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フレディ・マーキュリーが気になる理由

先週は3連休だったので『QUEEN50周年展 -DON'T STOP ME NOW-』に出かけた。
連日、遅くまで仕事をしているので、休日は疲れていて、いつも出かける気になれなかった。
持ち帰った仕事をこなしながら、それでもこの展覧会には行きたかった。

私はクイーンのファンとは言い難い。
でもフレディ・マーキュリーは、とても気になる存在だった。
ボーカリストとしての彼もだが、彼のルックスというか、ピアノを弾きながら歌う姿が好きなのだ。
スポーツ選手のような姿で、汗だくになりながらピアノを奏でる姿と透明な声。
気がつくと息を止めて彼の姿に見入っている。
何度も見て目に焼きついている映像なのに、いつも目が離せなくなる。

彼は人を惹きつける絶対的な魅力がある。
世界中にファンがいるのだから当然のことだとも思う。
ただ、今回の展覧会を見ても、配布されていた『QUEEN TIMES』を隅から隅まで読んでも、私の感じている魅力について、書かれていないような気がした。

彼の魅力は、アンバランスさのような気がする。
外観と内面、そして所作が、どこか噛み合っていないように、私は感じるのだ。
あの衣装でピアノを弾く姿に、あの歌声に、意外性を感じるのは私だけだろうか。
パフォーマンスは力強いけれど、所作はソフトで品がよく、繊細で紳士的だ。
類がないと言うのか、他の誰とも似ていない。
不思議な魅力だなあといつも思う。
彼の歌は聴くのではなく観るものだ。

会場のスクリーンには、何度、いや何十回も見た『ライブ・エイド』の映像が流れていた。
やっぱり目が離せなくなって立ち去り難い。
ずっと見ていたいと思ってしまう。

『ボヘミアン・ラプソディ』を発売前に聞いたエルトン・ジョンが「奇妙すぎる」と言ったらしいが、この奇妙という言葉、私はこの曲だけでなくフレディにも当てはまると思う。
彼のステージ衣装もかなり奇妙だ。
なぜこのスタイルなのか?
誰が選んだんだろう?
スタイリストはいないんだろうか?
似合っているのかさえ、まったく判らない。
彼のセンスはどうなっているのかと不思議に思いながらも、ステージに引き込まれていく。
彼のパフォーマンスは圧倒的で思考停止状態になり、さまざまな問いは吹き飛ばさされてしまう。

会場を出てからも、しばしその状態は続く。
自分が何を考え、何を感じているのか、わからなくなる。

『QUEEN TIMES』


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