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M1輪講 第9回 遷移状態理論(続き)・分子間緩和過程

こんにちは!M1 平田です。第9回のM1輪講についてご報告します!

今回の報告なのですが、更新が遅くなり、申し訳ありませんでしたm(_ _)m就職活動などで忙しく、研究室のタスクが溜まってしまいました…

また、M1輪講のNoteにいくつかコメントをいただき、大変感謝しております。皆さんのコメントは、理解を深める大きな助けとなっています。いただいたコメントに関しては9月末をめどに、記事としてしっかりと返信したいと考えております!


2024/07/17

今回の輪講では、遷移状態理論のさらなる発展的な内容を学びました。また、分子間緩和過程の理解につながる概念として、分子内エネルギー再分配(IVR)や「明状態」「暗状態」についても触れました。
今回扱った範囲は、教科書の4.3節後半から5.1.2節(p113〜135)です。より詳しく学びたい方は、ぜひ教科書を参照してみてください!

今学期の勉強会はすでに終了しましたが、今後も研究室主導で勉強会を開催していく予定です。内部・外部問わず、参加希望の方はぜひ馬場先生までご連絡ください!


今回の勉強会では、遷移状態理論の具体例を通じてその適用方法を学びました。
まず復習ですが、遷移状態理論は反応の始状態と遷移状態での分配関数がわかれば、反応速度定数$${k_\mathrm{TST}}$$を計算できる理論です。以下の式で表されます。

$$
k_\mathrm{TST}=\frac{k_\mathrm{B}T}{h} \frac{Q^\ddag(T)}{Q(T)}\mathrm{e}^{-E_0/k_\mathrm{B}T}
$$

ここで、$${Q(T)}$$は始状態の分配関数、$${Q^\ddag(T)}$$は遷移状態の分配関数を表しています。
具体的には、次の化学反応を例に学習しました(例題4.1)。

$$
\mathrm{H} + \mathrm{H}_2 \rightarrow \mathrm{H}_2 + \mathrm{H}
$$

始状態$${Q(T)}$$では、分子の並進運動、振動、回転を考慮しました。一方、遷移状態$${\mathrm{HHH^\ddag}}$$の分配関数$${Q^\ddag(T)}$$では、回転運動や振動運動(対称伸縮・変角モード)など含まれます。

具体例(例題4.1)の計算

具体例のおかげで、遷移状態理論がどんなものなのか、よく理解することができました!

今回の勉強会では他にも、遷移状態理論の検証や改良(第4章の終盤)や、分子内緩和過程に関する新たな概念として「明状態」や「暗状態」など(第5章の序盤)といったものを学習しました。


感想

去年の卒業研究発表で、分配関数が反応速度に関係していることを知ったのですが、具体的な内容については全く知りませんでした。
今回の勉強会でやっとこの関係性を理解しました!自分も共振器内の化学反応に興味があるので、自分なりにもうすこし学習し、まとめてみたいなと感じました!

ご覧いただきありがとうございました!


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