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スクラム開発とReflection-in-action(行為中の反省)

こんにちは!

タンバリンという会社でクラウドプラットフォームに特化した開発やインテグレーションをおこない、クライアントのビジネスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。今日は、日々のプロジェクトの中で感じていることを書いてみたいと思います。

我々のようなクライアントワークを中心に行っている会社でも、プロジェクトでスクラム開発が採用されることが多くなってきました。

スプリント内で行われるスクラムイベント

プロジェクトで行われるスクラムイベント
 - スプリントプランニング
 - スプリントレビュー
 - リファインメント
 - 振り返り(レトロスペクティブ)

ざっくりいうと上記のようなスクラムイベントと複数のチーム毎の朝会とデイリーの振り返りがセットになります。それぞれのイベントの内容について色々と学びが多いのですが、一言でいうとスクラム開発は、ちゃんとやろうとするとめちゃくちゃ大変…という実感があります。

Reflection-in-action(行為中の反省)が生まれる瞬間**

プロジェクトがクライアントワークの場合は、社内のPM(プロダクトマネージャー)が顧客プロキシーとしてPOを担当するのですが、日々刻々と変わるプロジェクトの状況に対して柔軟に対応するためには、(当たり前ですが)すべてのイベントでチームの開発メンバーや顧客としっかりと対話する必要があります。

その中でも、振り返りの重要性を感じることが多く、特にReflection(反省)の要素がスクラムイベントにはうまく組み込まれていると感じます。

ドミニク・チェンさんの記事では、文章を書くという行為の中にフィードバックが働いているという点を指摘していますが、これをプロダクトを開発する/コーディングするという行為のなかで、チームが行えるようになると飛躍的に開発力が上がります。

スクラムの振り返り(レトロスペクティブ)は一般的に行為後の反省なのですが、スプリントを何回か繰り返していくと、日々のチームの行動の中ペアプロの中、メンバー間のコミュニケーションの中にReflection-in-action(行為中の反省)が発生する瞬間を見つけることができます。

これは、チームメンバー全員のちからを合わせてでプロダクトバックログをスプリントで完了させるというシンプルな共通認識から生まれるのか、スクラム開発が本来持っている3本柱(透明性と検査と適応)が、よりミクロなレベルにおいて創造性の発動に影響を与えるという点なのかはまだよく整理できていません。

たとえばキーボードを叩いて文章を書く場合、指でキーを叩いて画面上に文字が表示されるのを見た瞬間に次の打つべき言葉が触発されます。しかし、また別の時にはキーを叩き終わって文章が確定してから思考が澱んだり、数秒から数分の空白が生まれる場合もあります。前者においては行為中の反省が作動しており、後者においては行為後の反省が作動しているとみなすことができます。

また、スクラムでは単に振り返りをおこなうだけでなく必ず、改善点はタスク化し、完了させるところまでをチームで合意するという点が特徴で、プロジェクト内でチーム内の行動規範となるワーキングアグリーメントは常にアップデートされていきます。

ワーキングアグリーメント
-「私たちはチームとしてこうやって作業したい」という宣言
- 日本語だと、「行動規範」や「集団規範」が近い
- チームとして規律を守り、生産性を高めるために設定する
- なんとなくの暗黙の了解ではなく、チーム単位で明文化し、合意する
- ワーキングアグリーメントに関する権利と責任は、チームにある

クライアントワークだけではなく日々の組織づくりの中にも、Reflection-in-action(行為中の反省)と組織の行動規範をアップデートする(ワーキングアグリーメント)をワンセットでつくる仕組みを組み込んで行けるといいなと考えています。

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