終活ブームに潜む危険・生前と事情が変わる可能性 お墓編その29
生前にお墓を買うことの意味。
筆者は、必ずしも生前に「お墓」を用意する必要は無いと思っております。
経験上、生前に用意しても人生事情が変わることがしばしばあるからです。
簡単な例ですと、
●離婚する
⇒夫婦で建立者の名前を刻んでいた。
⇒自分の姓が変わってしまった。
●引越しをする(介護施設等への入居)
⇒お参りしやすいと思っていたが、そうではなくなる。
⇒お金が必要になっても「お墓」は売れない。
単純な話なんですが、案外生前に購入された方には今の生活が続くと考えらている方が多いと実感してました。
また、石材店もそのような可能性を前もって説明しません。
実際、お客様を前に離婚の可能性や引っ越しの可能性を言えるわけもないですが、過去にそこそこ実例はありました。
その一例として、
1、息子さんの「お墓」を契約されたのですが、ご本人が倒れて救急搬送されその後音信不通となった方。
⇒御身内の方とも連絡もとれず工事未施工でそのままで終わりました。
2、夫婦で「お墓」を購入された後に、離婚され購入者のお母様から自分が入る「お墓」に嫁の名があるのが気に食わないから、消してと相談をされたこともあります。
⇒刻んだ文字は消せないので数十万かけて交換となりました。
健康寿命と平均寿命の間には、長くて10年程度の期間があります。
元気なうちこそ、「お墓」のことを考えるより人生を楽しむことにお金はつかったほうが良いと考えてます。
終活とは、終わりを準備するのではなく自分の事を覚えていてくれる人を増やす、思い出作りをすることと筆者は考えております。
石材店の「限定、今だけ、ここには霊園は出来ません」などの甘い勧誘に乗らないようにしましょう。
(ただ生前に「お墓」作り自体が思い出というならお止め致しません)
いつもの一言。
「お墓を生前に買うなら、生きてるうちに思い出をつくりましょう。」
大切な人との時間は「お墓」を買っても得られません。
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