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中途採用系サービス比較・企業側から見たWantedlyの比較優位性について

売り手市場の影響や21卒から就活ルールの変更などにより新卒採用市場は大きく変化しています。同様に中途採用市場においても変化は起きています。
そのような変化の中、「共感採用」というキーワードを掲げる「Wantedly」というサービスが伸びてきています。一体それはどういうサービスなのでしょうか?
この記事を読むことによって中途採用サービスの全体像を掴むことができ、且つWantedlyを導入するメリットが理解できるようになります。

■アジェンダ
 ▼中途採用サービスについて
 ▼エントリー型
  ・エントリー型について
  ・サービス例
   ↳マイナビ転職
   ↳エン転職
 ▼ダイレクト型
  ・ダイレクト型について
  ・サービス例
   ↳ビズリーチ
   ↳LinkedIn
 ▼Wantedlyの比較優位性について


■中途採用系サービスについて


▼中途採用とは?
既に就業体験のある人材を企業が採用すること。
▼ポイント
 ・即戦力の確保。
 ・自社にない知識やノウハウを共有できる。
 ・研修の時間や費用を抑えられる。
 ・入社時期の調整が可能。
▼カテゴリ
 中途採用サービス、新卒採用サービス問わず、ネット型採用サービスは大きく分けると「エントリー型」と「ダイレクト型」に分けられる。
 ↳この二つのカテゴリ、代表サービスを調査することで可能な限り網羅的に調べることが可能。


■エントリー型について

従来からある採用サービスで、人材紹介会社からの紹介や求人広告からの応募など「待ち」の採用。これにより、人材紹介会社や求人広告会社がオーナーシップを持つ。
▼メリット
(会社側)
 ・人材を少ない工数で確保できる。
 ・有名サービスが多く、掲載することで企業のブランディングに繋がる。
(ユーザー側)
 ・ES対策など充実したサポート。
  ↳能力問わず多くの母集団を確保するため。
▼デメリット
(会社側)
 ・ターゲットではないユーザーまで応募されてしまう。
 ・SEOを強化する必要がある。
 ・採用ナレッジがたまらない。
 ・売り手市場や労働人口の減少により、人材確保が難しい。
(ユーザー側)
 ・外資やなどを目指す高スペック人材に対する求人件数が少ない。

【サービス例】
■マイナビ転職

▼特徴
 ・概要
  株式会社マイナビが運営する日本最大級の総合転職情報サイト。
 ・会員データ
  会員数:約507万人 掲載件数:約1万社
  ↳大半が30歳以下で幅広い職種の方が登録している。
 ・料金形態
  (会社側)掲載料金+オプション
  (ユーザー側)料金はかからない 
   
▼メリット
(会社側)
 ・若手採用に強く、幅広い業種をカバー。
 ・掲載料が安価。
 ・ITエンジニア採用など専門求人サイトも併設。
 ・直接アプローチが可能。
 ・掲載することで企業ブランディングに繋がる。
(ユーザー側)
 ・掲載されている80%以上の求人がマイナビだけのもの。
 ・書類添削や面接指導などの充実したサポート体制。
 ・大規模な転職イベントを随時開催。
▼デメリット
(会社側)
 ・キャリア経験が浅い人などが多い。
  ↳ハイスペックな人材は確保しにくい。
 ・SEOを強化する必要がある。
(ユーザー側)
 ・利用者が多いから競争率が高い。
 ・採用案件に一般職が多い。
*詳しくは下記のURLからご覧ください。
https://www.neo-career.co.jp/humanresource/middlecareerservice/site/mynavitensyoku-1/

