BL/ゲイ映画32作をオススメ紹介する・後編
前編・中編と書いてきていよいよ後編になります。
前編はこちら:
中編はこちら:
後編ではこちらの映画を紹介します。
【後編】ある少年の告白/ストーンウォール/ムーンライト/彼が愛したケーキ職人/BPM/マイ・プライベート・アイダホ/ブロークバック・マウンテン/ハートストーン/最初で最後のキス/ゴッズ・オウン・カントリー/ウィークエンド/僕を葬る
【シリアスな題材の映画】
真面目なテーマだからこそ、愛が奥深い映画です。
ある少年の告白
同性愛者の矯正施設とはなんぞ?な映画
いちゃいちゃ度★★★ セクシー度★★ 美しい度★★★ お手軽度★★
あらすじ
牧師の家庭で育ったジャレッドは、自分が同性愛者であることに気づく。厳格な父と息子思いの母は、ジャレッドを同性愛の矯正セラピーへ参加させるが、ジャレッドは自分を矯正し、偽ることに疑問を持ち始める。
この映画を観るまで、同性愛者の矯正施設の存在を知りませんでした。矯正施設という存在、そこでのセラピーの実態が知れる映画です。主人公が施設で自分の性的指向を偽ることと葛藤する映画なので、恋愛がメインの映画ではないのですが、回想の中で恋愛するジャレッドくんの姿が見られます。その恋愛がピュアでセクシーさもあって、触れるか触れないかの駆け引きみたいなところがあって、キュンキュンできます。
ストーンウォール
題材はシリアス、だけどなぜだか明るく陽気な映画
いちゃいちゃ度★★★ セクシー度★★★
美しい度★★★ お手軽度★★★★
あらすじ
ゲイがバレたことで家にいられなくなった主人公の青年ダニーは、性的マイノリティの街クリストファー・ストリートで暮らすことにする。そこで、レイという青年との出会い、警察との攻防、売春、マフィアとの関係、ゲイの権利を得るべく戦う活動家組織への参加など、様々な経験をする。
ゲイの肩身が狭かった時代に圧力と戦う人々、そして居場所と愛に飢える青年たちを描いた作品です。主人公のダニーは経験の浅い青年、街で知り合うレイ(ゲイ~トランスジェンダー)、ギャングのような組織のリーダーであり、真逆のような性格です。ダニーとレイは惹かれ合いながらもすれ違います。ダニーに活動家の年上彼氏ができたり、ダニーがマフィアに殺されかけレイに助けられたり、恋愛以上になんか本当にいろいろ起こる映画です。お互いの寂しさを埋めながら、自らの権利のため権力に立ち向かう主人公たちの姿がカッコイイです。
彼の愛したケーキ職人
人間関係はともかく、ケーキが美味しそうな映画
いちゃいちゃ度★★★ セクシー度★★★★
美しい度★★★★ お手軽度★
あらすじ
ドイツのケーキ職人トーマスの店に、イスラエルから出張してきたオーレンという男性が訪れ、恋仲になる。オーレンはイスラエルに妻子がいて、イスラエルとドイツを行き来していたが、ある日事故でなくなってしまう。それを知ったトーマスは、彼の家族のいるイスラエルを訪れ、オーレンの妻の店で働き始める。
主人公のトーマスが、同性愛の恋人だけでなく、その妻とも恋仲に発展するビックリな作品です。節操の無さが、逆にいい。2人の間の子供にも懐かれる始末です。加えて、イスラエルに住む厳格な親戚との、宗教的な問題もテーマとなる、ストーリー的には難しめな作品になっています。もちろん宗教的な問題や混迷する人間関係をじっくり観ることもできますが、なによりトーマスが作るケーキやクッキーが可愛いくて美味しそうなので、眺めているだけでも楽しい映画です。
ムーンライト
マイノリティ+マイノリティ、幾層にも深い映画
いちゃいちゃ度★★★ セクシー度★ 美しい度★★★★ お手軽度★★
あらすじ
麻薬中毒者を母に持つ、同性愛者の黒人少年シャロンの人生を、幼少期・少年期・成人期という3つのフェーズで物語る。シャロンは自らの境遇の中で必死に生きながら、明るい親友のケヴィンに心を寄せる。
シャロン自らの人生とケヴィンとの関係を、人生の3つの段階に分けて描く作品なので、分かりやすいと言えば分かりやすいです。同性愛者、スキンカラーの問題、貧困、麻薬…といろいろなテーマを備えすぎている感はありますが、最終的には「なるようになる」ので安心して観られる映画です。最初はシャロンが弱い子でケヴィンの明るさに引っ張られていたのが、だんだんと関係が変わっていって、でもお互いを思う気持ちは変わらない、幼なじみ恋愛が素敵なお話。
