芽生えては消える
恋した思い出ってどんなだろう。誰かを大好きだった時の思い出ってどんだろう。
感情って簡単に変わってしまう。小さな出来事がきっかけで、好きという感情が一瞬に覚めてしまう。そして、軽蔑や嫌悪感が生まれる。大好きだったあの人の喪失感はぬぐえないかもしれないが、もうそんな人はいないのだから、あきらめがつく気がする。
そうだったならどんなにいいか。だけど、大好きなまま、誰かと別れるってどんなにつらいか、私には計り知れない。日常の中で、あの人今頃なにをしているのだろうと思いを馳せながらも、それを胸にしまっておかなければならない。両想いならなおさらにつらいだろうな。
それでもそれを小さな思い出として、生きていくしかないのだと思う。それが今回の物語であったと思う。
大好きな相手でも、価値観の相違から関係にほころびが生じることってどうしてもあると思う。価値観が合うことって間違いなく大事だけど、それでも何をとるかって本人次第だよね。ただそう考えると、好きって感情は何なんだろう。感情って根拠のないものだから、やっぱり気持ちだけを信じるわけにはいかない。好きだよって言われたらうれしいに違いないけど、それが一緒にいる根拠にするのはお互いのためによくない気がする。
好きってその人を好きっていうのももちろんあるけれど、その好きは「この人のこういうところ好きだな」っていう数々の発見から積もってできたもので、つまり一緒にいるうちに好きになるもので、最初から好意的なのってやはりどうなのかなって。映画とは関係ない話だけど。
それにしても友達としての好きと恋愛対象としての好きってどう違うのか私にはまだわからない。異性に友情は成り立たないという考え方をとれば、異性への行為はすべて恋愛感情だといえるけど、じゃあ同性が好きだとしてどうやって友達としての好きか恋愛対象なのかわかるんだろう。不思議だなぁ。(無神経な発言だったらごめんなさい)
話しが脱線しすぎなので、戻すとすごく素敵な映画でした。少しだけ話の構成とかストーリーが『花束みたいな恋をした』を連想させた。正直結末にはびっくりしてしまった。恋は簡単ではないのだと、思い知らされた。でも、ガチ恋している相手と結ばれることが自分の幸せにつながるとは限らないよね。
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