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「すべての人の食体験をさらに充実させるために」代表・肥田の想い

はじめまして!株式会社Mobile Order Lab編集部です。私たちは、飲食店向けのバーティカルSaaSを提供しています。創業6周年を迎えたことを機に、情報発信に取り組もうと思い、noteを開設いたしました。

このnoteでは、Mobile Order Labのミッション「フードビジネスに新たなスタンダードを創る」とはどんなものか。そして、その目標に向かって、どんなメンバーが、どんなことを考えながら、どんな風に仕事に取り組んでいるのかを発信していきます。

今回は情報発信の第一弾として、代表の肥田にインタビューを実施。肥田自身のこれまでのキャリアにはじまり、Mobile Order Labの創業から現在までを聞きました。


リクルートで学んだ「商い」と「資本主義」

――肥田さんは大学卒業後、リクルートに入社されていますよね。どんなお仕事をされていたんですか?

入社して最初に配属されたのは、ホットペッパーグルメの営業でした。当時は、全国に何百人といる社員の受注件数が毎日棒グラフで貼り出されるような環境だったんです。そのなかで「常に一位でいたい」との想いが強かった私は、時には土日にも仕事をすることがありました。とにかく仕事に励む毎日でしたね。そのかいもあって、表彰をされることも多かったですし、しっかり結果を出すことができました。

――そもそもなぜ、新卒でリクルートを選ばれたんでしょうか?

起業に繋がる経験ができそうな会社だと思ったのが大きいです。実は私の父は経営者として不動産領域の会社を営んでおり、家でも仕事について楽しそうに話す毎日でした。小学生の頃にバブルがはじけて父の会社の経営が危うくなったとき「一週間寝れてない」と父がこぼしていたのは印象的ですごく覚えています。そういった家庭の影響もあってか、小さい頃から自分も経営者になるのだと思っていました。

そんな想いを抱きながら成長し大学生になった頃、当時趣味のひとつだった旅行で海外に行くと、その土地土地に元リクルートの方が経営している会社があったり、ロサンゼルスで配布されているフリーペーパーを作っている方が実は元リクルートだったりすることがあったんです。それを見聞きするうちにリクルートに入るとよい経験ができそうだと感じるようになり、入社に至りました。

――実際に飲食店の運営もされていたそうですが、携わることになった経緯を教えてください。

入社から2年経ち、仕事にも慣れて余裕が出てきたころ、あるお客さんから「肥田くんもお店やってみない?」と言われたんです。「余っている土地を貸してあげるからやってみなよ」と。そう言われて、今は宣伝・広報サービスの営業として成績を残せてはいるけれど、自分はそれ以外はほとんど知らないことに気づきました。飲食店のみなさんは集客領域以外にもたくさんのことを考えているはずなので、仕入れや在庫管理、調理、接客、人事などあらゆることを知りたい気持ちが生まれました。

そのためには自分でやってみるのが一番早いと考えて、地元の名古屋から店長を任せられる友達を呼び寄せて吉祥寺で飲食店をスタートさせました。

――行動力がすごいです。実際に飲食店をやってみていかがでしたか?

昼はホットペッパーグルメの営業をして夜はお店で働くという生活で、ハードでした。でも飲食店のことはたくさん学べましたし、営業成績もさらに上がるようになりました。誰よりも飲食店のこと知ってるから当然と言えば当然ですが、当時は負け知らず状態でした。

――実際にやってみてわかったことを営業でも活かされていたんですね。

営業にはすごく役に立ちました。店舗自体も黒字でお店はうまく行っていました。一方で、多店舗展開は自分には難しそうだということもわかったんです。そこをもっと知りたいなと思い、大きい法人を担当させてもらえるように願い出て、そこからは法人のお客さんをメインで担当していました。

――法人担当になってからのお仕事はいかがでしたか?

