自律神経について
自律神経の仕組みについて解説します。
1.自律神経とは
脳と脊髄を通る中枢神経から、全身に張り巡らされる末梢神経の一部が自律神経です。
意思とは無関係に臓器や器官をコントロールしており、呼吸、心拍数、血圧、体温、唾液、発汗、ホルモン分泌などの調整をしています。
2.「交感神経」と「副交感神経」
自律神経は体をアクティブにする「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」の2つからなります。
この2種類の自律神経が協調して働くことで、心身の状態が健康に保たれています。
日中は交感神経が高まって活動的な状態を保ち、夕方から夜間は副交感神経が高まって心身が休息できる仕組みになっています。
交感神経と副交感神経はそれぞれ独立して働きます。
一方を抑えると自然と他方の働きが高まるわけではないので、両者の働きをほどよく高めていく工夫が必要です。
3.自律神経を乱す要因
自律神経のバランスを崩す原因は多岐にわたります。
さらに加齢でも自律神経の機能は低下します。
20代を100%とした場合、30代で20%、40代になると30〜40%低下し、50代になると半減します。
加齢により特に副交感神経の働きが落ちるといわれています。
4.自律神経の乱れから起こりやすい症状
自律神経は様々な器官をコントロールしながら生命活動を絶えず支え続けていますが、それだけにバランスが崩れると全身に多種多様な不調が起こります。
(1)交感神経が極端に高い場合
自律神経による不調のほとんどは、忙しなく不規則な生活、精神的なストレス過多による交感神経の酷使が原因と言われています。
交感神経の働きが高い状態が続くと、休息すべき夜間に興奮状態が続いて眠れない、時間帯を問わずイライラや緊張が取れないといった症状がでてきます。
他にも血流の低下、動悸、頭痛、肩こり、冷え、高血圧、過食などを引き起こします。
(2)副交感神経が極端に高い場合
偏った食生活、夜型の生活、刺激のない生活、インドアの生活を送ると副交感神経が過剰に働きます。
副交感神経が優位になりすぎるとメラトニン不足による倦怠感、疲労感、眠気、低血圧、血管の拡張による頭痛、代謝の低下などを招きます。
5.自律神経を整えることで起きる変化
様々な不調が解消することで生き生きとした生活を送れるようになります。
6.自律神経を整える方法
自律神経を整える習慣を身につけて、心身ともに健康に過ごしましょう。
(1)規則正しい生活を心がける
自律神経は体内時計と連動しており、朝から日中は交感神経が優位になり、夕方から夜は副交感神経が優位になります。
夜更かしや徹夜をするとこの切り替えが上手くいかなくなり、夜に交感神経が過剰に働くので睡眠の質が落ちてしまいます。
就寝、起床、食事の時間を一定に保ちましょう。特に起きる時間を毎日変えないことが大切です。
(2)朝の過ごし方を見直す
朝食をとり、朝日を浴びながらウォーキングをすることで、体内時計のずれをリセットしながら交感神経の働きを高めることができます。
慌ただしく過ごすと副交感神経の働きが低下しすぎてしまうので、早めに起きてゆっくりと過ごしましょう。
(3)夜の過ごし方を見直す
夕食は20時頃までに済ませましょう。夜遅くに食事をすると、寝ている間も消化機能が働き交感神経が刺激されてしまいます。
夕食後はぬるめのお風呂に入ったり、部屋を暗くしてストレッチや瞑想をするなどリラックスして過ごしましょう。
副交感神経の働きが高まり寝つきがよくなります。
(4)適度な運動をする
運動には血流やホルモンバランスの改善、ストレス解消などの効果があり、自律神経への負担を減らすことができます。また、運動後は副交感神経の働きが高まるので自律神経のバランスが整いやすくなります。
日中は筋トレ、ジョギングなど交感神経を刺激する負荷の高い運動、夜はストレッチやヨガなど副交感神経を高めるゆるやかな運動が効果的です。
一方、過度な運動は副交感神経の働きを阻害するので避けましょう。
(5)深い呼吸をする
意識的に腹式呼吸をすることで、副交感神経の働きを高めてリラックスすることができます。
交感神経が副交感神経に切り替わるには5分程度かかると言われています。ゆっくりと深い呼吸を続けてみましょう。
(6)その他
「ストレス対策」「腸活」「食生活を整える」「マッサージやストレッチで凝りをほぐす」なども効果的です。
以上です。
お読みいただきありがとうございました!
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