかったし、旦那氏の仕事も朝早く、夜遅いので、ほぼ私と変わらず。

なので、結婚したからといって、オカンの生活が何か影響あるか、というと、ほぼ影響なかったし、ただ、私が家でご飯を食べることが増えたので、キッチンを使うタイミングでバッティングしないようにするとか、そういう時間によるゾーニングは必要になっていた。
まあ、なので、しょっちゅう喧嘩しまくってたけどね。
けど、顔をなるべく合わせない、ことで、そこはそれなりに回避できていたと思う。

2年ほどした、2019年の9月の半ば、夜仕事から帰ってきたら、玄関に買い物から買ってきた荷物が散乱し、靴は脱ぎ捨てられた状態で、まるで泥棒でも入った??という惨状だった。
あわてて、母の部屋に行くと、ベッドに突っ伏している。
どうしたのかと聞いても、痛い、か、むにゃむにゃいうだけで、話にならない。
30分くらいして、ようやく、整形外科で、腰の骨折と診断された、ということがわかる。
手元に持っていたのは鎮痛剤のようで、それを飲んで、痛いのを我慢して帰宅してベッドに倒れこんだらしい。

ドクターからはどうしろと?と聞くと、ベッドで安静、コルセットは売っている簡易のをして帰ってきて、固定用は採寸してきたから後日取りに来るように言われている、というところまでがわかった。
なんでこんな状態なの?熱でも?
と、この時は思っていたが、後から、薬剤師さん(のちの恩人)の話で、腰痛用の強い鎮痛剤(リリカという薬)の副作用で、もうろうとしたり、幻覚が見えたりするそうで、それを服用してたためによるらしい。こわっ

翌日、会社から整形外科に電話して、ドクターからダイレクトに話を聞き、ようやく、尻餅をついてしまったことからくる腰椎の圧迫骨折で、1ヶ月は絶対安静、ということがわかった。
9月の頭についた尻餅、それによって腰椎にひびが入っていたところ、自重で徐々につぶれていくことによる圧迫骨折だそう。
老人の骨折・寝たきり要因の最も多い骨折がこれ、と知っていたので、とうとう来たかという感じだった。祖母が骨折からの寝たきり、痴呆というフルコースで亡くなっていただけに、あれほど気をつけろと言っていたのに、何してくれとんねん、というのが同時の感想ね。

薬は来てくれれば代理受診で処方するし、コルセットも代理受領できるので取りに来てくれ、とのことで、その日から、FLEXで会社から帰ったり、午後だけ在宅勤務にしてもらったりして、看護生活が始まった。

ご飯は作って、枕もとの台の上においておき、半分寝たまま食べる。
トイレは、何とか伝いながら行けると本人がいうので、手元にあった柔らかいコルセット2つをきつくしめてしっかり固定していかせる。
固定用コルセットが来てからは、腰部がしっかり補強されたこともあって、先生の指示通りほぼ寝てはいるんだけど、食事くらいは起き上がってできるようになっていたので、やはりご飯を置いておいて仕事に行く、という生活をしていた。
病院まではまだ連れて行けないからね、私が代理で行って薬をもらってくる。
仕事しながら、病院に行き、看護する、弟との時と同じ、またあの生活。

さすがにこりていたからね、早めに福祉に頼ろうと、最初の代理通院からのその足で、社会福祉関連の窓口に相談に行った自分をほめてあげたい。

相談に行ったのはもう一つきっかけがあった。

薬剤師さんの存在。
整形外科のすぐそばの薬局は、オカンの通院時による薬局だった。
お薬手帳からもそれは判っていたので(お薬手帳、案外大事)、整形外科の代理受診の帰りに薬をもらいに寄った時のことだった。

薬剤師さん「お孫さん?(間違えられたw)」
私「いえ、娘です。」
薬剤師さん「お母さん最近様子がおかしくない?」
私「?特には・・・」
薬剤師さん「多分、なんだけど、痴呆の心配があるよ。」

よく聞くと、薬局に入ってきて、出口がわからなくなったそうだ。
それも、間違えたレベルではなく、完全にわからなくなっている感じで。
そういえばと、振り返ってみると、いつくか思い当たる節がある。

オカンはもともと右耳がほぼ聞こえず(幼少期のケガによる)、左耳だけで生活してきたのだけど、その左耳も67歳くらい、まだ弟が存命だったころから聞こえが悪くなり、最初の補聴器は弟がプレゼントしたものだったのだが(弟自身が体調がよくないので、物事を伝えるのにも多大な労力を要するのが嫌で買ってあげたらしい・・・)、その後私が買い換えてあげて、多少の耳の遠さはあれど、聞こえないはずはないなのだけど、『えぇ?』『何?』と聞き返すことが増えていた。
これ、もしかして、聞こえないんじゃなく、音を言葉に変換できてない??

薬剤師さん「とにかく、早めに相談して認知症外来行ってあげて、今は治せはしないけど、進行を止める薬あるから」

ここの整形外科には持病の腰痛で10年近く通っているのでね、ほとんど家に寄り付かない私より、薬剤師さんの方がよっぽどオカンのことを見ているなあ、とこの時思った。
後からわかったのだけど、薬剤師さんにも似たような境遇だったそうで、早く気づいていれば・・・と思うことがあったそうだ。

この一言で、帰り道にある社会福祉施設の窓口に立ち寄り、状況を説明したのが2019年10月の初め。
オカンが尻餅をついてから1か月後、だった。

続く


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