とても刺激的でした。お客さんの海外出店に向けたプレゼンのために現地に同行することもありました。海外出張するホットペッパーグルメ営業は後にも先にも僕だけかもしれませんね。そんな時に、リクルートがindeedの買収成功などで海外投資に積極的だった背景もあり、海外M&Aの部署に移動する機会に恵まれました。ちょうどその頃自分としても、6年必死にやってきて営業はやり尽くしたなと感じていたところでした。そこで海外事業開発部門に飛び込むことを決めました。そこでは、美容・不動産・教育領域のM&Aに携わりました。

――M&Aですか。これまでとはまったく違う領域に飛び込まれたんですね。

そこで強烈な挫折を味わいました。取締役直下の部署だったのですが、配属されたばかりの頃は彼の話していることが3割くらいしか理解できませんでした。通用しないってこういうことかと痛感させられました。存在価値が出せない悔しさと忙しさで寝ることができず、顔が変わったほどでした。

――すごくハードな日々だったんですね。

そうですね。でもその分、学ぶことも多かったです。ホットペッパーグルメでは商いを学びましたが、海外事業開発の部署では資本主義について学ばせてもらったという感覚があります。より大きな枠組みのなかでどうやって会社が動いていて、どんな力学でお金が動いているのかを目の当たりにした2年間でした。

その大きな枠組みのなかで、自分はいち営業として活躍しているんだなと理解できたのが転換点でしたね。ミクロで活躍できる自分とマクロを俯瞰できる自分の両方がいるのが私の強みなのかなと考えています。

その取締役の方だったらどう考えるんだろうと今でもふと思うんですよ。彼は当時の時価総額で3兆円企業の経営層なので見えている世界が当然違います。そんな人と2年間同じ部署で仕事ができたのは、すごく大きな財産です。

海外の起業家の姿から学んだ起業に必要なもの

――リクルートでの8年間を終えたのち起業を選ばれましたが、このタイミングで起業しようと決めた理由を教えてください。

まずはもともと起業したいと思っていたことがひとつあります。ただ、スキルがまだ足りていない気がしてタイミングを掴めずにいました。そんな時に、とある海外の企業を買収してはどうかという話が出ました。その会社の社長との出会いがまさに起業するきっかけになったんです。

その方は、貧困層を含めたすべての子どもたちにハイレベルな教育を提供するというビジョンを掲げて会社を立ち上げて、その国のその領域でNo.1プレイヤーになった起業家でした。でも、彼は豊富なビジネスの経験を持っていたわけではなく、前職は高校教師だったんです。

私自身営業でよい成績を残して、ITや金融の知識も身に着け、どんどんスキルが高まってビジネスパーソンとしての市場価値が上がっているという実感がありました。そして、もっとスキルを高めていけるし、その先に起業の成功があると考えていました。だからこそ、十分なスキルがないからまだ起業できないと思っていたんです。でも彼に出会って、必要なのはスキルじゃないなと直感的にわかりました。それで帰国後すぐに起業に向かって動き出しました。

――起業するにあたり、飲食領域を選ばれたのはリクルートでの経験が大きかったんでしょうか?

ちょうど退職するころ、昔のお客さん何人かから「力を貸してください」とありがたい連絡をいただいていました。その連絡を受けながら「営業楽しかったな、どうして楽しかったんだろう」と考えていて、「飲食業界で働く人たちのために動けていたからだ」と気づきました。飲食業界の人って、すごく純粋で「目の前の人に喜んでもらったらうれしいのは当たり前ですよね」というスタンスのまっすぐな人がとても多いんです。彼らがもっと自分たちのやるべきことだけに集中して価値を最大化することに貢献できたら、やりがいを持って働けそうだと思ったのが理由です。

――そのなかで、社名にもなっているモバイルオーダーに目をつけられたのはなぜですか?

ECの世界では、たとえばAmazonが顧客と繋がることによってパーソナライズされていますよね。それが必ず飲食店などを含むローカルビジネスの世界にも広がっていくはずだという確信がまずありました。そのなかでも飲食は他の領域と比べても遅れていて、かつ巨大な産業です。飲食がその世界に追いつくためには、注文をデジタル化することで顧客情報と注文情報を紐づけていく必要があると考えたんです。

ローカルビジネスの中でもCRMができていない最後の巨大領域で、顧客との繋がりが十分でないばかりに顧客目線の意思決定が難しい状況を変革して、すべての人の食体験をもっとよくしたいとの想いを持ちました。結果的にモバイルオーダー事業自体はうまくいきませんでしたが、飲食経営の当たり前を変えたいという想いは今も変わっていません。

モバイルオーダーをやろうと決めていたので、社名もMobile Order Labなんです。創業した2017年はまだこの領域を誰もやっていない頃でした。

――どうしてモバイルオーダー事業がうまくいかなかったんだと考えていますか?

