湖の女たち〜御茶ノ水でカレーを食ってる場合じゃなかった
この作品に関わったものすごく大勢の人たちにはたいへん失礼であり、素人が四の五のヌカすなという話であるが、鈴木清順監督『悲愁物語』(1977)、橋本忍監督『幻の湖』(1982)的にきわめて不可解であった
百歳殺人事件、警察の強引な取り調べ、刑事と介護職員の愛欲、巨大疑獄的薬害事件、ご存じ731部隊事件、やまゆり園事件的事件など、総花的に要素を散りばめたはよいがアブハチ取らずに終わった感がきわめて強い
人間の原罪に迫るとか現代の黙示録とかいえば宣伝上聞こえはよいものの、同時にきわめて月並みであり、この作品を解する想像力が欠けているのだとしても、一向にわけがわからぬまま手前が湖の底へ沈みたくなった
そもそも別の映画を観るつもりだっだが御茶ノ水駅の傍にあるカレー屋に寄ったがために間に合わなくなり、ドラフトでいうところの外れ外れ一位ではあったし、メシがうまいのまずいの映画がどうのこうの並べ立てるのは紳士的でないと弁えている
記録せずにいられないのはオレはカネを払ったのだという受益者意識によるものであり、この作品がなにゆえこれでオッケーだったのか興味津々でならないからだ
夜のシーンがとびきり多く、暗いスクリーンを目を凝らして眺めた記憶も含め、今日はこれくらいにしといたるわといった一本である