「結婚詐欺師の本気の婚活」だけじゃなかった『ミス・ターゲット』最終話を前に
日曜よる10時に放送されているドラマ『ミス・ターゲット』。
毎週日曜日の夜を、明るくも切ないラブストーリーで彩ってくれていたこのドラマも、とうとう今週で最終話を迎える。(寂しい!さっそく続編希望です!!)
松本まりかさま演じるじっとり妖艶な魅力に溢れる結婚詐欺師の朝倉すみれ、上杉柊平さん演じるほっこりピュアだけどビジュ良すぎな和菓子屋さん(後に和菓子王子となる)の二人のラブストーリー。結婚詐欺師が本気の恋に落ちていく物語に、毎週たくさんのキュンと切なさをいただいておりました。
そんな大好きなドラマ、最終話を前にここまでの感想を記します。
(以下、第8話までのネタバレを含みます!)
逮捕がクライマックスではない、『ミス・ターゲット』
あらすじにあるとおり「結婚詐欺師の本気の恋」がテーマのオリジナル作品であったため、わたしはてっきり最終話のクライマックスが第1話の冒頭にあった結婚式で逮捕されるシーンになるのだろうと思っていた。このシーンを超絶切なく見るための1クールになるのだろうな……と思いながら観ていたのだ。
しかし主人公のすみれは、第6話で逮捕された。
模擬結婚式の最中に警察に連行されるときの二人が対峙したシーンは、まるで最終話のクライマックスシーンだった。和菓子屋さんが肩代わりした借金を返すために、すみれは大金を用意して彼に渡していたが、あくまで騙すために近付いた、彼のことも結婚詐欺でお金をだまし取ろうとしていたのだと警察の前で言い張る。(泣けた。このときすみれも和菓子屋さんも、お互いを大好きで大切な存在だと思っていたのだ。すみれの過去が邪魔をしただけなのだ……)
なんとドラマとしては中盤の第6話で逮捕されてしまったすみれ。最終話ぐらい心を打たれて泣いたのにこのあと何話かどうするん?と思ったが、心配ご無用だった。なんと、すみれの出所後を描いた第7話、第8話がこれまでを超えるほどおもしろく、さらなる恋の切なさを浴びられるドラマだったから!見続けた人には福があるのが連ドラ!
突然メインキャストとして躍り出た、玉木萌(鈴木愛理)
鈴木愛理さん演じる玉木萌とは、すみれの弟子として結婚詐欺師の見習いをしていた女性だ。初回から登場していたし、メインキャストではあったのだけれど、そこまでのキーパーソンではなかったように思う。すみれが結婚詐欺のアジト的な場所として使っていたスナックで度々登場していたが、大きく物語にかかわってくることはなかった。
そんな萌が、第7話にして突如メインすぎる物語のど真ん中に躍り出た。
3年の刑期を終えて出所したすみれは、包装のアルバイトをしているうちに和菓子工場の包装に出向くことになる。そこは、かつて本気の恋をした和菓子屋さんの工場だった。ほわほわピュアピュアな和菓子屋さんは、スーツをビシッと着た実業家のような和菓子王子となって自身のお店を大きな和菓子メーカーに成長させていたのだ。
そして、そこに和菓子屋の社長として現れたのが、かつての弟子である萌。ふたりはすみれの逮捕後、和菓子屋をともに経営し、急成長させていたのだった。まさかまさかの急展開すぎるって。
そんな萌ちゃん、かつて生きることを放棄しようとしたときにすみれに出会い、助けてもらったことをきっかけにすみれに弟子入りしたという過去があった。逮捕後も何度もすみれに会いに行こうとしていたが、今後の萌のことを思ってもう違う世界で幸せに生きるようにと、すみれとすみれの師匠が突き放したのだった。(萌ちゃんはポンコツ見習い詐欺師だったため、まだだれのことも騙していなかった)
それでも、家族のいない萌にとって、すみれは家族同然。ぽっかり空いてしまった穴は埋まらなかった。そんなとき、同じく心に大きな穴が空いて動けなくなっている和菓子屋さんと出会う。ふたりは3年かけて、少しずつ前を向いて和菓子屋の経営に取り組んできたのだった。
和菓子屋は急成長中のいちばん大切な時期。そんなときに和菓子屋さんの前にすみれが現れたことで、和菓子屋さんの心は揺れまくる。大切な記者発表の日に、危険が迫ったすみれのもとに向かい、事故に遭ってしまう。
病院で和菓子屋さんの治療を待つすみれと萌。萌は、すみれを強い言葉で非難したものの、自分の本当の気持ちと涙をこぼしながら謝る。
すみれを失ってとても悲しかったこと、この3年ふたりでどうにか前を向くためにがむしゃらに頑張ってきたこと、上手くいくこともあったし喧嘩したこともあったこと、そして、いつのまにか好きになってしまっていたこと。
大好きな人の大好きな人を好きになってごめんなさいと、萌が涙を流しながら謝るシーンでは、完全に萌があのドラマのヒロインだった。
萌と和菓子屋さんのこれまで3年間の回想シーン、セリフも少なく、そんなに長くない回想シーンだったものの、3年間のふたりの心の移ろいが手に取るように分かるような、萌が和菓子屋さんを好きになるのは必然だったと思わせるような、一本の恋愛映画を観たような感覚になった。萌ちゃん、泣かないで……(完全に萌に感情移入して泣いた)
ドラマ主題歌である家入レオさんの『ワルツ』という楽曲。これまではすみれの気持ちで聴いて切なくなってたけれど、萌の気持ちになって聴くとまたさらにもう一段階深く切なさを感じられます。なんの気持ちにならなずとも名曲ですので聴いてください。
全員幸せになる最適解を教えてほしい!今週いよいよ最終話!
前半5話では、「結婚詐欺師の本気の婚活と恋」というテーマでしっかりラブコメを楽しませてくれ、6話からは「罪を償った元結婚詐欺師の生き様と萌の切なすぎる恋」で心を鷲掴みにしてくれた『ミス・ターゲット』。
とうとう今週で最終話を迎える。(寂しい!さっそく続編希望です!!)(2回目)
なんだかんだずっと恋路を見守ってきた、強くてしなやかで美しすぎる主人公すみれと和菓子屋さんに上手くいってもらいたいけれど、萌ちゃんがそれで傷付く姿も見たくない……全員幸せになれる最適解を教えてほしい……(恋愛ドラマを観る限り一生抱える悩み)
登場人物それぞれ全員愛おしく思ってしまっているから、すみれも萌も、和菓子屋さんも、和菓子屋さんのパパも、和菓子屋さんの幼馴染も、居酒屋の夫婦も、すみれの師匠も、ウクレレ弾き語りで告白する八嶋さんも、その子分も、なんとか全員幸せに、前向きに生きていけるクライマックスを希望します!!!
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