■エン転職

▼特徴
 ・概要
  入社後の活躍まで見据えた使いやすさNo.1の求人サイト。
 ・会員データ
  会員数:約700万人 掲載件数:約6千社
  ↳若手層のユーザーが多く、毎月7万人が新規会員登録している。
 ・料金形態
  (会社側)掲載料金+オプション
  (ユーザー側)料金がかからない
▼メリット
(会社側)
 ・口コミサイトと連携し、企業のリアルな情報を提供。それによりミスマッチを防ぐ。
 ・全てのプランにおいて高露出を実現。
 ・選考中の工数を軽減できる機能。
 ・直接アプローチが可能。
(ユーザー側)
 ・掲載されている80%以上の求人がエン転職だけのもの。
 ・口コミにより企業のリアルを知ることができる。
 ・「働きがい検索」などの独自の検索機能。
 ・面接対策などの充実したサポート。
▼デメリット
(会社側)
 ・キャリア経験が浅い人などが多い。
  ↳ハイスペックな人材は確保しにくい。
(ユーザー側)
 ・掲載件数が大手と比べてかなり少なく、関東エリアに集中している。
 ・採用案件が一般職が多い。
*詳しくは下記のURLからご覧ください。
https://www.neo-career.co.jp/humanresource/middlecareerservice/site/entensyoku-1/


■ダイレクト型について

売り手市場の加速や労働人口の減少などの外部要因に伴い普及していっていおり、企業から自ら積極的に採用を行えるようになったサービス。
▼メリット
(会社側)
 ・ピンポイントでほしい人材にアプローチをかけられる。
 ・潜在層へのアプローチが可能。
 ・人材紹介会社で紹介されにくい人材(年収帯の高い)の発掘。
  ↳人材紹介会社は紹介者の初年度の年収の一部をもらうので、年収帯の高い人をターゲットにしている。
 ・自社に採用ノウハウをためられ、再現性をもった採用活動が可能。
(ユーザー側)
 ・思いがけない会社からメッセージが届く。
 ・自分の市場価値がわかる。
 ・非公開求人が多くある。
  ↳会社からのアプローチなので、重要な情報も公開することができる。
▼デメリット
(会社側)
 ・必ずしも採用コストが安くなるとは限らない。
 ・転職潜在層がサービスに登録する可能性は高くなく、大半は本格的な転職活動目的の利用なので、潜在層のアプローチは簡単ではない。
 ・採用ノウハウは一喜一憂でたまるものではないので、時間がかかる。
 ・プロフィール欄に記載の個人の能力は自己評価なので必ずしも正確ではない。
(ユーザー側)
 ・基本的に受け身の姿勢なので、採用メールが来ない場合もある。
  ↳急ぎの転職には向かない。
  ↳過去のキャリアで見られる。

【サービス例】
■ビズリーチ


▼特徴
 ・概要
  ハイクラス転職を狙う即戦力人材のための転職サイト。
 ・会員データ
  会員数:約100万人 掲載件数:4.2万(非公開求人も含む)
  ↳専門性の高い仕事を経験した方や、管理職経験のある方が多数登録。
 ・料金形態
  (会社側)月額のサイト使用料
       採用時の成果報酬
  (ユーザー側)月額のサイト使用料
(無料でも可能)
         採用時には料金発生
 ⇒ユーザー側かも料金を取ることで、ユーザーにとって質の高いサイトに。
▼メリット
(会社側)
 ・登録する際に審査があるので優秀な人材が多数登録。
 ・ターゲットを直接検索できるので、最小のミスマッチが起こりにくい。
 ・ユーザー側も料金を払うので、採用コストが安くなる。
(ユーザー側)
 ・非公開求人を見ることができる。
  ↳社名を明かさず募集をかけたり、エージェント経由でしか紹介できない案件など。
 ・ユーザーから企業やヘッドハンターにアプローチが可能。
 ・ヘッドハンターのスキルチェックが可能。
▼デメリット
(会社側)
 ・一般職を採用する目的には向いていない。
 ・中小やベンチャー向きではない。
(ユーザー側)
 ・転職活動に費用が掛かる。
 ・独自の基準を満たさなければ、サービスが使用できない。
*詳しくは下記のURLからご覧ください。
https://www.bizreach.jp/pages/service/humanResources/

