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健康経営と、女性管理職辞退の関係

フェムテックという言葉も広がり、女性の健康状態が、企業にとっても重要であることは最近話題となっています。数年前からは、婦人科疾患やPMS(月経前症候群)、不妊治療と並んで更年期症状にも注目されるようになってきました。

更年期症状とは、40代から50代にかけて、閉経に伴う体調の大きな変化のことを指します。働く女性においては、管理職を打診される時期と重なる場合もあり、急激な体調の変化は、新しい仕事への挑戦を躊躇する要因の一つになっているのです。

PMS(月経前症候群)の症状が重いと、更年期の症状も重くなる

以前セミナーで聞いたお話では、PMSの症状が重い場合は、更年期の症状も重くなる傾向にあるとのこと。
日本では「我慢するべき」と言う風潮もあるPMS。それが更年期になってさらにひどくなるとしたら、我慢ではなく解決策を考えたほうがよいですね。

そして、実際に、PMSや更年期症状の重さから女性が昇進を断るケースもあると言われていますが、個人の方のキャリア相談や企業内のキャリアコンサルティングの場でも、健康と仕事の両立の相談は少なくありません。

けれども、上司に健康状態までは相談しにくいという声もあります。そうして、昇進辞退の理由を明確に伝えられなかった場合は、「女性はやる気がない」と誤解される可能性もあるのではないでしょうか。

更年期の症状については、著名人が声を上げることでひろまりつつあります。

ヨミドクターより 南野陽子さん「頭痛にめまい、変な汗

         森尾由美さん「メンタルにきた更年期

インポスター症候群との関係

無意識のバイアスとして、自分の実績を「周りのおかげであり、自分の実力ではない」と捉えてしまうことをインポスター症候群と呼びます。女性に多く見られる事象で、育ってきた環境の中で、「女性は控えめに」「女性は男性のサポート役に」等と言われてきたり、実績を出した際に攻撃された経験があると、無意識に植え付けられているかもしれないと言われています。

私自身も、ある組織でリーダーに抜擢されたときに、周囲から急にきつく当たられて戸惑ったことがありますが、男性リーダーではなく女性リーダーの場合に、よく見られるのだそうです。

その時に、やっぱり自信がないと辞退してしまうと、「女性は機会を与えてもすぐに辞めてしまう」と捉えられてしまうでしょう。

こちらのメディアでも、女性従業員の自信のなさをなげく経営者のコメントが紹介されていました。

東洋経済:会社とジェンダー

これからの健康経営

女性ならではの体調管理と、責任があるポジションに就くときに受ける周囲からの影響を、環境を整えていくことは企業の経営戦略にも重要な項目となるでしょう。女性リーダーを増やすだけでなく、個別の事情に対応していくことによって性別や年齢問わず、誰もが働きやすい環境がある企業だと周囲からの信頼を高めることになるからです。

年齢を重ねて働き続けられる環境のため、組織と個人の両面から、支援をしています。