【プロに発注しない】動画制作入門 vol.1~撮影準備編①~
そろそろマーケティングや採用、人材育成のツールとして映像を活用しようかなあ。
制作会社に丸々頼む予算はないし、かと言って素人っぽい映像もカッコ悪い…。
そんな風にぼんやり思っている皆さんに、今回はこんなお話をさせてください。
題して、プロに発注しない 動画制作入門。
僕が務めるMOTIONは映像制作会社なのですが、業務のなかで教わった動画作りのコツを数回にわたって紹介していきます。
1 映像の特技を知ろう
初回は先輩方から教わった、実際に動画制作に入る前に知っておくと役に立つことをお伝えしたいと思います。
ここでは具体例として、ドーナツ屋さんのある店舗がアルバイトを募集するためにHPに掲載する動画を作るとしたら…というような想定しつつ話を進めます。
ではまず、映像というものがどのような特性をもっているのか一緒におさらいしていきましょう。
映像はメインの動画以外にも字幕や音楽、ナレーションなどを編集で載せることができ、一気に多くの情報を発信できるという特徴があります。
特技は感情や感覚に訴えかけることで、映像を使えば今風にいうと心を揺さぶる「エモい」コミュニケーションが可能です。
例えばドーナツ屋さんのアルバイト募集をする際に映像を使用すると、他のアルバイトたちがどのような表情をしているか、店内の様子などから、同僚同士の関係や仕事のやりがい、店舗の雰囲気などが自然に視聴者へと伝わります。
言葉だけでは伝わりきらない部分を発信する際にぴったりですね。
逆に応募条件や雇用形態など詳細で確かな情報を伝えたい場合は、活字で表記する方が効果的かもしれません。
2 作る動画が垢抜ける! 「まず始めるべき」3つのポイント
映像の特性を簡単におさらいしてきました。
さていよいよ動画作り実践へ!と、はやる気持ちを一旦抑えて…
プロも気をつけている、映像制作のコツをご紹介します。
映像制作歴30年のベテラン社員に聞き込み、以下の3つのポイントに整理しました。
これらは頭に置いておくと、映像がより効果的かつ格好よく仕上がる大事なコツだそうです。
① じっくり「Why(目的)、Who(誰に向けて)、 What(何を、どんな価値を)」を固める
映像を自分で作る際には、この映像は「何のために誰に向けて何を伝えるものなのか」ということを、丁寧に固めましょう。
「よし、動画を作るぞ!」と勇んで始めると、How(どんな表現で)から着手しがちなんだとか。
確かに僕も企画書を作成する練習をしていた時、演出ばかりに目がいってしまっていました。
わかりやすくドーナツ屋さんのアルバイト募集の例で言えば「アルバイト店員たちに踊ってもらって面白PV風にしよう!」と言ったところでしょうか。
しかし前提としてあるはずの「この映像はなんのために作るのか」が不明確だと、結局ぼんやりと何も伝わらないものが出来上がってしまいます。
アルバイト募集と一言で言っても、「とにかく大量採用したい」のか「やる気のある人材だけ集めたい」のかによっても目的が全く違いますよね。
他にも届けたい相手は「暇をしている学生」なのか「正社員候補の人材」なのか、伝えたいのは「アットホームな職場の雰囲気」なのか「忙しいけどやりがいの詰まった仕事内容」なのかと、思っている以上に細かく設定できるはず。
映像はテクニックや表現方法などのパッケージが目立つ部分ではありますが、まずはメッセージの土台である内容を作り込みましょう。
② 演出はお手本から学べ
なんのための動画なのかをしっかり考えたら、次は具体的なシナリオを構成していきますが、その時は是非自分がいいなと思ったプロの映像を手本としましょう。
実際にプロも先人たちの表現を参考にしながらスキルアップをしていました。
僕も編集などの練習時に手本を真似ることがあるのですが、この方法は無駄を省きつつクオリティを上げてくれるため、非常にコスパがいいなと思います。
さらに初心者では思いつかないアイディアを与えてくれることがあります。
例のドーナツ屋さんの動画だったら、自分だけのアイディアだと「アルバイト募集の動画だし店内での業務風景を中心にしたシナリオ」に設定するかもしれません。
しかし他のプロの映像を見ると、あえて店の外に出て外観を写したシーンが登場したりします。
それを真似れば、例えばテイクアウトをした設定で商品を公園で広げてみる、といった変化を与えるようなちょっとした一工夫の着想を得られるかもしれません。
③ 構成や動きはシンプルに
複雑な設定や出演キャストの動きとカメラワークの同時進行など、入り組んだ構成や動きはプロにとっても難しいもの。
単純に一度にやらなくてはいけないことが増えてしまうので、あまり初心者向きではありません。
だからプロも一度に詰め込まずカットを分けて撮影し、つなげて1本の流れにしています。
特殊なギミックや難しいことを追求しすぎず、シンプルなシナリオや撮影プランで構成してみましょう。
この3つはあくまでたくさんあるポイントのうちの一つですが、大事なのは動画本来の目的を見失わないことだそうです。
ここまでの動画作りへの意識を心得た後は、具体的な動画作りへ入っていきます。
次回は映像制作の準備についてお話していきます。
(記事:D見習いクン)
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