何を思い、誰を想う

「遊んでもいいけどさ 待っててもいい？」

通り雨のように過ぎていった3月、気が付けば桜の花が開き始めている。春を迎える準備が間に合わず、心ばかりが忙しい。悲しい出来事ばかりで藍(哀)色だったように見えた空は、最近は少しあたたかい陽の光や木々の花によって時に眩しい。素敵なこと。

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様々なことに覚悟を強いられる時期。卒業、就職、異動、新生活。決断は1つに対して、覚悟は数え切れないほど必要。

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貴方は遠くへ行って 新しい生活が始まる。わたしは大切な場所に留まり仕事を始める。距離こそ目に見えるものの、その距離を埋める手立ては全く見えない。

「何を考えているの？」と問うことが増えた。貴方が思うことを通じて自分への想いを確かめようとする。時に、厳しい言葉で責めてしまうこともあった。逃げようにも もうすぐ側に厳しい生活が待っているからだ。貴方が新しい環境の準備で余裕がないように、わたしにも余裕がない。社会での生き方を知っている貴方と、これから社会に放り出されるわたしでは 違う葛藤が待っている。それでも、向き合い続けたいから 本来なら穏やかに過ごすべきこの時間に問い続けている。

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"惨め"という言葉を使うことはやめようと思う。わたしばかり という思いも、わたしの歩み寄る足が一歩先だっただけ。思えば、貴方に沢山の思い出をもらっている。

覚えていますか？

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「海に行ってみたい」という言葉、貴方は嬉しそうに連れて行ってくれた。
スタバやカフェの新作が出ると、写真を送ってきて次の休みには一緒に食べに行った。
貴方の友人が気になると言ったら、出会わせてくれて 更に素敵な二人にも出会えた。
温泉に入りたくなった時、近所の温泉へ行ってお家でビールを飲んだ気持ち良い夜。
なんでもない時間に、大して中身のない話で ケラケラ笑っていた日々。

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決断と覚悟には必要のない 情 かもしれない、思い出かもしれない。現に、寂しい思いや惨めな思いをしていることも事実。だけど、一生忘れることのない恋をさせてくれた貴方に最後まで全力で向き合いたい。貴方も全力だったらそんな嬉しいことはない。ただ、貴方には叶わない敵わない。それでも、わたし の決断に最後まで隣にいてほしいと思う。

わたしは 貴方 に、嬉しい 悲しい と思う。貴方 を想うから。貴方 は、何を思っているのか。誰を想う 思いなのか、時間をかけてでも伝えてくれたら、それでいい。