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詩と詩と思しきものの観察及び観測

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詩と詩と思しきものを観察または観測したものです。
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2024年1月の記事一覧

雪像[詩]

雪像[詩]

 ものをつくると壊せなくなってしまうことがある。わたしたちはそれを繰り返して川のそばに街をつくった。だから街はそのうちに故人への灰色の感情で溢れかえってしまう。住人たちは漠然とそのことを知っていて、いつか来るその静かな時代を恐れている。やがて春がその巨大な足で崩しに来てくれるだろうから、雪像をつくることにした。神さまがどういうつもりなのかは知らない。つくることは祈りの双胎だったらしい。わたしたちは

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ざわめき[詩]

ざわめき[詩]

 朝
 すこし頭痛がして
 昨日のうち明け話を後悔した

 中庭は
 色彩が
 揺れて

 わたしは
 傘をしまうために外へ出た

 立て掛けておいた傘がなくなって
 水溜りだけ残っていた
 春はありふれた悲しみに酷似している

 傘泥棒のための
 軽やかな呪文

 部屋の
 片隅は
 ひかり

 窓辺は

 人の庭で
 色彩が揺れる