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【体験記】青梅MaaS

先日の青梅MaaS日帰り旅の振り返り。
旅行当日のツイッター実況はこちら

京王電鉄がTAMa-GO青梅で提供するデジタルチケットとオンデマンドバスを利用。東京観光財団が公募した西多摩地域観光型MaaS実証実験の枠組みで実施されたもの。

旅程

新宿発8:20のホリデー快速おくたま号で御嶽駅へ。
JRが御嶽駅で、バス停が御岳駅で、ケーブルカーの駅が御岳山駅で検索のとき、ちょっと面倒だと思った。
紅葉のピークはやや過ぎていたが、車内は座れない程度には混んでいた。

今回はTAMa-GOでデジタルチケット購入。ちなみに、TAMa-GO青梅というアプリを経由しても、デジタルチケット自体はウェブブラウザへ遷移して、購入・利用するタイプ。

午前:御岳山ハイキング

バスでケーブルカーの御岳山駅へ向かうところからMaaS旅スタート。
臨時便に運良く乗れたけど、かなりの混み具合。

デジタルチケット画面(右はケーブルカー往路利用後)

バスチケットは一日有効なタイプでスライドして利用開始。上部のアニメーションが動き出した。これを降車時に見せる形。運転手さんも慣れた感じで確認してくれて、オペレーションに問題はなさそう。

ケーブルカーチケットは往路と復路に分かれてて、それぞれを係員の前でスライドして有効化するタイプ(一回使い切り)
慣れてない人は並んでるときにスライドさせちゃいそう。「ご利用時に~」ではなくて、「係員の前で~」の方が利用案内としては適切な気がする。

今回長男と一緒に出掛けたけど、子供が一緒の場合は親のスマホで子供の分も管理できると便利だと思った。

ケーブルカー下車後は、御嶽神社へ。
紅葉もところどころ残っていたり、天気が良くてスカイツリーが見えたり。
坂と階段はちょっときつめ。武蔵御嶽神社が大口真神を祀っていることもあり、犬連れの登山者がちらほら。

少し足を延ばすともっとハイキングを楽しめるのだが、午後は青梅市内観光の予定だったので、御嶽神社で折り返し。
下りのケーブルカーもデジタルチケットで問題なく乗降。下車後、バスで御嶽駅まで戻った。

移動:御嶽駅→青梅駅

御嶽駅からバスならデジタルチケットが使えるみたいだが、時間が合わず、JRを使って青梅駅へ。複数のバス会社をエリア内フリーで乗れるのは便利だけど、今回のMaaS対応エリアを結ぶJR青梅線(せめて青梅駅⇔御嶽駅間だけでも)も含んでくれると移動の幅と立ち寄り先が拡がりそう。

青梅駅で昼食を取ろうと駅前を探索したものの、長男の希望で結局モスバーガーでランチ。

午後:青梅市内観光

青梅駅からはデマンド交通「わくわくタマ号」を活用してみた。オンデマンドのシステムはアイシン精機の「チョイソコ」。
予約画面は乗降場所を指定して、5分刻みで乗車希望時間を指定する形。

デマンド予約画面

20分前までの予約を受け付けてるが、13:50頃にできた最速の予約は14:25だった。 予約できないと上記画面のようになるのだが、できない情報だけでなく、いつなら予約できるのか表示してほしいと思った。
その後の移動について、予定も考慮し、このタイミングでまとめて予約。

路線の所に、【前期】【後期】と記載されていて、何のことかわからなかった。あとから調べたら、期間によってエリアが違ってたみたい。一乗客としての感想は、ユーザーが引っかかる表現はなるべくないほうが望ましい。

今回はバス一日乗車券もついていて、デマンドの予約が取れなくてもバス移動を選択肢にできるのはMaaSっぽいなと感じた。一方で今回はデマンドの予約がすんなり取れたが、利用者が増えて予約がとりにくくなった時に、料金にどう組み込まれているかでUXを損なうリスクもありそう

デマンドを使って、①青梅駅→青梅鉄道公園、②青梅鉄道公園→岩蔵温泉、③岩蔵温泉→塩船観音の3回移動。今回はエリアを2台の車両でカバー。
車両は普段タクシー車両と走っているものを使っているため、無料だが緑ナンバーだった。
1つはジャパンタクシー、もう1つはエスクワイア(めっちゃ乗り心地良かった!!)。

デマンドは、11月の土日祝日のみ、10時~16時の運行。塩船観音を出るときにはすでに運行時間を過ぎてたため、17時か18時くらいまでは走ってるといいなと思った。

岩蔵温泉のcafe YUBAがグルメチケット対象店舗だったので、立ち寄って使ってみる。あまり使われてないらしく、何のチケットだっけという反応だった。短期の実証実験の辛いところ。

グルメチケット


メニューは店舗ごとに決まってるみたいで、会計時にレジで固定QRを読むと一定時間有効化されるタイプ。 5分のカウントダウンの画面を店員に見せて認証完了。
長男がチケット対象外のメニューを頼んだため、その分の会計は別で実施。

まとめ

約1か月限定の観光MaaS実証。自分たちが関わってきた実証でも同様の感想も持っているが、期間限定の実証で一番厳しいなと思うのは周知面
知られないと使われない、でもプロモーションのコストも手間もかけにくい、というジレンマ。現場のオペレーションの課題の洗い出しを狙いとしていればそれは達成できそうだが、観光客の移動のあり方に影響を与えようとするとある程度長い時間をかけた実証を行う(できれば持続的に続ける前提で行う)ことが望ましい。

《周遊チケット》
各地で行われているものと同じような使い方のため、特に戸惑うことはなかった。駅のように自動改札が使える所だと利便性が劣るが、通常のゲート通過が紙券で運用されているところや、バスだと特にICや磁気券に比べた不便を感じることもないと思う(むしろ事前に決済できてたり、小銭を探さなくていいというメリットもある)。

《オンデマンド交通》
今回はバス路線が走ってないところにもオンデマンドの乗降場所が設置されていたため、そういうところが多い観光地だと相性がよさそう。ただ、オンデマンド交通は需要過多になるとUXが一気に悪化するので、既存交通で補完しにくいエリアだと諸刃の剣となる可能性もある。
今回はバスでの移動も可能な区間が多かったため、うまく使い分けが進めばはまりそうなエリアだなと思った(ユーザー側のリテラシー向上が必要そうだけど)。

《グルメチケット》
使い方は特段問題なし。今回、長男が別のものを頼んだため、会計を別に実施。少なくとも同行者の分もチケットで精算できるようにしないと客も店も手間だけ増える。メニューの選択肢を増やすとか、金額単位で使えるとか工夫が必要。かなりのお得感がないとグルメチケットを選択するメリットがないなと思った。

《施設チケット》
今回使わなかったけど、観光施設入り放題チケットはお得だなと思った。スタンプラリーの対象にもなっていたので、うまく訴求すれば+αの観光を促せそうだなと思った。

青梅周遊パスプラス:2,500円
《お得感まとめ》
御岳駅→ケーブル下(往復):568円
御岳ケーブルカー(往復):1,130円
デマンド交通×3:約1,000円×3
計 約4,700円相当

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