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こんにちは。エムエムです。 長い年月の間、創作から離れていました。 最近、また書きたい…

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こんにちは。エムエムです。 長い年月の間、創作から離れていました。 最近、また書きたいと思うことが増えてきて、noteを始めることにしました。 日々のあれこれを綴りながら、物語の続きをまた書きたいと思っています。

マガジン

  • Book review

    過去に書いた書評を順に公開していきます。 私自身、何冊分あるのか把握できていないので、ファイリングするつもりでやっています。 過去20年分、いや、もっと以前のものもあるかもしれません… 書いたことさえ忘れているものや、掲載誌だけでテキストデーターが見当たらないものもありそうなので、少しづつまとめていけたらいいなと思っています。 こんなことなら、データーをきちんとまとめておけばよかったと反省しきりです。

  • 日々のあれこれ

    何気ない日常のひとこまを、言葉にできればと思っています。

  • about books

    本に関わること、 読んだ本の感想や、気になる本、内容だけでなく、挿絵、装丁も含めて、etc.;

  • ヒヤシンス・プロジェクト

    毎週金曜日の17:00に配信される番組『OVER THE SUN』のプロジェクト記録です。 全世界のリスナーがヒヤシンス栽培にチャレンジ中!

  • diary

    なんでもないコトを、気が向くままに。

最近の記事

自分に正直でありたい

『ウソがいっぱい』 丘修三・作 ささめやゆき・画 くもん出版 「自分にウソをつかない、ってどういうこと?」  もし誰かにそう訊かれたら、私は迷わずこの本を差し出そうと思っている。今後、どれほど年齢を重ねても、こんな難しい質問に私はこたえられないし、またこの本以上に上手く伝える自信もないからだ。  ぼく(リュウ)は、毎日、ついウソをついてお母さんに怒られている。「ウソつきはドロボーのはじまり」とお母さんはよくいうけれど、それが本当なら、ぼくはもうとっくにドロボーになっている

    • 未来はあてにならない  book review

      『ガツン!』 ニック・ホーンビィ・作 森田義信・訳 福音館書店  本書の著者、ニック・ホーンビィをご存知だろうか? 『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』と聞けば、ああ、あの、と思い当たる人も多いと思う。イギリスのベストセラー作家で、彼の作品はいくつも映画化された。そのホーンビィの若者に向けた小説が出ると知って、発売前から楽しみにしていた。彼の小説はポップで、それは装丁にも表れていた。片手で持って読んでも疲れない。この軽さがいい。  この物語はティーンエイジャーの

      • ピート・ハミルのこと

         何時だったか、朝日新聞の土曜版『be』のコラムに、ピート・ハミルの写真が掲載されていた。2007年の写真で、背後にはニューヨークの『グランド・ゼロ』が写っていた。 コラムの著者は山田洋次監督だった。 彼は『オッペンハイマー』の映画を見て、ピート・ハミルを思い出したそうだ。 この映画は話題になっていたので、私もあらすじ程度に知っていた。 ただ、双方の接点がわからなかった。 ピート・ハミルとオッペンハイマー? もっともコラムを読めば、なるほどと思わなくもないのだけれど… 山田

        • いい夢が見られるまで  book review

          『ひみつの犬』 岩瀬成子・作 岩崎書店  大人と子どもは一体何が違うのか? 生きてきた年月だけの違いだろうか? 私の周りには子どものような大人もいる。彼らの言動を見聞きしていると、自分の感情がコントロール出来ないようだ。逆に大人みたいだと感じる時、その子は妙に冷静だったりする。気分の上下は誰にもあるし、機嫌が悪くても構わない。ただその感情の責任は自身が負うべきで、それが大人だとも思うのだが…。  ペット禁止のマンションで、細田君は犬を飼っている。彼は羽美の住むマンションに

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          43本
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          7本

