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僕たちは“儲かりまっせ”だけじゃない

MNHの小澤です。

こうして中谷製菓にかりんとうのOEM生産の話をもちかけるも、あっさり断られた。
しかし、ぼくらは食い下がらなかった。
かりんとうメーカーはそもそも数が少ない。地域でのものづくりを目指すぼくらにとって、多摩地区でのアタック先は中谷製菓しかなかったのだ。
NOと言われて半月もしないうちに、ぼくらは下心まるみえだが、中谷社長らとの飲み会をセッティングした。そこでまた懇願したのだが、先方は「難しいなぁ」と相変わらずの反応だ。


そして2011年。
年が明けると同時に「MNHのオフィスにお邪魔していいですか?」という中谷社長からの電話があった。ぼくは会長に「今度こそ正式に断りに来るんじゃないですかねぇ」と苦笑いしながら言った。
しかしふたを開けてみると、「先日の話をやらせていただこうと思います」という思いもよらない返事だった。しかも、地域のなかで作って地域のなかで売るということに共感した、と言うのだ。


思いかえせば、先日の商談でぼくは、ぼくなりのロジックでこの商品企画を提案していた。
ぼくらは、つまるところ、「“儲かりまっせ”だけじゃなく、地域に恩返しをしたい」。
NPO的な文脈なのだが、そこを強く訴えていたのだ。
中谷社長は特にそこに反応し、「地域貢献であれば、もともとやりたかったことでもあるし、一緒にやっていきたい」と言ってくれた。

まぁ実際は、中谷製菓にとって、“地域限定商品”ということが都合が良かったこともあるとは思う。
中谷製菓は、すでに大手メーカーのかりんとうのOEMを受け、それを全国展開させていた。うちの持ちかけた話がおなじく全国流通が前提だと、中谷製菓のつくっている製品同士が競合となってしまうからだ。

こうして「地域のなかで販売すること」が条件となったのだが、なにはともあれ、想いに共感してつながったというのは、やはり嬉しかった。

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