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野良猫を育てる・3

ペットショップ出身者の長男坊との馴れ初めが一段落ついたところで、やっとタイトル通りに野良猫登場である。長男坊以外の3匹の野良猫は三者三様のルートで我が家にやって来たのだが、まずはヅラのような前髪模様が愛おしいお調子者の次男坊の話から始めたい。

「兄弟がいた方が寂しくない」は猫の世界にもあるのか?

長男坊が1歳を迎え、発情期が訪れてまたしても私の腕をターゲットにし(今度は発情の相手役であった・・・)、遅めの去勢手術を済ませた頃には、わが家に来てから1年が経とうとしていた。

その間に結婚予定人と晴れて結婚し、私も夫も転職をした。そうすると、これまでは時間交代制のごとく長男坊と過ごしていた我々だったが、皆で一緒に過ごす時間が増え、そして当然だが長男坊が1匹で過ごす時間も増えた。甘えん坊の長男坊を1匹きりにさせるのは忍びなく、「兄弟猫」を迎える案が持ち上がるようになった。

ところで、「兄弟がいた方が寂しくない」は猫にも当てはまるのだろうか?文献等で調べた結果は、概ねNOといったところだった。そもそも猫は単独行動を好む生き物であり、他の猫に縄張りを荒らされずにノンビリできる1匹飼いの方が気楽なのだそうだ。ただし、実際に多頭飼いをしてみるとそうとも言い切れないとも思う。相性の良し悪しはあるし小競り合いもしょっちゅうあるが、猫同士がベタッとくっつかないにしても、「そこにいる」ことをお互いに認識して安心している気配がある。1匹きりでは感じることのない連帯するムードのようなものが漂っていると感じる。

もちろん猫同士の相性によって話は大きく変わってくる。わが家にも相性のあまり良くないコンビがある。雄同士・雌同士などの性別もあまり関係ないように思う。こればっかりは個々の性格次第で、多頭飼いによって不幸になる猫もいると思うので、一概に「兄弟がいた方が寂しくない」とは言えない。

といったようなことは多頭飼いを経験していない当時は全く分からず、「兄弟がいた方が寂しくない」は猫の世界にも通用するだろうと、2匹目の猫を飼うことを決意したのだった。

坊ちゃん前髪の猫

次男坊と出会ったのはインターネットの猫譲渡サイトだった。サイトで見る猫はどの子も可愛く、逆に言えば「絶対にこの子が良い」という確信も持てず、なかなか決めることが出来なかった。そんな中、この真ん中分けの前髪のような、額に張り付いた海苔のような、何とも言えない模様を持った次男坊を見つけた。隣の市で保護された、まだ2ヶ月の赤ちゃんだった。

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早速トライアルが始まった。まだ手のひらに乗りそうなほど小さく、遊びたい盛りで長男坊にもすぐに戯れつくような元気な猫だった。羽毛のようなポワポワの毛やくるくるの瞳まで、何から何まで「可愛い」という言葉が形になったようだと思った。長男坊との相性も良く、そのまま正式にわが家の猫となった。

次男坊の時は育猫ノイローゼにもならなかった。運動神経が良く手先が器用な奴で、ドアノブをひねって開けたり箱の蓋を取って中身を物色したりといたずらばかりしていたが、それでも笑って見ているほどの余裕があった。おそらく、長男坊が遊びの相手をしたり教育をしたりと、私の代わりを務めてくれた部分があったからだろう。長男坊の兄貴肌な性格を知ることが出来たのも、多頭飼いに踏み切って良かったことの一つだ。

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そんな次男坊も後から来た女子2匹にはすっかり兄貴である。平和主義らしく、どんな猫が来ても甲斐甲斐しく世話を焼くジェントルマンである。次男坊のおかげで多頭猫ライフが成り立っていると言っても過言ではないだろう。ありがとう。

次回はTHE・女子との出会いを書きます。

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