石川雅規(ヤクルト)、通算500試合登板、史上3番目の高齢で達成

東京ヤクルトスワローズの左腕、プロ20年目の石川雅規がまたマイルストーンに到達した。

石川は10月3日、マツダスタジアムでの広島カープ戦に先発登板すると、5回まで無失点と抑える。
ここで試合成立となり、石川は通算500試合登板を達成した。
石川は1-0と1点リードの6回もマウンドに上がったが、広島打線に捕まり、5番・坂倉将吾にライト前へのタイムリー安打浴びて1点を失い、同点に追いつかれる。
なおも無死一、二塁のピンチとなったところで、石川は2番手の大西広樹にマウンドを譲ったが、大下が後続を断ち切り、同点のままイニングを終えたため、石川に勝ち負けはつかなかった。

石川の通算500試合登板は、NPB史上103人目の快挙であるが、41歳8か月での到達は、1988年の佐藤義則(オリックス)の44歳0か月、2007年の山本昌(中日)の41歳9か月に次ぎ、1949年の若林正志(阪神)の41歳8か月と並んで、史上3番目に高齢での達成となった。

また、石川はそのうち485試合で先発登板しており、これはNPB史上9位の大記録である。
303試合連続での先発登板は、三浦大輔の294試合を抜いて、セ・リーグ記録を更新中である(NPB記録は、山内新一(南海・阪神)の311試合)。

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石川は青山学院大学を経てプロ入りしているが、通算先発登板数485試合は大卒の投手としては断トツのトップである。
NPBで近年、寿命の長かった先発投手は、工藤公康、山本昌、三浦大輔が代表格だが、石川の全登板に占める先発登板の割合は97%と突出している。


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また、特筆すべきは、石川の「先発稼働率」である。
前述の工藤公康、山本昌、三浦大輔はいずれも、1シーズン平均の先発数が20試合を下回っているが、石川に至っては1シーズン平均の先発数が24.3試合と、プロ入り以降、毎年、先発ローテーションを守ってきたことがわかる。

また、石川はこれまで2942回1/3を投げており、これはNPB史上29位の記録だが、1試合平均5.90イニングを投げており、これも、石川よりも多い投球回数を投げて、上回っている投手は10人しかいない。

また、大卒の投手で、石川よりも多い投球回を記録しているのは、若林忠志(法政大学、3557回1/3)、村山実(関西大学、3050回1/3)、秋山登(明治大学、2993回)の4人しかおらず、NPB史上5位である。

石川は今季、2度の離脱はあったが、13試合に先発し、そのうちクオリティスタートを7試合、記録している。
4勝3敗ではあるが、勝利投手の権利を持ったまま降板し、勝ちが消えたケースが3度あった。また、援護点が3点以下の試合が10試合あった。
規定投球回数には及ばないが、71回2/3を投げて、防御率は2.13と抜群の安定感を誇る。

ヤクルトは今季、優勝争いをしているが、石川にはあと3試合程度、先発登板の可能性がありそうだ。
あと2試合先発すると、先発登板歴代8位の梶本隆夫(阪急)の487試合に並び、あと3試合に先発すると、歴代7位の三浦大輔(大洋・横浜・DeNA)の488試合に並ぶ。

石川は、名球会入りの条件である通算200勝まであと23勝と迫っており、達成すればNPB史上26人目(日米通算203勝の黒田博樹を含む)となる大記録なだけに、勝ち星に注目が集まりがちだが、石川が積み上げてきた「先発登板数」の記録は、「通算200勝」よりも価値があるといえる。

ただ、石川は個人記録もさることながら、まずは自身の投球で2015年に次いで自身2度目のリーグ優勝に貢献して、そして初の日本シリーズ制覇を目指したいところだ。




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