櫻子さんの足下には死体が埋まっている_キムンカムイの花嫁

櫻子さんの足下には死体が埋まっている キムンカムイの花嫁

およそ1年ぶりに櫻子さんの新刊が出たので、読んでみた。
徐々に終わりに近づいているのがわかり、安心しながらも、残念な気持ちになる。
無駄に引っ張るより、もう少し読みたいのに〜! ぐらいのところで終わ流のがちょうど良いと思うのだが、様々な事情で、そうも上手くはいかないのだろう。

ネタバレにならないように書くつもりだが、指が滑ったり、滲ませちゃったりした場合はごめんなさい。
ネタバレ絶対いや! って方は、読んじゃってから、この記事にきていただけると、嬉しい。

主人公の、櫻子さんに対する愛情が痛い。
主人公は高校2年生で、櫻子さんは20代半ば。
主人公からみたら、完全にストライクゾーンだろう。
最初は憧れのお姉さんだったのかもしれないが、この巻では明らかに恋愛対象として見ているとわかる部分が多々ある。
なぜわかるのか?
私も高校2年生のあたりには、10歳ほど年上の女性に憧れ、心を焦がした経験があるからだ。

そんな櫻子さんと、しょっちゅう行動を共にし、二人きりではないにしろ泊りがけの旅行に行っている。
妄想しない男子がいたら、お目にかかりたいものである。

その主人公の少年、かなり心が病んでいるのではないだろうか。
前々巻でひどい目に遭わされた同級生の女子と、何もなかったように接している描写に、違和感しか感じない。
普通だったら、あれで関係は終わりだろう。

主人公が見つけた人骨に対して、専門家のように分析して語るシーンがある。それを櫻子さんと法医学者が、頼もしそうに見守っているのだが、想像したら寒気がした。
素直に読んだら、法医学を志す少年の成長を喜びながらも寂しさを感じている描写なのだろうが、なんとなくダークサイドに落ちたパダワンを見つめるシス卿のシーンに見えたのだ。
たぶん、考えすぎだけどね。

ラストでは、なんか、急展開すぎて、
おい!ここで終わるんじゃねえ!
とツッコンでしまった。

今回、心に響いた一節

遺族は一生遺族だ

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