渡した後のこと。ミドルシニアのキャリア。
ある一定の年齢で、役職から降りる仕組みをポストオフと言いますが、大手企業では多くが55歳前後に設定されています。そのため、40代後半以降の方のご相談は、“セカンドキャリア”がテーマであることが多いのです。
ポストオフ経験者向けの調査では、やっておけばよかったこととして、社内の人脈形成や、新たな専門性をつけておくこと、プレーヤー業務を手放さないことなどが、挙げられています。
参考:リクルートマネジメントソリューションズ「ポストオフ・トランジションの促進要因」
それまでは、管理職や役員として次の世代へ仕事を渡していた状況けれども、自分の立場が変わった時には、マネジメントや移管することではない、他のことが活かせる材料になるんですね。つまり、仕事を渡した後に“自分がやることを創りださなくてはならない”ということです。
もちろん、ポジションには就いていないけれど、長年経験を積んでいる方もいらっしゃいます。定年延長が現実的な現代においては、過去にどのようなポジションだったかどうかではなく、誰にとっても、“どのようにして自分がやることを創り出していくか、どのようにして働き続けていくのか”が永遠のテーマになりますね。
ゼロの状況から、次に自分がやることを創り出すのは、意外と難しいかもしれません。そのような状況に、慣れていないからです。
フリーランス転向や起業をした方からよく聞くのは「欲しいのは的確な指摘をしてくれる上司」という言葉です。上司や人事担当者のように、経験スキルを見て次の提案をしてくれる存在は、実は貴重な存在でもあったのですね。
きっかけをつかむために、自分のやりたいこと、強みが何かを整理しておいたり、関心がある領域の学び直しを始める方も増えています。また、無形資産と言われる人脈を見直してみるのもいいのではないでしょうか。意外な方がメンター役、上司役として情報やアドバイスをくれることがあります。
そして、20年以上人材業界に関わる中で、ミドルシニアの方からよくお聞きするのは、次のステージに進むときの一番の壁は、「立場や、ポジションへのこだわり」です。壁を突破するために、今から、多様な世代やバックグランドを持つの方々との関りを始めて、慣れておくとよいですね。
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組織開発には、チームで取り組んでいます。参考:プロティアン・キャリア協会の組織開発