ビジネス書としてのマルクス

ある言論誌の廃刊を見て分かるように 雑誌を取り巻く状況が厳しい。

かつて噂の真相という反権力を標榜したラジカルな雑誌があった。自分が熱心な読者であったのは、丁度小林よしのり氏との対立が 激化した頃であったか。当時は発売日が楽しみで仕方がなかった。

しかしそれから数年後 噂の真相は 突如として 自主的に 業界から手を引いた。
これに関しては様々な憶測を呼んだ 訴訟案件が増えたこと 、あとネットの影響をいうものもいた 。
しかしそれは決して支配的な意見ではなかった。 それくらい 業界そのものが 取って代わられることは想像出来ないほど 盤石だったからだ。
余力があるなかで、この決断は時期尚早ではないか、というのが大方の見方ではなかったかと思う。

そして現在、答えが出た 。あれほど権勢を誇ったメディアが、ネット業界に 駆逐されオールドメディアと 称される ことなど 時期も含めて正確に予想しえたのはごく少数だろう。
つまり、噂の真相は最高の引き際だったわけだ。

資本主義を糾弾し続けたものが、資本主義をより知悉できるという逆説としての事例は、これが例外ではない。エスタブリッシュメントの中には学生運動の出身者というのは少なくないのだ。

敷衍すると、弱肉強食色がより強くなっていく現代社会の中で勝ち組になりたいのであれば、マルクスを読めということになりはしないだろうか。

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