会社員としてVCのような仕事をしていましたが、当然ですが起業は一回目なので0→1のやり方を知らなかったことは大きいと思います。モバイルオーダーも今は当たり前になっていますが、そうなるのにも適したタイミングがありますよね。そのタイミングを考慮せず、「いずれ普及するのだからきっとうまくいくはず」と短絡的に進めてしまいました。でも実際の世の中はもっと進むのが遅かったですし、自分で市場の変化をコントロールすることは不可能なんです。タイミングを見誤ったことで、当時は飲食業界に受け入れられずに終わってしまったのかなと思っています。

お客さんに向き合う過程で生まれた2つのプロダクト

――その後、顧客の声を集めるための『HERO』が生まれますが、『HERO』が生まれるまでの経緯を教えてください。

モバイルオーダーの事業は1年やっても芽が出ず、半年ほど売上ゼロの状態が続いていました。イノベーションを起こすために起業したのでコンサルはやりたくないし、でも売上は上がらないしと葛藤する日々でした。ストレスが影響して突然謎の腹痛に襲われたこともあったんです。社会に価値発揮できていない自分に耐えられなかったんですよね。

それを見かねたのか、相談に乗ってもらっていた昔の上司のアドバイスで集客やマーケティング支援のコンサルの仕事もやるようになりました。すると、やっぱり営業や集客領域は得意だったので業績が上向き始めました。3期目は昔取った杵柄でほぼ僕一人で1.3億円の売上を立てたんです。会社もなんとか続けることができました。お客さんに求められたことをしっかりやることの大切さとやりがいを改めて感じられた時期でしたね。

こうして飲食店の課題を解決したりお客さんの求めるものと真摯に向き合ったりしながら得た経験をもとに作ったのが『HERO』です。飲食店と顧客との繋がりは、まず注文情報があって、そのお店の商品を食べたり飲んだりしたあと、レビューや口コミといった感想情報が生まれていきます。モバイルオーダーをやってみて注文に入っていく難しさは理解したので、まずは感想情報から着手していつか注文情報にも手を広げようと考え、顧客の声を拾うためのプロダクトである『HERO』を作りました。

コンサルですでに接点があったお客さんを中心に、徐々にプロダクトを広げていったのが4期目に差し掛かる頃でした。

――そんな折、コロナ禍に突入したわけですが、やはり大変だったのではないでしょうか。

大変でしたね。『HERO』が生まれてこれからという時に、コロナ禍で再度売上がゼロになりました。一方で経費は毎月500万円ほど出ていくので、経営は火の車で倒産も覚悟しました。
この一世一代のピンチに見舞われていたときに、最初に『HERO』を導入していただいた企業の社長から「モバイルオーダー今やればいいじゃん、やってよ」と言っていただいたんです。そこからはもう気持ちを切り替えて、新しいプロダクトづくりに全エネルギーをつぎ込みました。

――ここにきて、当初目指していた構想に時代が追いついてきたわけですね。

ただ、最終的にはモバイルオーダーには手を広げないことになりました。当初の計画では、注文一元管理とモバイルオーダーをどちらもカバーできるプロダクトを考えていましたが、検証するなかで、注文一元管理に振り切るべきだと判断しました。モバイルオーダーはすでに他社さんのサービスがいくつかありましたし、それならばどちらもできる中途半端なプロダクトではなくて、注文一元管理に特化した方がよいと思ったんです。こんな紆余曲折を経て2021年4月にリリースしたのが『Ordee』です。結果的にその判断が功を奏して、多くのお客さんに使ってもらえるプロダクトになりました。


――売上が伸びた要因は何だったと考えられていますか?

