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やさしいあの子にも教えたい

今回からは、チャリティーコンサート「いのちへ ラブレター」で披露された詩や歌の歌詞を一編ずつご紹介していきます。
コンサートの概要はコチラ(前回の記事を読む。

早速まいります。

ラブレター

半径1mの円があれば
人は座り 祈り 歌うよ

半径10mの小屋があれば
雨のどか 夢まどか

半径100mの平地があれば
人は稲を植え 山羊を飼うよ

半径1kmの谷があれば
薪と 水と 山菜と 紅天狗茸

半径10kmの森があれば
狸 鷹 蝮 ルリタテハが来て遊ぶ

半径100km
みすず刈る 信濃の国に 人住むとかや

半径1000km
夏には歩く サンゴの海
冬は 流氷のオホーツク

半径1万km
地球のどこかを 歩いているよ

半径10万km
流星の海を 歩いているよ

半径100万km
菜の花や 月は東に 日は西に

半径100億km
太陽系マンダラを 昨日のように 通り抜け

半径1万光年
銀河系宇宙は 春の花 いまさかりなり

半径100万光年
アンドロメダ星雲は 桜吹雪に 溶けてゆく

半径100億光年
時間と 空間と すべての思い 燃え尽きるところ

そこで また

人は 座り 祈り 歌うよ
人は 座り 祈り 歌うよ

 —――1976年 春 ナナオ サカキ 詩集「犬も歩けば」野草社 刊        
・・・・参考までに・・・・
日本列島の南北の距離は約3000km
地球1周は約4万km
地球と月の距離は約38万km
地球と太陽の距離は約1億5000万km
地球から冥王星までの距離は約48億km
アンドロメダ銀河のサイズは22万光年
宇宙は約138億年前に誕生したといわれています。


果てしない時間と空間の旅に誘われ
そうして魂となって還りつき
自分の体に戻っていくような感覚になる

そんな壮大な詩です

この永遠ともいえる時の流れのなかに
特異点のように誕生した地球で
奇跡のように命がうまれ
絶えてつながり続けて
10代前までさかのぼるとご先祖様は1024人
一人に100人の知り合いがいると仮定すると
知り合いの知り合いの知り合いは100万人

今のところ、人間の身体はどうしたって宇宙の果てにたどり着くことはできないけれど
心は一瞬で宇宙の果てにだって行くことができる
戦禍で故郷や家族や友人を亡くした人の心のもとにだって
行くことができる

一日も早く平和な日々が訪れますように
支援金が、一人でも多くの非戦闘員の生きる糧となることを
世界の端の半径1mの円の中で、祈っています。

優しい気持ちをもつことをあきらめないで
冷静に情報を受け止めて(私もまだまだできてないと思うけど)
目をそらさないでいたい。
同じように痛みを感じて苦しんでいる人に、
この詩が届くといいなと思いました。

タイトルの「やさしいあの子にも教えたい」は、
そういったところからつけました。

スピッツの曲「優しいあの子」から引用しました。

優しいあの子
スピッツ
2019年の連続テレビ小説「なつぞら」の主題歌
歌詞はコチラ


いのちへ ラブレター編
まだ続きます。

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