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時間軸と並行世界 1


仰々しいタイトルですな。

こんなことがありました。
このあいだ、午前の整体帰りに、お昼ご飯はどうするか。11時すぎたところで食べようと思った「はらこめし」のお店はまだのぼりが立っておらず。
立派なお値段の「はらこめし」のお店はのぼりが出ていて、
お財布と相談して、直観と相談して、
ああ、そうだ、通りすがりのお魚屋さんに「はらこめしべんとう」
と出ていたからあれにしよう、と決めて
そうすれば財布にも優しく、家で食べれば午後予定していた
子どもの放課後デイの契約にも間に合うぞと
我ながら良い考えだと車を走らせて、はらこめし弁当もゲット
では帰ろう、
浜通りを帰ろう、
浜通りは車がすいすい、
たまに自転車の人や
貞山掘で、カヌーの練習をする大学生、
ランニングする人に会うけれど、

その日は
高齢の方が一人で歩いていた。
荷物は、手になにかもってはいるけれど
貴重品ではなさそう
とにかく身軽。だけど
革靴だ。
服装はカジュアルな秋物なのに。

はて。うーむ、まさかな、もしかして。

歩きつつ、歩道の柵に手をやって休んでいる様子。

この辺りは、畑か工業関係の建物しかない。
通り過ぎる。
で、
もどる、
車を
車道ぎりぎり端に寄せる。
「こんにちは」
「どちらにいくのですか?」
「お名前は?私〇〇っていいます」
「お誕生日は」
「お家はどちらですか。」



名前と誕生日にこたえてくれた。お家は、「あっち」と指をさす。
住所をきくと「うーん」と考える様子。
あっちの方には空港、民家は流されているので一軒もない。
かりに、あっちの民家にいくとすれば、流された集落もこえて、
ここから10キロ近くあるだろう。

「お手伝いすることはありますか。乗せていきますか。」
と尋ねると、「ありがたいけれども…」
住所分からないと乗せられないのですが、というと
「じゃあいい」といいました。
「少し休んだらいかがですか」というと、止まってくれたので、
そのすきに、車の陰で110番に電話をして、
保護が必要と思われる方に声掛けしていることを伝えた。
ちょっと距離を置きながら見守ることも伝えた。
顔に傷があることも伝えた。
いつになるかわからないが現場に行くようにします、とのことだった。

電話をしているうちに、進みだしてしまった。

あまり、近づくと警戒されて、興奮したり、走りだしたりして、
怪我をされても困ると思い、
ちょっと先に車が入れるようなスペースがあったので
そこにとめて、見ていた。
道は一本道の歩道だった。
でも、途中から橋で道が分かれて、歩道のないほうに行ってしまった。
ただ、歩道のないほうの道は、車どおりは少ない方だった。
すると、
一台車が止まった。
声を掛けているようだった。
私も近くにスペースを見つけて車を停めて合流した。

「お連れの方ですか」と、聞かれたが、違いますー、と言って、
さっき、通りかかったところだったんですけれども、と言いながら、
スマホを持ち、その方にゼスチャーで「電話済です」と伝えた。
その方も、
その高齢の方に「心配なんでついていきますね。」などと話しかけながら
ときどき休みながら、移動した。

その間、
パトカーが来た。
来たものの川の向こう側の道路を行ってしまった。
二人で手を振ったので(肩のリハビリに行った帰りなのに)
気づくかと思ったがそのままいってしまった。
その先の交差点も通り越していった。
おいおい、どこまでいくんだよ、
お年寄り、いくらなんでもそんな遠くまで歩けるかい!!と思った。
あれ、どこまでもまっすぐ行ったらどうしようもないと思い
また110に掛けたが今度はまさかの呼び出し30秒たっても反応せず。
の、2回かけたが。

それで、
今度は管轄の警察署に電話をして、かくかくしかじかで、
パトカー通り過ぎてしまった、ということを伝え、
貞山掘の西側の道路を歩いている。空港より南側だ
と伝えた。

すると、ほどなくして、先ほどのパトカーが戻ってきて、こちらに向かっているように見えた。
貞山掘の東側を走るパトカーは、
西に向かう橋を越え、
空港の南側にいる私たち、ではなく空港に向かって曲がっていった。
何なの距離感。