デリバリーメディアとの連携だけでなく、POSシステムとの連携にも力を入れたことです。POSシステムと連携することで、デリバリーオーダーだけでなくモバイルオーダーも含めたデジタルチャネルを一元管理したいという新たなニーズにも応えられ、ファーストフードやファミリーレストランなどの業態での導入に繋がりました。

もうひとつ売上に影響したのがニーズの変化ですね。コロナの規制が緩和されていくにつれ、デリバリーがほとんどだったコロナ禍当初よりもイートインやテイクアウトの需要が増加し、それとデリバリーとを両立する必要がでてきました。それにより煩雑化したオペレーション改善のため注文一元管理のニーズが増し、売上の拡大につながったと考えています。

主要取引先(一部抜粋)

――時流とマッチしたことと、これまで築き上げてきた大手との繋がりがポイントだったんですね。

大手チェーンに対して我々は圧倒的な強みを持っています。実績も豊富にありますし、安定的にシステムを提供できている安心感や安定性もあります。

大手企業が求めるPOSシステム連携にしても、連携に漕ぎつけるまでが非常に難しい側面があります。レガシーなシステムとモダンなシステムを繋ぎ合わせることが必要になるため、そのノウハウは一朝一夕で追随できるものではないと考えています。

業界を変えるために新しいプロダクトを作っていく

――ここまで紆余曲折を経ながらも、飲食業界の変革のために一貫してやってきたわけですが、今後はどんなことに取り組みたいですか?

一番大切にしているのは、創業時から変わらず顧客目線での飲食店経営ができる社会に変えていくことです。そのために今は労働生産性の向上という切り口から『Ordee』を広めているところです。

ここで得たデータをどう活用して、顧客満足度向上や業績UPに繋げていくのかがこれから重要になってきます。それは既存の『Ordee』や『HERO』だけでは成しえません。まずは、データの利活用に繋がる新しいプロダクトを作っていきたいですね。

一方で今すぐに顧客の領域を広げることは考えていないんです。現在の私たちがもっとも貢献できるのは大手飲食チェーンだと考えているので、個人店や小売りに手を広げるのは優先順位として高くありません。実は小売り大手からお声掛けいただいたこともあるのですが、それぞれの課題が異なるなかで両方の市場に100%の力で向き合うことは不可能ですし、今自分たちがシェアを取れている市場で圧倒的なプロダクトを作る方が、Mobile Order Labらしいと思っています。

――具体的に、どんな状態になればミッションを達成できたと実感できると考えられていますか?

顧客である大手飲食チェーンに当社のサービスはインフラだと認識してもらえる状態になった時でしょうか。インフラとして認識されるには、我々のプロダクトを使って顧客起点の経営に取り組むことによって彼らの生産性が向上することを、疑念を挟む余地すらないほどに証明する必要があります。それが実現できた時に、ミッションを達成したと思える気がしています。たとえば、Mobile Order Labのプロダクトを使ったことで新しい指標が生まれて、それによって経営効率が変わって、そして最終的には株価が変わるようなインパクトを残したいですね。

Mobile Order Labによってフードビジネスの経営そのものが新しくなったと思われる世界を目指して、これからもやっていきます。

――最後に、これからMobile Order Labの一員になる人に求めることを聞かせてください。

バリューに則した行動を自然とできる人です。飲食業への興味や想いはあるに越したことはないですが、それよりもバリューを重視したいと考えています。

現在掲げているのは「Make a Change」「Think Hard」「Team Driven」の3つです。「Make a Change」はその言葉の通りで、自らを変化させることはもちろん、周囲や仕組み、業界までも変化させようと考えられる人のことを指しています。一歩を踏み出す勇気のある人ですね。これから変革を起こそうとするフェーズなので、もっとも重要な要素だと考えています。

とは言っても、やみくもに変化すればよいだけではありません。独りよがりや目的意識のない変化は避ける必要があります。ここで重要になるのが、「Think Hard」や「Team Driven」の要素です。ただこのふたつは補助要素なので、変化を起こせる人であることがなによりも大切ですね。変化を起こすとは矢面に立つことでもあるので、勇気がいります。批判されることもあるかもしれませんが、それを恐れずに矢面に立ち続けられる人を今一番求めています。

これからマルチプロダクトになって、組織もどんどん変化していきます。その変化を一緒に作ってくれたり楽しんだりしてくれる人に、ぜひMobile Order Labの一員になってもらえるとうれしいです。

最後に

Mobile Order Labでは現在、急成長・急拡大に伴い、新メンバーを絶賛募集中です!
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