山本由伸(オリックス)・柳裕也(中日)、過去7人しかいない「投手5冠」ダブル達成の可能性

山本由伸(オリックス)と柳裕也(中日)が、これまでNPB史上7人しかいない投手の大記録に挑んでいる。

「投手5冠」である。
「投手5冠」とは耳慣れないかもしれないが、投手の主要タイトルである、「最優秀防御率」「最多勝利」「最多奪三振」「勝率第一位」に加え、「完封数」を加えたものとなる。

NPBでは85年の歴史で達成した投手がわずか7人しかいないという、レアな大記録である。

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「投手五冠」の達成者は、沢村栄治、ヴィクトル・スタルヒン、藤本英雄、杉下茂、杉浦忠、江川卓、斉藤和巳、という錚々たる面々である。

NPB85年の歴史で7人しかいない大記録を、今季はセ・パ両リーグで達成される可能性があるというわけだ。実現すれば、もちろん、史上初である。

「完封数」を除いた「投手四冠」ですら、この7人に加え、11人しかいない。

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投手四冠のみは、稲尾和久、木田勇、野茂英雄、上原浩治の4人であり、「400勝」の金田正一らは達成したことがない。

山本由伸(オリックス)

オリックスの山本由伸は9月24日の楽天戦に先発、8回を投げ、被安打7、9奪三振2失点と好投し、自身12連勝となる今季15勝目(5敗)を挙げた。

「勝利数」は同僚の宮城大弥、高橋光成(西武)を大きく引き離してトップを独走し、「防御率」も同僚の宮城を抑えてトップ、「奪三振」も2位の石川柊太(ソフトバンク)とダントツで水をあけてトップになっており、「投手4冠」はほぼ確実な状況だ。
残る「勝率一位」は、宮城が.786でトップだが、タイトルの条件が「最低13勝以上」であり、宮城はあと2勝以上しなければタイトル獲得の資格がない。
オリックスは残り20試合あり、中6日であれば二人ともあと3試合は先発予定だが、優勝争いの状況次第では先発があと1試合増えるかもしれない。

23歳の山本由伸が「投手5冠」となれば、二リーグ分立後、杉浦忠の24歳を抜いて、最年少での達成となる。

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柳裕也(中日)

中日の柳裕也は9月28日、巨人戦に先発登板し、8回、114球を投げ、5安打1失点、10奪三振、1四球の快投で、今季10勝目(5敗)を挙げた。
これで、「防御率」はトップを維持、ハーラーダービーでは青柳晃洋(阪神)の10勝に並び、トップの高橋優貴(巨人)の11勝に1勝差に迫った。
「奪三振数」では2位の戸郷翔征(巨人)を30個以上も引き離してトップ、「完封数」も、柳は2試合あり、完封1試合は8人の投手が記録しているが、あと2完封しない限り、柳を超えることは難しい。

「勝率一位」は現在、青柳が10勝4敗、勝率.714でトップだが、前述の通り、「勝率第一位投手」のタイトルの条件は、「最低13勝以上」となっている。従って、青柳もあと3勝しなければ、タイトルの資格がない。
高橋優貴はあと2勝すれば、資格を得る。

中日の残り試合はあと19試合で、柳は中6日であれば、あと最低3試合、先発の可能性がある。そうなると、「勝率第一位投手」のタイトルのためには、3戦全勝という厳しい条件となる。

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