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中学生が40日間でベンチャー企業のCFOを目指す 13日目「取締役会と株主総会と監査役会と社外監査役って誰が1番偉いの?」

こんにちは、もひもひです。
会社で1番偉い人って、誰なんでしょう。社長? 会長? 代表取締役? 監査役? 勤務先でも、社内連絡で「取締役会でこれが決まりました」とか「社外監査役に〇〇さんが就任しました」とか聞いても、「偉い人」ということしかよく分からない。というか実は私自身もとある合同会社の「業務執行役員」を務めているんですが、そのオフィシャルな役職が何を指すのかは、恥ずかしながらよく分かってませんでした。ということで、今日はそのへんの「偉い人たち」のことを紐解きます。

主な参考箇所は、下記の本の第9章。

■読んで知ったこと
・株式会社は「所有と経営が分離」されている以上、株主と経営者の利害は食い違うもの。
 具体的には、株主は「企業価値の向上」=「会社が生み出す将来のキャッシュフローの現在価値の最大化」を求める。一方、経営者は「楽しい事業」「従業員や取引先に喜ばれたい」など目線がズレることもある。その両者が近づけるように持っていくための、会社をコントロールする仕組みを「コーポレートガバナンス」と呼ぶ。(コーポレートガバナンスと言うと、「従業員の不正を防ぐ」などを想起する人も多かろうが、それは「企業価値を下げない」ための1要素にすぎない。)
 →そこで、経営陣と投資家の利害を一致させ、株主の目的(企業価値の向上)を実現するのが、社外取締役の役目。
・米国ベンチャーのガバナンスは、「取締役会のみ」が多い。例えば取締役は3名で、1名は普通株主(経営陣)から誰か(大抵はCEO)、1名は優先株主(投資家)から誰か、1名は普通株主と優先株主の合意で誰か。の構成。日本だと取締役は「長年勤めた人のご褒美役職」っぽいが、米国だと取締役(director)は経営者というより、創業者・投資家を含む「株主の代表」。で、業務を執行するのは執行役員(officer、日本語訳だと役員という文字が入るが米国ではemployeeの1役職)。なので米国の取締役会は、日本だと株主総会で決めるようなことも権限委譲し、「ミニ株主総会」として取締役会の場で機密情報を開示しながらスピーディーに意思決定できるようにしてる。
・日本では、取締役の構成は「代表取締役社長、取締役副社長、取締役CTO、社外取締役 各1名の計4名」などが多い。こうなると投資家と経営陣の利益が相反したとき、取締役会で決議すると経営陣の主張しか通らなくなってしまうわけで、取締役会は投資家/創業者の利害をフェアに判断する場たり得ない。
 →なので、利益相反しかねない点は投資契約などで定めなければならない。また何かと株主総会で決めなければならない。特に株主総会でも、合併などは「特別決議」として出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要(米国は過半数で良い)など日本のが少数株主の権利が強い。

以下、よくある日本ベンチャーのコーポレートガバナンス。
1.取締役単独(取締役会非設置)…社長だけ、もしくは2〜3名の取締役を置くが取締役会は設けない。スピーディーな創業期。ただ、ガバナンスの仕組みがない分、株主の監督権限は強くなる(ある意味、投資契約や優先株式の内容がコーポレートガバナンスの一部を担っている。ちなみに株主の監督権限が強くなるというのは例えば、何か重要な契約ひとつ結ぶのも株主総会で決めるので、内容が全株主に筒抜けになってしまう。株主に銀行や取引先が加わってくると危険になるので、2の取締役会で意思決定できるのが良くなる)。
2.取締役会+監査役…監査役は必ず取締役会に出席しなければならないが、議決権はない。ただ、取締役の行為の差し止め請求権など、滅多に使えないリーサルウェポンを持つ。
3.取締役会+監査役会…上場するまでには多くのベンチャーがこの形態になる。監査役会は1名以上の常勤監査役を置かねばならない。また、監査役会の半数以上は社外監査役でなければならない。
4.取締役会+3委員会(指名委員会等設置会社)…2003年から導入。監査役や監査役会を置かない代わりに、指名委員会・報酬委員会・監査委員会を置く。各委員会のメンバーの過半数は社外取締役でなければならないが、全員が取締役で全ての組織を運営できる(前述の米国ベンチャーに近い形)。
5.取締役会+監査等委員会(監査等委員会設置会社)…2014年から登場。4の委員会3つが減った版。
これまでは上記の1→2→3が多かったが、今後は社外取締役を活用し、1→5、1→5→4などが増えるかも。

ということで、これにて『起業のファイナンス』は読了です。私のnote記事はサマリー中のサマリーなので、皆さんもぜひ本を買って読んで貰えると分かりやすいです。

さて、明日からはこの本を読みます。

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