mm(エムエム)

こんにちは。エムエムです。 長い年月の間、創作から離れていました。 最近、また書きたいと思うことが増えてきて、noteを始めることにしました。 日々のあれこれを綴りながら、物語の続きをまた書きたいと思っています。

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マガジン

  • about books

    本に関わること、 読んだ本の感想や、気になる本、内容だけでなく、挿絵、装丁も含めて、etc.;

  • Book review

    過去に書いた書評を順に公開していきます。 私自身、何冊分あるのか把握できていないので、ファイリングするつもりでやっています。 過去20年分、いや、もっと以前のものもあるかもしれません… 書いたことさえ忘れているものや、掲載誌だけでテキストデーターが見当たらないものもありそうなので、少しづつまとめていけたらいいなと思っています。 こんなことなら、データーをきちんとまとめておけばよかったと反省しきりです。

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    何気ない日常のひとこまを、言葉にできればと思っています。

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    毎週金曜日の17:00に配信される番組『OVER THE SUN』のプロジェクト記録です。 全世界のリスナーがヒヤシンス栽培にチャレンジ中!

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    なんでもないコトを、気が向くままに。

最近の記事

『建モノがたり』 about books no.6

 仕事から戻ると、玄関のシューズボックスの上に私宛の封筒があった。何かを購入した記憶がなく、何だろう? と、裏を見ると送り元は朝日新聞のメディアプロダクションだった…  そう言えば少し前に『建モノがたり』が書籍化されたのを同タイトルのポッドキャスト番組で知った。その流れで概要欄からこの本のプレゼント企画に応募したのだ。まさか送られてくるとは思っていないかったので、すっかり忘れていた。  あらためて書籍を手に取ると、感慨深いものがあった。私はこの一連の連載をスタート前から知っ

    • 出て行った二人のこと  book review

      『父さんが帰らない町で』 キース・グレイ・作 野沢佳織・訳 金子恵・絵 徳間書店 2020  同じテキサスが舞台で、キンバリー・ウィリス・ホルトの著作『ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日』を思い出した。夏休みのある日、退屈な田舎町に青いサンダーバードが現れる。派手なイルミネーションで飾られたトレーラーを引いて。そこには世界一太った少年が乗っている。一種の見せ物小屋だった。一九七一年の出来事。  本書に登場するのは移動カーニバルだ。一九二二年の夏、テキサス州東部の田舎町ラン

      • ストリートの光と陰  book review

        『オン・ザ・カム・アップ』 アンジー・トーマス・作 服部理佳・訳 岩崎書店 2020  ラッパーを夢みる十六歳、ブリアンナ(通称ブリ)の物語だ。八歳の時、彼女はナズのイルマティックを聞いて人生が変わった。  八歳の少女が? 驚きだった。ナズは自身が育った環境をストレートに歌っている。ゲットーは『黒いネズミが大量に閉じ込められている迷路のような建物』で、死、ドラッグ、銃、刑務所などの悪循環が日常に組み込まれている。リリースは一九九四年。彼が二十歳の時。当時と、ブリの環境が似

        • 続きの始まり  book review

          『12歳で死んだあの子は』 西田俊也・作 徳間書店 2019  普段は忘れている。でも何かの拍子に思い出し、妙に落ち着かなくなる。こんな気持ちは確かにある。なかったことに出来ない。  小学校六年生の時、同じクラスの鈴元は卒業を待たず死んでしまった。白血病だった。  二年後の同窓会で、洋詩は彼を思い出す。五、六年生のクラスに特に仲のいい友達はいなかった。理由があって一人でいることが多かった。今も特定の友達は作らず、誰とも同じような距離で付き合うことにしている。  同窓会

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          今はもうないもの  book review

          『ペーターという名のオオカミ』 那須田 淳・作 小峰書店 2003  ベルリンの壁崩壊を私はテレビで知った。CNNのニュースだったと思う。 その頃、私はルームメイトと二人でNYのダウンダウンに住んでいた。1989年で11月だった事を、この本を読んであらためて知ったような気がした。あれから16年が過ぎた。  16年の月日が長いのか短いのかはわからない。ただ、そのとき生まれた子どもは16歳になっている。  かつてその場所にあったもの、国土と国民を二つに分けていたもの、その存

          今はもうないもの  book review

          『宇野亜喜良展』を観る

          宇野亜喜良という名前を知ったのは、私が学生の頃だった。 おそらくもっと前から、彼のイラストは目にしていたし、身近にあったような気がする。 ただ彼の仕事を意識して見るようになったは、やはり学生の頃だった。 当時、私は彼の画風がビアズリーにどこか似ていると感じていて、彼の絵が記憶にとどまり続けるのは、おそらくそのせいだと思っている。 私の祖母の家の玄関にはビアズリーの大きな絵が飾られていて、物心が付いた時から、私はよく眺めていた。 『サロメ』だと知ったのはずっと後のことで、そ