空港めざしてんじゃねえよ。

コントかい、と思いながら
警察署にまたかけた。
「パトカーが、見つけずに空港方面に曲がってしまいました。」
警察署の人は1回目と2回目、別の人のようだったが。伝わっているのだろうか。
まったくもう、と思いながらも、
はて、と思い、
念押しでもう一回かけた。
「空港の直前の橋を、パトカーは北に向かいましたが、反対側にいます。貞山掘沿いです。」

なんとか、パトカー来た。もはや、間違ってまがった橋まで
お迎えにいった。

実は、はらこめしべんとうを買うときから
トイレにいきたいなあと思っていた。
気のせいだったのかもしれない。
家まで間に合った(でもぎりぎりセーフ)。

110番の時点でスマホに、
位置情報を知らせます、とでているのに
私の位置情報はどこの誰に伝わっているのか?
壊れていたのか?
警察のこういった場合のやりとりは、一体どうなっているのか?
そういえば、1回目に連絡をしたときに
こう聞かれた。
「はい、か いいえ、 で答えてください。認知症の可能性はありますか?」的なことを聞かれた。
とっさに、はい、か いいえ、では答えられなかった

「名前と誕生日は言えるのですが、住所がでてこない、のはおかしいです」
などそのほかの気になる様子も交えて長々と答えた。
電話口で「わかりました」と返ってきた。
あとから、なぜ、答えられなかったのだろうと思った。
チーン
私が祖母の認知症の検査に立ち会ったとき。
医師は
100引く7は。
住所は。
年齢は。
今日の日付は。
・・・
いろいろな質問をしていった。
MRIも取った。
それで診断した。、、、からだろうか。

謎である。

高齢者の引き渡しが無事すみ、
家族とも連絡が取れ迎えに向かっていると聞いた。
後から合流したその人と、車を停めた場所まで
てくてくと話しながら歩いた。
高齢者福祉の専門職なんです、と。
何度か、やはり気になる高齢者に声掛けをして、
引き渡しまで立ち会ったことがある、と
言っていた。

私は、
昔、祖父が夏場に自転車で出かけた先、熱中症で動けなくなって
通りすがりの方に救急車を呼んでもらい搬送されたことがあったのを思い出した。
祖母の認知症の診察の際も診断に立ち会った。
その後の見守りなどの対応も本を買って調べた。
ささやかながら、その時の経験が生きているのだと思う。

そうでなければ、見知らぬ人に声を掛けるのは勇気がいる。
私は、一度は通り過ぎたが、確信がもてた。
体験でしみついているんだなあ。
ちなみに、後から合流したそのひとは、
かつて、連絡した結果、「余計なことをして」と
家族(なのか、関係者)に𠮟責をされるということもあったと
つぶやいていた。
おそらくは、抱え込んでいるのだろうと思われる。

なんにせよ、大事にいたらなかったことと、
自分の他にも、困っている人の先を見越して動く人がいる
という場に立ち会えた
私にとってはうれしい一日になった。

気づくと、
放課後デイサービスの契約の約束1時間前だった。
ゆっくり食べるはずが急いではらこめし弁当を食べた。
予定外の任務をはたしたので、
とてもおいしかった。

食べながら、
はらこめし弁当を選んでいなかったら、
お店ではらこめしを食べていたら
あの高齢者を
誰が警察に連絡していただろうか、と、
ふと考えた。

(後から合流した人が、通報していたと思う)
ただし、
私がはらこめしをお店じゃなく弁当を選んだように
後から合流した人が、
その時間にその道を通っていればの話。

道路いっぽん、途中から、歩道のない道を歩き始めて
歩道もなく、ふらついてたら道路か川に落ちていたかもしれない。
声かけしていなければ、
「たまに使う道路沿いで、お年寄りが事故にあったニュース」を
耳にすることになっていたかもしれない。
そんなことを考えた。

自分の心の声に寄り添いながら、
自分が体験してきた中での、
最善の行動を選んでいきたいと思う。

にしても、パトカー………。(笑)