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君の街まで「中村佑介20周年展」が飛んできた

憂いを帯びた女の子の横顔が印象的なCDジャケット、私が初めてその絵と出会ったのは中学生の頃です。その顔は何を物語っているのだろう、絵の中の女の子たちはいつでも瑞々しく微笑み、大人になった今でも私を魅了し続けています。

そんな中村佑介さんの作品展が宮城県にやってくる!学生のときから惹かれていた女の子に会いにいきました。

※写真撮影、SNSシェアOK
会場の関係で、通路が狭くなっています。撮影時には他のお客さんの邪魔にならないよう気をつけてくださいね。ゆっくり観たい方は、開館時間すぐか平日の来場をおすすめします。

中村佑介20周年展

最初の展示は、ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」(以下アジカン)のジャケットワーク。アジカンの曲が流れ、作品の世界観を確かな力で引き込むのです。展示ブロックごとの説明文は、フリーライターの武田砂鉄さんが執筆しています。

ソルファ(2004年)

会場は、完成した作品はもちろん、着色前の線画も一緒に展示してあります。前に浮き出るように描かれた女の子と、繊細に書き込まれた背景に、思わずまじまじと見つめてしまうのでした。

私の中村佑介作品の出会いと言えば、アジカンのCDジャケットです。屈折した感情を心地よい日本語のリズムに乗せた音楽、それを聴きながらジャケットの世界を覗く。学生のときは、理屈のわからないかっこよさに魅せられていました。

夜は短し歩けよ乙女 角川文庫版(2008年)

アジカンの他に、私の中で中村佑介さんのイラストといえば、森見登美彦さんの小説「夜は短し歩けよ乙女」。映像や画像のない文章から、実在するように黒髪の乙女を引っ張りだす、解像度がなんて高いんだろう!と思ったものです。

オリジナル作品

CDジャケットや本の表紙などのアートワークの他にも、文芸誌の表紙や商品パッケージ、オリジナル作品が会場いっぱいに展示されています。今回が過去最大の展示数だそう。(中村佑介公式Twitterより

ターナー<アクリルガッシュ>

クライアントが、CDジャケットや本の装飾、商品パッケージ…写真ではなく“イラストレーション”を選ぶとき、そこには作品や商品そのものと共鳴する世界観を加えたいのでしょう。

そのとき中村佑介さんの絵は、「あぁこの絵があって、この作品のピースがそろったのだ」と思わせてくれる。イラストはただの記号ではなく、世界の拡張だなと感じるのです。

会場

宮城県会場は、石巻市にある「石ノ森萬画館」です。東北初開催の中村佑介展は2023年4月22~7月2日までとなっています。お近くの方はぜひ見にきてくださいね!

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▼こちらは同じ会場で、「ねずみくんのチョッキ展」を観たときのレポート。

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