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新刊発売に向けて選書した10作品

毎日、落ち着かない。

入試の合格発表を待っていた学生時代のように、針のむしろに座らされた気分だ。

小説「きみのお金は誰のもの」が校了して2週間たったが、発売されるまでまだ2週間以上ある。
不安でしょうがない。
書店で手に取ってもらえるのだろうか。
最後まで読んでもらえるだろうか。
面白いと言ってもらえるだろうか。

そんな不安を多少やわらげてくれるのは、書店からの反応だ。今回はありがたいことに、すでに数店舗からイベントのオファーをいただいている。

その中で、青山ブックセンターさんにはイベントに加えて、選書フェアを展開してもらえるらしい。(はじまったらご報告します)
書店で選書するのは初めてだが、社会のことがわかるビジネス書や本書「きみのお金は誰のもの」の中身に通じる書籍を10作品選ばせてもらった。

以下、見出しとその推薦文

①    14歳からの社会学
―本物に「感染」したとき、人は動く。
社会を生きるためには、誰かの本気に感染すること人を愛することが必要だという宮台氏のメッセージは、私が本作で伝えたかったことでもある。

②    笑わない数学者
―問題を解くとは、前提条件を見つけること。
本作の中にも登場するミステリー小説。森氏の作品と同じく、貨幣経済を理解するには、その前提条件を知ることから始めないといけない。

③    生き方
―極楽にも地獄にも「うどんの釜」がある。
環境を変えることも大事だが、その環境を生かすも殺すも我々の行動次第。うどんを美味しく食べられる極楽にも、火傷で苦しむ地獄にもなる。

④    世界は贈与でできている
―贈与によって「生きる意味」を知る。
資本主義に飼い慣らされた我々は交換によって世界は広がったと考える。しかし、世界を広げているのは常に贈与なのだ。

⑤    観察力の鍛え方
―時間と空間を同時に観察せよ。
観察力を鍛えると物事の捉え方が変わるという佐渡島氏。氏の言うように、時間と空間を同時に観察したとき、経済活動が贈与に見えてきた。

⑥    アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?
―近代経済学という「愛の節約」
合理的で利己的な経済人によって社会が成り立っていると考える経済学。しかし、経済人を支える女性のケアが社会を支えている。

⑦    13歳からの地政学
―世界の中心を見つける旅に出る。
地政学を学べるビジネス小説。不可解に思える外国の行動のウラにある考え方を学べば、不必要な恐れも薄まり、世界が丸く見えてくる。

⑧    おカネの教室
―あなたの「持ち場」はどこですか
自分の役割について考えさせられる小説。なぜ、我々は働くのか。一人ひとりが「持ち場」を守ることで社会は成り立っている。

⑨    禅の言葉とジブリ
―「いま、ここ」を大切に生きる。
将来への不安を解消するためお金を貯めようとして、現在を犠牲にしてないだろうか。「いま、ここ」に私たちの幸せがある。


さて、9作品まではスラスラとでてきたのだが、もう1作品が見つからない。実は、学生時代の僕に影響を与えた作品があるのだが、全く違う分野のSF小説だから、選書に入れるのを躊躇っていた。
しかし、⑤であげた「観察力の鍛え方」にも関連する話だろうと思い、入れてみることにした。

⑩    銀河英雄伝説
―物語から学んだ観察力
銀河系を舞台にしたスペースオペラ小説。戦争を両陣営の視点から眺めることで、観察力が自然に鍛えられる。時間と空間を同時に観察できる長編小説。

40年前の作品だけど、いまだにファンは多い。舞台でも演じられていて、たしか、松坂桃李や河村隆一が出ていたいはずだ。去年は、NHKでアニメ放送があった。おすすめの作品ではあるのだが、本作は10巻完結で外伝も4巻ある。

銀河英雄伝説

お時間ある人はぜひ読んでみてください。

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