        記事

          ふたりの関係  book review

          『かげろうのむこうで 翔の四季 夏』 斉藤 洋・作 偕成社  偶然が二度重なることがあると、それは必然だと何かで読んだ。翔とトラウム、ふたりの出会いもそうだと思う。  近所の公園で、翔はおじさんとかっこいい犬、ジャーマン・シェパードを見かける。それがトラウムとその飼主、高宮さんだった。  二度目は買い物の途中で行き合って、一緒に帰った。お互いの家は近かった。  後日、翔は高宮さんからトラウムの散歩を頼まれる。あんな犬が家にいたらいいなと、密かに思っていた。翔の自宅マン

          ふたりの関係  book review

          ネコの探し方  book review

          『夏に、ネコをさがして』 西田俊也・作 徳間書店  行方不明のネコはどうやって探すのか? 祖母のネコ、テンちゃんを探す物語だ。  夏休み、六年生の佳斗は両親と一緒に生前、祖母が住んでいた家に引っ越してきた。祖母の死は突然だったけれど、同居は去年から話題に上がっていた。両親は佳斗が中学に入る頃を考えていたが、少し早まった。  もともとノラネコだったテンちゃんは、祖母がエサをやり、外と家の中を自由に行き来するようになった。祖母亡き後は、仕事帰りお母さんがエサやりに通っていた。

          ネコの探し方  book review

          伝えること、自分を知ること  book review

          『13の理由』 ジェイ・アッシャー・作 武富博子・訳 講談社 『アメリカのベストセラー問題小説が上陸!』  こう帯に書かれていた。11カ国で、すでに翻訳も決定している。私も発売前から知っていた。おそらく書店で見かけた人も多いと思う。  私は、装丁に驚いた。このカバーの写真……。人間の顔は角度が違うだけでこうも怖いのか……。もう少し正確に言うと、表紙の写真は少女が草の上に寝ている顔のアップだった。眠っているわけではない。正面から見ると顔は横を向いている。頭部だけが地面に、ご

          伝えること、自分を知ること  book review

          遺失物管理所 about books no.5

          地下鉄に傘を置き忘れたかもしれない。 会社を出る時になって気づいた。 自宅を出る時はどうだっただろう? 持って出なかったのかもしれない…。 正直なところ、忘れたかどうかも怪しかった。 コンパクトな黒い傘で、100グラムほどの軽さ、雨晴兼用、数年前にコンビニで限定販売されたものだ。 雨の日はさほど役立たないけれど、晴れた日は必要った。 もしまだ店頭に同じもがあれば、また買うかもしれない。 私にとって軽さは貴重だった。 翌朝、地下鉄の改札で尋ねてみると、私の乗り降りする駅に『お

          遺失物管理所 about books no.5

          犬のことを考えている  book review

          『チェスターとガス』 ケイミー・マガヴァン・作 西本かおる・訳 小峰書店  犬は飼い主を選べない。でも、もし犬が飼い主を、パートナーを選べるとしたら?  この物語を読んでから、私は犬のことが気になるようになった。チェスターは、私が今まで知っていた犬と違うように感じたせいかもしれない。犬は飼主に、パートナーにこれほど尽くそうとするものだろうか?  いや、違う。そもそも私は犬の飼主になったことはない。幼少期から犬は側にいたけれど、飼主は父だった。彼らはいつも父を待っていたし、

          犬のことを考えている  book review

          ある視点 オオカミの選択  book review

          『パップという名の犬』 ジル・ルイス・作 さくまゆみこ・訳 評論社  犬は人とともに生活するようになった最古の動物といわれている。どういった経緯でオオカミから分かれ、犬になったのか?  冒頭、ひとつの仮説が示される。  犬の世界には、母犬が生まれた子犬たちに必ず聞かせる物語があるという。それは犬の歴史そのもので、著者の視点でもある。  かつて人間とオオカミは対等で、争いもなくおたがいが敬遠していた。氷河期になると獲物が不足して争いが起きるが、両者は生き延びるため力を合わせ乗

