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旅のハイライトは朝ごはん。

午前9時。
まだ、町が本格的に賑わいだすより前の時間。

飲食店は数あれど、モーニング営業をしているお店は少ない。
港からほど近い場所にあるその店で、のんびりと朝ごはんを食べたくて宿を出た。

きのうの疲れが少し残ったままのからだ。
まだ、ちょっと眠い。

《特別な食事》というと、
夜の時間、つまり夕食のことを考える人は多い。
旅行での楽しみのひとつとして、ホテルや有名レストランでのディナーを挙げる人もいるだろう。

地元料理や創作料理、おしゃれな店内、はたまた気楽な居酒屋、
お肉お魚あれやこれ。
一日の終わりに、友人や家族らと語らいながら食べて飲む。
それはとても楽しい時間だ。だけど、

朝の時間を、静かに、ゆっくりと、特別に演出してくれる旅先での朝食が、私はお気に入りだったりする。


カフェのインテリアと、流れるBGM
卵を焼くときのじゅわわわ~という、あの音。
すべてが心をほぐしていき、きのう訪れた場所、感じたこと…
なにとはなしに窓の外を見つめて思い出す。

低血圧のせいか、朝からシャキシャキ動くのは苦手だ。
だからこんな風にひっそりとぼーっとできるカフェは、自分の味方のような気がしてうれしくなる。


一日の始まりである朝の時間は、その日の準備時間でもある。
着替えをすませ荷物を整理して、メイクをし、バスの時間を確認して…etc

非日常空間である旅先ではそういう日常的な煩わしさを一切放棄したいというのは私のワガママかもしれない。
しかし、バタバタしたくないものはしたくない。

今のこの特別な時間を噛みしめる。

非日常の空間の中でリラックスして過ごすのはとても贅沢なことだと思う。

いつもとちがう場所、”いつも”より遠い見知らぬ場所で、
いつもよりゆっくりと、ただ過ごす。

朝食が特別な時間となれば、その日一日がすばらしいものへと色づいていく気がする。

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