NPB過去の「スコアレスドロー」を振り返る

2021年4月20日の横浜スタジアムで行われた、中日ドラゴンズ対横浜DeNAベイスターズ戦は、0-0の引き分けに終わった。

中日先発は大野雄大、DeNA先発は大貫晋一だったが、互いに譲らず、二人を継いだ後続の投手たちもぞれぞれ、ゼロに抑えたため、「スコアレスドロー(0-0)」となった。

これで中日は今季2度目のスコアレスドローとなり、これは2リーグ制以降、チーム初の「珍事」だという。

今季のNPBは新型コロナウイルスの影響により、9回を終えて同点でも打ち切られるため、引き分けが増えるだろうと予想されているが、DeNAは22試合消化で4つ、中日は21試合で4つと、早くも予想を上回るペースだ。


NPBでの2011年以降のスコアレスドロー

それでは、NPBで過去10年、2011年シーズン以降の試合で、スコアレスドローはどれくらいあったか振り返ってみよう。

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NPBの2011年のシーズン以降においてスコアレスドローの試合は、今回で、19試合目となった(そのうち、2011年5月23日の試合は、5回降雨コールドゲームである)

もっとも多い楽天、田中将大が2度、零封


その期間、スコアレスドローにいちばん関わっているのは楽天で、7試合である。

そのうち、6試合までがホームの試合であった。

特に田中将大が、2011年7月14日のソフトバンク戦(クリネックススタジアム宮城)と2012年9月2日のオリックス戦(同球場)に、いずれも先発して10回まで投げて無失点に抑えている。

2012年のほうは、その直前の登板、8月26日の日本ハム戦(クリネックススタジアム宮城)で延長10回を一人で投げ切り、チームが1x-0でサヨナラ勝ちしたことで、完封勝利を挙げた。
すなわち、田中は2試合連続で、10イニングを無失点で抑えており、NPBの試合で先発投手が2試合連続で10イニング以上を投げて無失点に抑えたのは、ヤクルトの尾花高夫が1982年8月4日の阪神戦(10回無失点)、8月8日の広島戦(10回無失点)で、いずれも1x-0のサヨナラ勝ちで2試合連続完封勝利を挙げて以来、30年ぶりの記録であった。

続いて多い中日

その次は、中日で6試合あり、そのうち4試合がホームである。

特に2019年から3年連続でスコアレスドローを経験している。


記憶に新しいところでは、昨年2020年8月2日、ナゴヤドームで行われた中日対ヤクルト戦で中日先発の梅津晃大とヤクルト先発の山中浩史と投げ合った試合である。

この試合、梅津は10回を一人で投げ切ったが、0-0で引き分けたため、梅津には「完投」は記録されるが、「完封」は記録されず、プロ初完封を逃した。

(山中はこの試合、シーズン初登板・初先発で、8回を無失点で抑えたが、勝利を逃した。そして、昨オフに現役引退した)

尚、梅津のように、0-0の引き分け試合で、先発投手が一人で投げ切ったケースは、1987年9月8日の西武ライオンズ対南海ホークス戦で、西武の工藤公康と南海の山内孝徳がともに11回を投げきって以来となった。

巨人は東京ドームではなし、日本ハムは皆無

その次は意外にも巨人で5試合あるが、いずれもビジターで東京ドームでは1度もない。

尚、過去10年で一度もスコアレスドローの経験がないのは唯一、日本ハムだけである。

今季のNPBは9回打ち切りの影響で引き分けが多くなりそうな上に、歴史的な貧打に悩むチームが多く、まだまだスコアレスドローが生まれそうな予感がする。

P.S. 2021年シーズンのスコアレスドロー



その後、2021年シーズンのスコアレスドローは以下の通り。
9回同点打ち切りで計7試合あった。

P.S.  2022年、2023年シーズンのスコアレスドロー


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