■Linked In

▼特徴
 ・概要
  世界中で使われているビジネスパーソンやコネクションや情報の管理を支援し、生産性を高めることに特化したSNS。
 ・会員データ
  会員数:約200万人(国内)
 ・料金形態
  (会社側)求人掲載はクリック型課金制
  (ユーザー側)料金はかからない 
▼メリット
(会社側)
 ・仕事関係のつながりなので、経歴の詐称などがほとんどない。
 ・ターゲットに対して広告を打つことが可能。
 ・世界中で利用されているので、国籍を問わず採用が可能。
 ・繋がりを目的としたSNSなので、転職潜在層にもアプローチが可能。
  ↳メッセージを重ねて長期的なアプローチも可能。
 ・社員のブログが掲載可能など、企業のブランディングにも繋がる。 
(ユーザー側)
 ・ビジネス上の繋がりを可視化できる。
 ・転職活動をしていなくてもオファーが届く。
 ・専門分野などの意見交換ができる。
▼デメリット
(会社側)
 ・運用に時間や労力がかかる
  ↳ほとんどが転職目的ではないなどの理由
(ユーザー側)
・Facebookとの使い分けがしづらい。
*詳しくは下記のURLからご覧ください。
http://linkedin-method.com/linkedin/introduction-of-linkedin/


■Wantedlyの比較優位性について

①ビジョンを伝えられる仕組み
 応援制度や月額課金での記事無制限掲載、上位表示の仕組み、気軽さ。
 ↳小さな会社でも努力次第でターゲットを獲得できる。
②SNS経由での潜在層へのリーチ
 Wantedlyの応援機能などによりSNS経由で会社情報を拡散でき、潜在層へのアプローチが可能に。
③求職者の正確な能力の可視化
 これまで個人の能力は自己評価で正確ではなかったが、SNS特有の「つながり」によって知り合いから評価されるので、より正確にターゲットにリーチできる。

上記の3つの優位性は5C分析に基づくアプローチ
①company
▼会社の目指す方向性
 ・共感採用
  例)募集要項に給与記載がない。
  ↳求職者の熱量が高く、会社へのコミットメントが高い。
▼サービスの特徴
(強み)
 ・ダイレクト型に分類。
 ・ビジネスSNSの位置づけ。
  ↳DMや応援機能による拡散やSNS経由での潜在層へのリーチ。
 ・月額課金制で無制限に記事の掲載が可能。
  ↳新着記事は上位表示されたり、PV数やフォロー数によって上位表示され、努力次第で検索表示が上がる仕組みになっている。
 ・とりあえず企業に話を聞きに行くようにしたりするなどユーザーにとって気軽に使えるような機能性で、長期的なファンづくりが可能。
 ・求職者の情報可視化、ユーザー同士がお互いに評価できる機能。
  ↳経歴詐称が少なくなったり、他者評価による能力が可視化され、よりターゲットの採用が効率的に。
(弱み)
 ・運用力や営業力が必要

②communiy
 ・労働人口の減少
 ・売り手市場の加速
 ・人材の流動化
 ・ビジネスモデルの短命化
  ⇒ダイレクトリクルーティングの主流に

③consumer
▼ターゲット
 ・ミレ二アル世代がユーザーの大半
  ↳ミレ二アル世代は管理職世代より仕事の条件において「意義」を重要視している(Wantedly決算書調べ)。
▼消費者インサイト
 ・仕事に意義を見出せなければ辞める。

④competitor
 ・ビズリーチ
 ・LinkedIn

⑤customer(ここではパートナーの意味)
▼SNS
 ・facebook
 ・Twitter
(強み)
 SNS経由で潜在層へのリーチ。
 ↳サービスに登録していない層にもリーチが可能に。
(弱み)
 PVが上がったり、応募は集まるが転職潜在層なので採用にすぐに繋がらないことがある。