BPM
フランスらしい、アーティスティックな映画
いちゃいちゃ度★★★ セクシー度★★★
美しい度★★★★ お手軽度★
オススメ
舞台はパリ。LGBT・プライド・パレードやエイズに関するデモを行うグループに所属する青年ショーンは、自らもHIV陽性になってしまい、恋人のナタンやグループメンバーに横暴な態度をとってしまう。
フランス映画なので映像は綺麗だけども、長くて物語がわかりにくいです(個人の感想です)。しかしデモの雰囲気や、HIVを取り巻く製薬会社などの問題、HIV陽性になってしまった人の心情と恋愛など学べることは多い映画だと思います。自らの余命を感じて他人に批判的になってしまうショーンと、彼に献身的に寄り添うナタンの姿が切なくも美しいです。回想で甘々なシーンもあるほか、フランスなのでスキンシップも多めなのが嬉しいポイント。
【切ない愛の映画】
全体的に切ない、でもそのぶん愛し合う時間が愛しい映画です
マイ・プライベート・アイダホ
アンハッピーの王道恋愛映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★★ 美しい度★★★★ お手軽度★★
あらすじ
帰る家も無く男娼をしてその日暮らしをしているマイクは、ナルコレプシーという突然睡眠してしまう病気を持っている。ある日マイクは、スコットという同じ男娼の青年と仲を深め、共にマイクの家族を探す旅に出る。
言わずと知れた悲愛の名作です。主人公のマイクを演じるのはリバー・フェニックスで、キャラクターの憂いや悲しみを見事に体現しています。相手役のスコットは美少年だったころの(失礼)キアヌ・リーヴスが演じています。スコットとマイクは同じ男娼だけれども、本当に帰る家も日銭も無いマイクとは違い、スコットは裕福な家庭に生まれ一時的に家出しているだけ、という二人の隔たりがポイントになります。マイクのナルコレプシーという設定も独特な、不朽の名作です。
ブロークバック・マウンテン
甘いのか!?苦いのか!?ハラハラするカウボーイ映画
いちゃいちゃ度★★★★ セクシー度★★★★★
美しい度★★★★ お手軽度★★
あらすじ
牧場手伝いを生業とするカウボーイのイニスと、ロデオボーイのジャックは、羊番のアルバイト中に恋仲になる。しかしアルバイトが終わり、離れ離れになると、それぞれが結婚し家庭を持ってしまい…。
いちゃいちゃ→ケンカわかれ→やっぱ恋しい♥いちゃいちゃ→ケンカ…を繰り返すカップルのお話です。そう言う意味で悲しいシーンもあるけど、果たして結末はどうなのか…!?を見守っていく映画になっています。主人公のイニスを演じるヒース・レジャーのキスがとっても優しくて、尊いです。イニスは不器用だけど恋人ジャックへの愛情が深いキャラで、全体的にジャックからのラブコールに応じるイニスの可愛さ、応じないイニスのもどかしさが面白いところです。また、イニスの奥様役のミシェル・ウィリアムズ、ジャックの奥様役のアン・ハサウェイがめちゃくちゃエロ可愛いのでそれも見どころです。
ハートストーン
美少年の切ない顔がかわいそうすぎる映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★ 美しい度★★★★★ お手軽度★★
あらすじ
舞台はアイスランド。主人公・ソールは思春期のやんちゃな青年で、反抗期でもあるため、親友のクリスティアンといつも外遊びしている。ソールは近所に住む女の子たちと恋愛したいと思うようになり、クリスティアンもそれを後押しするが…。
薄幸の美少年クリスティアンくんはソールくんが好きなんですが、それに全く気づかないソールくん。しかしずっと一緒にいるから、スキンシップやコミュニケーションはあるわけで…。カミングアウトもできず辛い思いをするクリスティアンくんが儚い&切ないな映画です。クリスティアンくんの悲しげな顔と雰囲気には心臓がキューっとします。そんなわけでクリスティアンを応援せざるを得ないんですが、そう簡単に上手くいかないのが男の子同士の恋愛映画なんですよね…。アイスランドの風景、めっちゃのどかで綺麗です。
