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ホルモンの基礎を知りたいです。E2? P4?って?

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■まずはホルモンの流れを確認しましょう

ホルモン(note)

脳の視床下部から「❶Gn-RH」が分泌され、その刺激で脳下垂体から「❷FSH」と「❸LH」のホルモンが分泌されます。
それらのホルモンの指令を受けて、卵巣から「❹E2」と「❺P4」が分泌されます。
「❹E2」と「❺P4」の分泌状況を脳へフィードバックすることで、司令塔となる「❶~❸」の分泌を調整しています。

次に一つずつ、ホルモンをみていきましょう。


■Gn-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)とは

ホルモン(Gn-RH) (1)

Gn-RHは卵巣のE2、P4の分泌状況に応じて、脳下垂体のFSH、LHの生産・分泌を促進します。
体外受精では、Gn-RHをコントロールして卵子を育てたり、排卵を促したりすることがあります。


■FSH(卵胞刺激ホルモン)とは

ホルモン(FSH) (3)

FSHは卵子を育てる司令塔の働きをしています。
卵巣の状態によりホルモン分泌が変化するので、卵巣機能もわかります。


■LH(黄体化ホルモン)とは

ホルモン(LH) (3)

LHは卵子が発育してE2が上昇し、いよいよ排卵となる時に分泌されるホルモンです。
いわゆる「排卵チェッカー」で調べるホルモンです。
スパイク状にホルモンが動く(LHサージ)ことで、卵子を包んでいる卵胞が破れて排卵がおこります。


■E2(卵胞ホルモン/エストロゲン)とは

ホルモン(E2) (6)

E2は卵子が入っている袋(卵胞)から出てくるホルモンです。最初は低く、卵胞が発育するにつれて上昇します。
頸管(子宮の出口)粘液を増やして精子の受け入れ体制を整え、
子宮内膜を厚くして受精した卵子が着床できるように準備します。


■P4とは(黄体ホルモン/プロゲステロン)

ホルモン(P4) (7)

排卵後の抜け殻になった卵胞が黄体になりP4を分泌します。
基礎体温を上昇させ高温期を作ったり、
子宮内膜を厚くふかふかにして着床しやすいように準備したり、
妊娠を維持したりする働きがあります。


■補足

月経周期は、卵子の発育時期に応じて
・基礎体温の低温期にあたる卵胞期
・低温期から高温期に移行する排卵期
・高温期の黄体期
に分けられます。
ホルモンは月経周期に応じて分泌されるものが異なるので
その時期にあわせて検査をしています。

■最後に

ホルモンはいろいろな呼び方、表記があるため混乱しやすいと思います。

当院で日ごろよく採血する項目は、この「E2、LH、FSH、P4」ですので、通院して少しずつ聞き慣れていくと思います。

分からなければご遠慮なく聞いてくださいね。

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