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関わらない選択(2)

(1)で、ウォーキングついでに、
70代くらいの女性の荷物を持って、
彼女の自宅付近まで歩いたことを書きました。

失礼なのは承知のうえで、
ここからは、彼女のことを
「おばあさん」と呼ばせてもらいます。


おばあさんと夜道を雑談しながら歩く。

おばあさんは、
少し先の古いアパートを指さして、
「あそこが家だよ」と言った。

あと10メートルくらいで到着だが、
ここで休憩すると言って荷物を置いた。

あと少しなのに…と言いかけて、
私が一緒だから無理させたのかも。
いつもここで休憩しているかも。
と思い、私も荷物を置いた。

休憩したかと思ったら、
おばあさんは、荷物とは別に手に持っていた
小さなビニール袋からパウチ状のものを取り出した。

そして、向かいの家(空き家?)の入り口に、
そのパウチの中身を出した。

おばあさん「猫ちゃんおいで〜ごはんだよ」

最近、子猫が生まれたことを話してくれた。
おばあさんの飼い猫ではない。
野良猫ちゃんらしい。

ここまで歩きながら話していて、
猫が好きなのかなと思うことはあった。
でも、餌ってあげていいのかな。
(正直あせる……)

旦那様のことやご近所のことも話してくれた。
もしかして、今はおひとりで猫が拠り所なのかな。

なんとも言えない気持ちになった。

しばらくすると、車が止まって、
中年女性が出てきた。
おばあさんがその女性に話しかける。
知り合いのようだ。
○○さん(この女性)も猫に餌をあげるのよ。
とおばあさんは言った。

おばあさんとこの女性は、猫友だちのようだ。
ペット禁止のアパートの人が猫を飼っていて、
大事にしているようだが、大家さんに見つかったら心配だ。猫の行き場がなくなる。
と話している。

おばあさんは、私がいることを忘れたかのように、その女性と話し続ける。

おばあさん「明日は何時ごろ来る?」

中年女性『今日も遅くなったし、家事もしないといけないから、はっきりとは言えない』

おばあさん「それなら、あなたが来るまでここに座って待ってるわ。話したいこともあるし。」

中年女性『そんなのだめですよ。何時になるか分からないんですから。話ってなんですか?
あ、(キョロキョロする私に気づいて)
ウォーキング中だったんですよね。
もうあとは大丈夫ですよ〜』

おばあさん「あ、そうだった。もう大丈夫よ。ありがとう〜」

わたし《いえいえ、それでは失礼しますね〜》
いつものコースに戻った。


おばあさんがどういう人が知らない。
中年女性がどういう人が知らない。

おばあさんは猫が好きで、中年女性と会ってお話することが好きなことは分かった。

野良猫に餌をあげることには驚いたし、
注意すべきことだったかもしれない。
ご近所には迷惑かもしれない。

でも、猫のお世話をすること、猫が繋いだ中年女性との関係が、おばあさんにとっての心の拠り所だったらどうだろう。

いつものウォーキングコース。
おばあさんのことを思い出す。
なにが正しいのか、正しかったのか。
ただ、私は、関わらない選択をした。


読んでくれた方へ
説明下手なので読みにくかったと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

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