最初で最後のキス
男の子2人、女の子1人の三角関係を祈りながら見守る映画
いちゃいちゃ度★ セクシー度★★★ 美しい度★★★★ お手軽度★★
あらすじ
ゲイのロレンツォ、一匹狼な女子のブルー、そしてバスケ部で気弱なアントニオは、学校の「はみ出し者」として仲良くしている。しかしロレンツォはアントニオが、アントニオはブルーが、ブルーはロレンツォが好きという形の三角関係になってしまう。
途中まではいい感じなのに後半から急に不穏な雰囲気になる映画と断っておきます。イタリアの映画で、映像の表現方法も独特です。しかし3人それぞれの悩みや恋心は丁寧に描かれていて、恋したい!という気持ちに寄り添うことができる映画です。ロレンツォはグイグイなタイプなので、スキンシップも多めです。微笑ましい青春場面も多々あります。結末が提示された後、IF的な運命の映像も提示されるのが新しいし、良いなと思いました。
【大人の映画】
お話の甘苦さはもちろん、ラブシーンが濃厚な映画です。
ゴッズ・オウン・カントリー
欲望のままに生きてるワイルドな映画
いちゃいちゃ度★★★★★ セクシー度★★★
美しい度★★★★ お手軽度★★★
あらすじ
牧場の一人息子で、退廃的な性格の同性愛者ジョニーは、寂れた牧場、口うるさい父親、そして身体の関係以上の恋愛の無い生活で荒れていた。そんな中、牧場に期間限定で働きに来たゲオルゲに恋をしてしまう。
ゲイ映画ってなぜか牧場的なシチュエーションが多いのですが、これがその代表だと思います。藁の小屋みたいなところでガツガツまぐわるお二人をウフフと楽しむ映画になります。最初はあまり雰囲気とかは無く、本当に欲望のままに!後半にはちゃんと雰囲気もある!みたいなところが本作品のカップルの特徴だと思います。すさんだ生活をしていたジョニーが、ゲオルゲの甘々な優しさによって更生していく様も、またウフフです。家畜の牛やら山羊やらを捌くシーンがガッツリ映るので、苦手な方は気をつけてください。
ウィークエンド
ヒゲカップルの3日限定いちゃらぶ物語な映画
いちゃいちゃ度★★★★ セクシー度★★★★★
美しい度★★★★ お手軽度★★★
あらすじ
主人公でゲイのラッセルは金曜日の夜、クラブでグレンという男と出会い、一夜を過ごす。そのまま土曜日も共に過ごすが、グレンが週明けにアメリカへ旅立ってしまうことを知る。
お髭と体毛がセクシーなおじさんたちの3日間を描いた映画です。ラブシーンががっつりめなので鑑賞の際はご注意ください。ワンナイトのはずだったのに、お互いに好きになってしまう、だけど3日間しか会えない、という焦りと好き好きパワーが90分の物語に詰め込まれています。主人公のラッセルが言葉数少なめなのに対し、恋人のグレンはアーティストで感情豊かによく喋るという、性格の違いも良いです。
僕を葬る
美し儚なエロい、フランス映画
いちゃいちゃ度★★★★ セクシー度★★★★★
美しい度★★★★★ お手軽度★★★★
あらすじ
パリで写真家をしているロマンは、がんで余命3ヶ月であることを言い渡され、「終活」するお話。同性の恋人のサシャには余命を隠して一方的に振り、限られた時間の中で祖母や、代理母を頼まれた女性の元などを訪れる。
映像や画面内のモノが可愛いし、オシャレです。それだけでも楽しめます。登場人物もオシャレで、主人公ロマンは顔も体も綺麗な美青年だし、恋人のサシャも乙女系の美青年です。美しいの渋滞です。ロマンが、病気による迷惑や心配をかけたくないために、きついことを言ってサシャを振るシーンが、何とも言えず切なくて素敵です。振ったくせにもう1回死ぬ前にセックスしたい!と懇願するところも、ラブが深くて良いと思います。そしてフランス映画らしく、ラブシーン多めです。夫婦と、代理出産のために3人でするシーンが割愛されなくてビックリしました。
以上で、紹介は終わりです。
また鑑賞作品がたまったら、補足として書こうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。