『ハンチョウ』のしょぼさ

『ハンチョウ』という漫画がある。

地下労働施設で働くおじさんが、一日外出券を使い地上に出て、飯を食ったりする漫画だ。

今書いた通り、この漫画の内容はしょぼい。でも面白い。全部読んだわけじゃないけど。

おじさんというのは大体しょぼい。

それはなぜかというと、しょぼくないとしんどいからだ。

しょぼいというのは、スケールが小さいということだ。

なぜしょぼくないとしんどいかというと、大きなものを得るのは大変だし、そもそも無理そうだからだ。おじさんにもなれば、それくらいのことは知っている。

「何を求めるか」のスケールを小さくすると必然的にしょぼくなるが、中年になっても大きいままだと辛いのでしょうがないし、しょぼくても楽しめるならそれはそれで良いよなと思わせてくれる漫画、それが『ハンチョウ』だ。

大槻(ハンチョウの主人公)だけでなく、しょぼいおじさんのしょぼさというのは、そのような戦略(?)の表れなのである。たぶん。

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