人生で初めて漫画の持ち込みに行った話
はじめまして。
先週、人生で初めて出版社に漫画の持ち込みに行ってきたので、漫画制作の過程と、編集の方からいただいたご助言をここに書き記そうと思います。
今回は児童漫画の編集部に持ち込みに行こうと決めていたので、子どもでもみんな知ってる『じゃんけん』をテーマにした漫画を描くことにしました。
じゃんけんって誰でも一度はしたことがあると思うんですけど、馴染み深すぎてもはや遊びでじゃんけんする子どもっていないと思ったんですよね。
「デュエマしようぜ!」とか「ベイブレードしようぜ!」みたいなテンションで「じゃんけんしようぜ!」って絶対言わなそうじゃないですか。
だから、じゃんけんのバトル漫画があれば子どもたちにとってじゃんけんの価値が少しでも上がるんじゃないかと思って、じゃんけん × バトルの話を描くことにしました。
物語の大まかな流れは考えていたのですが、少年漫画っぽいキャラクターを描いたことがなかったので、とりあえずデュエル・マスターズの漫画を参考にしながら見よう見まねで描いてみることにしました。
児童漫画の主人公って髪型がトゲトゲしてる印象があったので、トゲトゲ感を維持しながらオリジナリティある形を作り出すことに注力しました。そしてでできたのが↓このキャラです。
主人公は毎回じゃんけんでチョキしか出さないというキャラにしようと思っていたので、髪型もチョキの形にセットしてみました。
話とキャラができたので、本格的に漫画作りに入っていきます。
漫画を描くためには漫画専用のペンやトーン、また原稿用紙が必要です。しかし僕には、中学1年のときにそれらを使えこなせず挫折した経験があったので、今回はiPadのCLIP STUDIO PAINTという漫画制作ソフトで描くことにしました。
漫画は普通、ネーム → 下絵 → ペン入れの順番で描いていくようなのですが、僕はネームと下絵の違いを理解していないまま描き始めてしまったので、ペン入れの段階でまたキャラのポーズやフキダシの位置を描き直すといった二度手間が発生してしまいました。
ちなみに↓この画像がネーム&下絵のときの絵です。
登場人物のポーズや背景の構図など、毎コマ毎コマ変えながら描かないといけないので、すごく時間がかかりました。ネームの段階で苦労したこの作業を週刊連載の漫画家さんは毎週やってるのかと思うと、もう神業としか思えません。
その後ペン入れなどをして、なんとか完成しました。
完成した原稿はこちらに投稿しています↓
(39ページもあるので飛ばしていただいて全然いいのですが、読んでいただけると嬉しいです…!)
さて、いよいよ持ち込みです。
出版社の編集部に電話で予約をし、翌日見てもらうことになりました。
僕は漫画を描いたことはほとんどなかったのですが、趣味でイラストはたくさん描いていたので、今まで描いた絵をたくさん載せた表紙も作りました。(付録も付けてみました)
コンビニでB4サイズの紙にプリントした漫画原稿を持って、いざ出陣。
以下、持ち込みの結果です。
■絵の総評
サブカル感が強くて、児童向けの絵ではない。
王道な絵の方がいい。
敵キャラも今回の漫画に登場するような関節の数が多い怪人とかではなく、普通に人間の形をしているほうがいい。
主人公の頭身は頭が大きめなほうがいい。
腕が異様に長く見える(パースの強い)構図は違和感がでてしまうので避けた方がいい。
キャラは背景より太く描いて目立たせたり、手前の輪郭線を太く描いたりなど、線の描き方を意識するといい。
背景は全部書く必要はない。(細かく描きすぎると逆に見にくくなってしまう)
■話の総評
わりと読めたが、子ども向け感がない。
小学1年〜6年生までの男の子が見たいものをもっと考えるべき。
漫画の最後のセリフがないコマの表現は子どもには難しい。
面白いか面白くないかより、まずは子どもに分かってもらえることが大事。
小学生がやったことある or 漫画を読んでやりたくなることを描くべき。
タイトルは、読んだだけでどんな話か分かるものの方がいい。
とのことでした。
たしかに児童向け漫画を描くといいながら、じゃんけんをテーマにすること以外何の工夫もしていなかったので反省です。
あと自分の絵がサブカル的な絵だということも知ることができたので、次回児童漫画を描くときはできるだけ王道の絵を描けるように心がけたいと思います。
個人的には、凄い真剣にバトルしてるのに「いや、やってることただのじゃんけんじゃん!」みたいな読者からのツッコミも期待しながら描いていたのですが、小学1年生の子どもはそんなツッコミしないよなと我に返りました。
絵と話、2つの観点からとても丁寧なアドバイスをしていただき大変勉強になりました。
今回のアドバイスをいかし、次回は手がベロでできてる少年が世界を救う漫画を描こうと思います!
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