ヴィム・ヴェンダース ~撮影ノオト~
ヴェンダースの写真展
「ベルリン・天使の歌」などで知られる映画監督のヴィム・ヴェンダースが、2006年、東京で写真展を開いた。妻である写真家のドナータとの2人展。「尾道への旅」と題され、京都から尾道に向かった2人が旅先で出会った人や風景を撮影したものだった。
ヴェンダースは70年代に「都市のアリス」「まわり道」「さすらい」の3部作を制作し、旅する人物、風景の移り変わりを映像化したロード・ムービーの先駆者ともいわれている。その意味ではこの写真展はロード・ピクチャーともいうべきものだろう。
ニュー・ジャーマンシネマの旗手として
私が最初に彼に会ったのは、1983年。ニュー・ジャーマンシネマの旗手3人のうちの一人として、ドイツ映画祭に招かれ来日した時だった。今ではすっかり巨匠の風貌になっているが、当時はまだ30代で、映画青年の面影を残していた。雑誌のインタヴューに淡々と答えるシャイな様相と、突然ジョークを語る茶目っ気が混在していた。
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