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「引き寄せの法則」について考えてみた

先日、「引き寄せの法則」を実感したことがあった。

BSテレ東の番組「あの本、読みました?」に出演させてもらった。
理系作家特集ということで、ミステリィ作家森博嗣さんの担当編集者の河北壮平さん、東野圭吾さんの担当編集者の秋月透馬さん、と僕田内学の三人がゲストに呼ばれたのである。

なんとも恐れ多い話だ。僕も理系作家であることは間違いないが、森博嗣さんや東野圭吾さんは超一流の作家である。

僕は、大学生の時以来20年以上、森博嗣さんの大ファンだ。
『すべてがFになる』『笑わない数学者』『彼女は一人で歩くのか』『「やりがいのある仕事」という幻想』など、これまで何十作品も読んできた。

こうした番組に呼ばれること自体、栄誉あることなのだが、何よりも嬉しかったのは、森作品を一緒に作ってきた編集者の方と、テレビの収録でお話しさせてもらえたことだ。いかに僕が森博嗣さんの小説を愛しているのかを語らせてもらった。

この喜びをSNSに書いたところ、何人の方から「まさに、引き寄せの法則ですね」と言われた。

引き寄せの法則。これまでもその言葉を聞くことがあったが、これがそうなのか。

なんとなくスピリチュアルな言葉だろうと思っていたが、気になって調べてみたところ、以下の4つの要因があるようだ。
(調べたといっても、chatGPTに聞いただけだが)

①思考と感情の力: 私たちの思考や感情はエネルギーを持っており、ポジティブなエネルギーはポジティブな出来事を引き寄せ、ネガティブなエネルギーはネガティブな出来事を引き寄せるとされています。
②自己実現: 自分が望むことや目標を明確にし、それに対する強い願望と信念を持つことで、それが現実化すると考えられています。
③視覚化: 自分が達成したいことや夢を具体的に視覚化し、まるでそれが既に現実となっているかのように感じることで、その実現を引き寄せるとされます。
④感謝の態度: 今あるものや状況に対して感謝の気持ちを持つことで、さらに良いことを引き寄せるとされています。

スピリチュアルな意味だけではなく、達成したいと考えることで行動が変わることが引き寄せにつながるそうだ。

自分にも思い当たる節はある。

1年前、『きみのお金は誰のため』の原稿を書いているとき、森さんのような理系らしい文章を書きたいと思っていたし、主人公優斗のキャラにも森さんが大きく影響した。

主人公の1番の役割は、お金と経済の話について先生(作中の”ボス”)から学ぶこと。中高生の読者でも物語に入り込めるように、優斗は中学2年生という設定にしたのだが、話がスムーズに進むためには、優斗にはある程度の理解力が求められる。
しかしながら、成績優秀な頭のいい子にすると感情移入しにくい。そこで、森博嗣さんのようなミステリィ小説が大好きな中学生という設定にした。その設定ならば、謎解きのような話をテンポ良く理解しても違和感がないはずだ。
そして、せっかくなら森博嗣ファンに「優斗が呼んでいるのは森作品ではないか」と気づいてもらえるような描写にした。

それから、1年が経ち、『きみのお金は誰のため』がお金について学べる小説として注目していただき、このたび「あの本、読みました?」に出演させてもらったのだが、当初は理系作家特集ではなく、お金の本特集に呼ばれていた。

その打ち合わせのzoomで、ふと聞かれたのである。
「そういえば、田内さんも理系でしたよね?」
僕の著者プロフィールには、まずはじめに「東京大学工学部卒業」と書いている。これは、森さんのように理系らしく論理的な説明に徹しているということを示したいからである。
そして、さらに聞かれた。
「理系作家と言われるとどなたが思い浮かびます?」
もちろん、森博嗣さんである。
森さんがいかにすごい理系作家かを語らせてもらい、自分もまた大きく影響を受けているという話もした。
その結果、僕も理系作家特集に呼ばれたのだ。たしかに、僕自身の行動によって引き寄せている。

そして、収録のときに知るのである。森博嗣さんの担当編集者である河北壮平さんも参加されるということを。

収録では当然、森博嗣さんの作品の話になり、ここで、先ほどの小説の設定の話が生きるのである。僕は嬉々として語らせてもらった。

この中(『きみのお金は誰のため』)で、中学生の男の子が出てくるんですよね。でも、その中学生の男の子、学校の成績がいいわけじゃ無いんだけども、頭の回転が早い設定にしたいと思って。それで、森さんの小説が好きだということにしたんです。実際に、彼が森さんの本を読むシーンが出てくるんです。

森博嗣愛を語る田内学

そして、番組の中でも僕の小説の中で該当部分が紹介された。好きな作家への愛を語ることで、自分の作品の紹介にもつながるなんて、こんな嬉しいことはない。

”優斗、よくやったぞ!きみが森博嗣作品を読み漁ったおかげだ!”

優斗を心の底から褒めてやりたい。

番組内で紹介された『きみのお金は誰のため』の1シーン

さらに僕の話は続く。

ビジネス書で初めてだと思うんですけど、参考文献に森さんの小説が入っているんです。それくらい、僕は森”愛”が強いんです。

続・森博嗣愛を語る田内学


画面左下に、参考文献の記載が紹介される

そうなのだ。
ビジネス書なのにもかかわらず、なぜか、一冊だけ小説を参考文献に入れいている。しかも、森さんの小説。
これに関しては、3ヶ月前の自分を心底褒めてやりたいと思った。

発売当初は、参考文献に森さんの小説は入っていなかった。
この収録の3ヶ月前、第6刷の増刷が決まったときに、いつものように担当編集の桑原さんが修正箇所について聞いてきた。
通常なら、直すとしても本文についてのみ。ところがこのとき、僕は異例のお願いをした。

「森博嗣さんの『笑わない数学者』を参考文献に入れてください」

僕は妄想したのである。
ものすごい低い確率ではあるが、参考文献に森さんの小説を入れることで誰かの目に留まり、何かのご縁があるかもしれない、と。

それが本当にご縁を生んでくれたのである。

引き寄せの法則に大事なのは、妄想力ではないだろうか。
参考文献に入れたことがご縁につながるかもと妄想しても、うまくいくのは1万分の1くらいの確率だ。奇跡に近い。
しかし、その妄想を1万回くらい積み重ねていたら、1回くらい実現する。これは奇跡ではなく必然に近い。

引き寄せの法則というのは、うまくいくことを妄想して行動し続けることなのだろう。


ここから先は、おまけ部分。今週の活動記録。

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