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去年の春。君とみた桜、


去年の3月。桜の開花は例年より早くて、4月にはほとんど散ってしまっていた。

3月の終わり、久しぶりに会えた好きな人とのご飯がすごく嬉しくて、2人して夜勤明けだったから顔も体も疲れ切っていたけど、話したいことがいっぱいの私はひたすら喋っていて、君はずっと相槌を打って優しい笑顔で話を聞いてくれていた。

食べ終わってからも帰りたくなくて、でも眠くて、でももっと話したくてずっと話していたら、察してくれたのかな、君は優しいからね、桜を見に行こうって言ってくれた。初めておんなじ車に乗って初めてのドライブ。そして、初めての好きな人との桜。
すっごく綺麗で、風に吹かれて散っていく花びらが本当に綺麗で、でも時間も桜も終わってほしくなくて、少しいや、とっても寂しかった。

去年の桜、すごく綺麗だったな。
写真を何度も何度も見返して。
来年、また一緒に行こうねって言ったよね、

今は去年よりも近い距離にいるはずなのに、一緒に行けそうもなくて。昨日、予定が合わないことが悲しくて寂しくて、次の休みに1人で行くからいい。なんて、そんなことを送ってしまった。

ほんとは一緒に行きたいのに。
ひとりで桜なんてみたら、泣いてしまいそうだよ。

しあわせ、なのにね

なんで、こんな気持ちになるんだろう。

好きでいてくれてるのにね、

でも多分、私のほうがすきだよね。


来年こそは一緒にみたい、なんて言ったら重いかな。去年の約束は忘れちゃったかな。


近いのに遠いな、



桜、一緒にみたかったよ。


本当は少し、寂しいよ。




去年の春。君とみた桜、



“またいつか行けたらいいね”



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