ベースを弾く-キャシーのレッスン 2012-08-09
ベースを弾くところを見てもらわなけりゃ、とキャシーのレッスンにベースを連れて行く。
アレクサンダーレッスンを受けて、期待するのはやはり、自分の身体の協調作用が変わって、弾きやすくなったり音が変わったり、というところなわけね。
合宿の時にグレッグのレッスンでは、「楽器をつつむように」というアドバイスを受けた結果、その時に弾いた何秒間かの間、うっとりするようなベースとのひと時を味わい、自分とベースとの関係性が変わったのがはっきりわかったのだ。
そして、そういう風にいつでも音や楽器との一体感がある「べき」なのだと思っていた。
キャシーのレッスンでも構え方や立ち方についてのアドバイスをいくつか受け、弾いてみる。
「どう?」と聞かれる。
「悪くはない、弾きやすいし。。。なんか遠いような、客観的な感じ」と答えた私に、「それはいい」とキャシーが返した。
自分も、客観的なのはいいと思ったのだけど、でもベースとの一体感がないと言ったところ、こう答えがかえってきた。
「エクスタシーを求めるならもっとほかのやり方が必要」
これを聞いて、自分が同じ感覚を再び求めていたと思い当たった。「あの感じ」を得たくてベースを弾いているんじゃなかった。それはあくまでも結果的に得られた感覚にしかすぎないんだ。
そして、どんなに素晴らしく忘れがたい経験だったとしても、ずっとそれを持ったままではいられないのだと思った。
今回のレッスンで私が知ったのは、何かを新しくつかむためには、今手に持っているものを手放さなければならない、ということ。
アレクサンダーテクニークで常に、それを目的にするなと言われる「感覚」を追い求めること、なんでそれがNoと言われるのかという、自分が素直に呑みこめるその理由が見つけられた、貴重なレッスンだった。
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