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月モカ!!vol.267「禍福はあざなえる縄のごとし」

ハローみなさま、お久しぶりです。
いかがおすごしですか? 怒涛の2ヶ月を終え、ようやく日常を取り戻しつつあるわたしがいます。今日はやっとこジムを再開しました。

さて。前回の「月モカ!」は職業作家最後の渾身エッセイ!みたいな感じでエモ強く書きましたけど、あれから約2ヶ月、引退状態にも馴染んできた今のわたしはもう渾身エッセイを書きません(笑)逆に戦闘状態を15年キープしていた少し前の自分が懐かしい。なんかみなさんも経験あると思うんだけど、ずっと根詰めてやっていたプロジェクトとかがあって、もうそれに向かって満身創痍なのがデフォルト、みたいな状態が続いていて、それがやっと終わった数日後とかのオフに思わずバッ!と飛び起きて(なんかやることあったんじゃなかったっけ今日!?)みたくなってその後で(いや、ないんだ。もう今は、何もしなくていいんだった……)って気づくあの感じ。笑。

9月はなんか「引退」というのも尻の座りが悪いしそれは気分の話で(モゾモゾ・・・)という感じだったけど、そこからはもうちょっとお店の方がすごく大変な事件があって「わたしは作家か否」とかはもうどうでも、それより店が、いろんな意味でこのままだと潰れちゃう・・・みたいな危機感に晒されて、その時初めて「だってわたし本職作家だし」という逃げ場もないことに気づいて(一応開業時から本当はわかってるんだけど言い訳としての心の逃げ場)、沈思黙考しては何かを決断し、また沈思黙考しては何かを決断し、その決断に対して誤解されて少し批評されたりして、忸怩たる思いをしたり、した。

これまでの事件もそうだったけど、毅然とはっきりした決断を下すことがいつかはみんなに「もう許してやれよ」って言ってもらえる機会の土台を作る。そこでなあなあにしていたら、ちゃんとしていたら多分いつか「もう許してやれよ」といってくれる人が「あそこでちゃんとしなかったから」って言い出す側になって未来的には逆転するんだ。だからそうしてるのは愛情からなのに、なぜ皆そんなに上辺だけをなぞって、わたしの真意を掌握したと思い込む?

新大阪の夕暮れ(2023年9月)

まあそんな日々の中でもおそらくブレずに感情的にならずに、その時必要だと思えることを、しくしくとやって、10月ももう終わると思った今日、
わたしの奥歯が噴火した。

話は変わるが風水とか気学とかスピとかを重んじて金運が上がるように財布とかをちゃんと同じ場所に寝かせるようにしている人にまず教えたい事は「歯の治療が一番運気があがるよ」「むしろ歯が汚かったら全ては無意味だよ」ってこと。がしかしわたしは歯医者が怖い。そんなわけで根津に引っ越してから2年も歯医者に行ってなかった。よくないのはわかっていたんだけど。だけどこういうものは「ほんとうにわかるとき、感動はどうでもいいのだ(by ドレスコーズ「しんせい」)」ばりに感動を置き忘れて理解するのだけど、常連のエコ氏に歯医者を教えてもらってまず歯石を取った日、わたしはこの「おざなりにしていた歯のこと」がすべての運気を下げていたことに気づいた。気づいたというか悟りレベル。
それで本当は最初に右の奥歯の治療をしなくてはいけなかったんだけど、左の上の方が先にちょっとシクシクしたので、そちらの治療を終え「数日様子をみましょう」ってところで最初から怪しかった右の奥歯が噴火したのである。

そこは何年も前に神経を抜く治療をして歯は痛まないはずだったんだけど、その根のところが酷く膿んでいたようで今日はもう麻酔すらも死ぬほど痛くて、治療の後も親知らずを抜いた日ばりに痛みに悶えている。

けれど不思議と今夜からジムを再開してそのジムについている温泉的な湯船に浸かっていた時に沸々と「心の奥底からの安らぎ」が湧き上がってきた。
最初(あれ?ロキソニンでハイになっちゃったのかな)と思ったがそうではない。これは浄化の歓びだ。わたしはきっとこの3年、何かがあるたびに歯を食いしばってそれを乗り越えて、噛み締められた歯の根には、それでも納得できないわたしの「心の膿」が溜まっていったのだろう。でも今それを治療している。心的にではなく物理的外的に、治す旅が、今日始まった。

「歯の根の治療はね、ちょっと時間かかりますよ、何回かまた開けてね、炎症や汚れが取れるかどうか、これはもうやってみないとわからないです」

そう言われたけど「絶対に治る」と確信した。
だってこれがネカティヴの残存の最後の顕在化だもの。
全力でこれを滅する。

隣に引っ越してきたパキスタンのタフラと(photograph by Teppei Hori

「禍福はあざなえる縄のごとし」
この言葉を教えてくれたのはピアニストの上山くん。

ほんとうにそうだなと思う。そうやって何が禍で何が福かなんて実は最後まで誰にもわからない。

 Well, life has a funny way of sneaking up on you
When you think everything's okay and everything's going right
And life has a funny way of helping you out
When you think everything's gone wrong
And everything blows up in your face
そう、人生は面白い方法であなたをあざむく
全て上手くいっていて、全て正しく進んでいると思っているときにね
そう、人生は面白い方法であなたを助ける
全て上手くいかなくて、
何もかもに平手打ちをされたと思っているときにね

わたしのバイブル、アラニスモリセットより「Ironic」

ほんとうにあざなえる縄のごとく、誰かにとっては福であることが誰かにとって禍いになる。わたしのことを「正義を振りかざしている」ように思う人がたまにいるんだけど、わたしは「人はいびつで、だからこそ人だ」ということを一貫して書いてきているからそんなことないと思うんだけどな。
でもその「わかってほしい」と思う想いすらも自身のエゴなのです。
そのエゴを歯ぎしりして3年押さえ込んで根が腫れたのです。
まあそんなわけで。

歯が痛すぎて何も噛めないので栞の作った豚汁を。

痛みも凄いが、痛みの副産物かわからないがちょっと良さげな「宵巴里」のキャンペーンを思い付いた。近々、りさこと”おゆう”に相談してみよう。
(”おゆう”というのは新しい登場人物です、以後お見知りおきを)

まさに、禍福はあざなえる縄のごとし!!

先日「宵巴里」を購入くださった方が「それ以外の全著作」を!買いにわざわざ来てくれた!気分引退した途端にこういうことって起きるよねまさにアラニス!

<月モカvol.267「禍福はあざなえる縄のごとし」>
※月モカは「月曜モカ子の私的モチーフ」の略です。


間も無く配布のがんこエッセイと連動しています、お楽しみに!
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☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。☆このページを通じて繋がってくださっているあなた! あなたの「いいね!」はわたしの励みになっています、いつもありがとう。

(↑こちらは「K・ブランシェット192」に繋がる何か/ 内容や抜粋ではない)


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