          ある視点 オオカミの選択  book review

          わたしでいること  book review

          『イルカの歌』 カレン・ヘス・著 金原瑞人・訳 白水社  人はなぜ話すのか。なぜ笑うのか。なぜうれしいのか。よろこびや悲しみを、なぜ感じるのか。いつのまにか読みながら、そんなことを考えていた。  キューバ沖の孤島で野生児が発見された。飛行機事故で行方不明になって、以来14年間イルカに育てられた少女が、沿岸警備隊に保護され人間の世界に戻ってきた。(正確には捕らえられたと言うべきだろう)  彼女はミラと名付けられ、研究のため、また人間に戻るために、ベック教授やその助手のサン

          わたしでいること  book review

          ポール・オースターのこと

          今朝の朝刊でポール・オースターの訃報を知った。 この記事で私は彼の年齢を初めて知った。 ニューヨークの自宅で死去と書かれていた。 彼の居る場所はニューヨーク以外に考えられないほど、私の中で彼とニューヨークは同じ景色の中にあった。 『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』は、何度となく手に取った本だ。 特にその中のひとつは、ことあるごとに読み返した。 生活のすべてを手放し、テント生活を始めた女性の物語だった。 彼女のもとに猫は訪れただろうか? うちの猫を見るたび、そんなことを

          ポール・オースターのこと

          友情物語の続編  book review

          『ルーム・ルーム』 コルビー・ロドースキー・作 金原瑞人・訳 長崎訓子・絵 金の星社  失ったモノが大きくて、閉じてしまった心が、ゆっくりと開いてゆく。そんな物語だった。  たった一人の家族、母のアルシーアを病気で亡くしたリビィ(小学校の五年生)は、母の学生時代の友人、ジェシー・バーンズと暮らすことになった。  弁護士のフレッドさんに連れられ、ニューヨークからメリーランド州、ボルチモアにやってくる。面識もなく、生前の母の口から名前も聞いたことのない人と、これから一緒に暮

          友情物語の続編  book review

          1冊の本に書けること  book review

          『HOOT』 カール・ハイアセン・作 千葉茂樹・訳 理論社  すべてのパズルのピースが、あるべき場所にピタリとおさまったような読後感だった。その隙のなさも嫌味がなく爽快だった。とにかく中味が詰まっている。ミステリー、自然保護、金と政治、友達、親子、学校関係に至るまで、それに加え少年の日の澄んだ世界と冒険までもが描かれている。一人の少年の、成長物語としても読めると思う。  舞台になったのは、フロリダ州のココナッツコープ。主人公の少年ロイは、モンタナから引っ越してきたばかり。

          1冊の本に書けること  book review

          大人の行為と存在  book review

          『あの空の下で』 フランシスコ・ヒメネス・著 千葉 茂樹・訳 小峰書店 2005  メキシコからの移民労働者家族を描いた物語だ。前作『この道のむこうに』の続編で、主人公の少年パンチートは著者自身でもある。  パンチート、兄ロベルト、両親の四人家族は、学校もないようなメキシコの小さな村から貧しさを逃れるため、アメリカのカリフォルニアにやってくる。国境警備隊の目を逃れ有刺鉄線をもぐっての不法入国だ。以来、彼らは十年間、作物の収穫の時期に追われるよう移民労働者たちと共にカリフォ

          大人の行為と存在  book review

          『老舗ミニシアター 第二章へ着々』 no.5

          先月半ばにオープンしたばかりの『ナゴヤキネマ・ノイ』に行ってきた。 ドキュメンタリー『その鼓動に耳をあてよ』は、夕方からの上映だった。 自ら選ばない類の作品だけど、オープニングにここが選んだ作品なので楽しみでもあった。 『シネマテーク』が閉館してから、このビルに来たのははじめてだ。 何も変わってないことに些か驚きながら、まあこのビルはそうだよねと、ひとり頷きながら階段を上がる。 ニューオープンと言うべきか、リニューアルの言葉が当てはまるのか、入口には『ナゴヤキネマ・ノイ』の

          『老舗ミニシアター 第二章へ着々』 no.5