          『宇野亜喜良展』を観る

          悲しみを抱きしめて  book review

          『さいごのゆうれい』 斉藤 倫・作 西村ツチカ・画 福音館書店  悲しみがある人生とない人生、あなたはどちらを選ぶ?  不意に問われたら、どう答えるだろう?  これは人々が忘れてしまった悲しみを、思い出すまでの物語だ。  夏休み、小五のハジメは、田舎のおばあちゃんの家に行くことになった。お父さんは製薬会社で薬の開発をしている。お母さんは幼い頃に亡くなり、覚えていない。おばあちゃんの家はお母さんの実家。  乗り気ではなかった田舎行きだけれど、近くに空港ができたと聞いて一変

          悲しみを抱きしめて  book review

          自分に正直でありたい  book review

          『ウソがいっぱい』 丘修三・作 ささめやゆき・画 くもん出版 「自分にウソをつかない、ってどういうこと?」  もし誰かにそう訊かれたら、私は迷わずこの本を差し出そうと思っている。今後、どれほど年齢を重ねても、こんな難しい質問に私はこたえられないし、またこの本以上に上手く伝える自信もないからだ。  ぼく(リュウ)は、毎日、ついウソをついてお母さんに怒られている。「ウソつきはドロボーのはじまり」とお母さんはよくいうけれど、それが本当なら、ぼくはもうとっくにドロボーになっている

          自分に正直でありたい  book review

          未来はあてにならない  book review

          『ガツン!』 ニック・ホーンビィ・作 森田義信・訳 福音館書店  本書の著者、ニック・ホーンビィをご存知だろうか? 『ハイ・フィデリティ』『アバウト・ア・ボーイ』と聞けば、ああ、あの、と思い当たる人も多いと思う。イギリスのベストセラー作家で、彼の作品はいくつも映画化された。そのホーンビィの若者に向けた小説が出ると知って、発売前から楽しみにしていた。彼の小説はポップで、それは装丁にも表れていた。片手で持って読んでも疲れない。この軽さがいい。  この物語はティーンエイジャーの

          未来はあてにならない  book review

          ピート・ハミルのこと

           何時だったか、朝日新聞の土曜版『be』のコラムに、ピート・ハミルの写真が掲載されていた。2007年の写真で、背後にはニューヨークの『グランド・ゼロ』が写っていた。 コラムの著者は山田洋次監督だった。 彼は『オッペンハイマー』の映画を見て、ピート・ハミルを思い出したそうだ。 この映画は話題になっていたので、私もあらすじ程度に知っていた。 ただ、双方の接点がわからなかった。 ピート・ハミルとオッペンハイマー? もっともコラムを読めば、なるほどと思わなくもないのだけれど… 山田

          ピート・ハミルのこと

          いい夢が見られるまで  book review

          『ひみつの犬』 岩瀬成子・作 岩崎書店  大人と子どもは一体何が違うのか? 生きてきた年月だけの違いだろうか? 私の周りには子どものような大人もいる。彼らの言動を見聞きしていると、自分の感情がコントロール出来ないようだ。逆に大人みたいだと感じる時、その子は妙に冷静だったりする。気分の上下は誰にもあるし、機嫌が悪くても構わない。ただその感情の責任は自身が負うべきで、それが大人だとも思うのだが…。  ペット禁止のマンションで、細田君は犬を飼っている。彼は羽美の住むマンションに

          いい夢が見られるまで  book review

          ふたりの関係  book review

          『かげろうのむこうで 翔の四季 夏』 斉藤 洋・作 偕成社  偶然が二度重なることがあると、それは必然だと何かで読んだ。翔とトラウム、ふたりの出会いもそうだと思う。  近所の公園で、翔はおじさんとかっこいい犬、ジャーマン・シェパードを見かける。それがトラウムとその飼主、高宮さんだった。  二度目は買い物の途中で行き合って、一緒に帰った。お互いの家は近かった。  後日、翔は高宮さんからトラウムの散歩を頼まれる。あんな犬が家にいたらいいなと、密かに思っていた。翔の自宅マン

          ふたりの関係  book review

          ネコの探し方  book review

          『夏に、ネコをさがして』 西田俊也・作 徳間書店  行方不明のネコはどうやって探すのか? 祖母のネコ、テンちゃんを探す物語だ。  夏休み、六年生の佳斗は両親と一緒に生前、祖母が住んでいた家に引っ越してきた。祖母の死は突然だったけれど、同居は去年から話題に上がっていた。両親は佳斗が中学に入る頃を考えていたが、少し早まった。  もともとノラネコだったテンちゃんは、祖母がエサをやり、外と家の中を自由に行き来するようになった。祖母亡き後は、仕事帰りお母さんがエサやりに通っていた。

          ネコの探し方  book review

          伝えること、自分を知ること  book review

          『13の理由』 ジェイ・アッシャー・作 武富博子・訳 講談社 『アメリカのベストセラー問題小説が上陸!』  こう帯に書かれていた。11カ国で、すでに翻訳も決定している。私も発売前から知っていた。おそらく書店で見かけた人も多いと思う。  私は、装丁に驚いた。このカバーの写真……。人間の顔は角度が違うだけでこうも怖いのか……。もう少し正確に言うと、表紙の写真は少女が草の上に寝ている顔のアップだった。眠っているわけではない。正面から見ると顔は横を向いている。頭部だけが地面に、ご

          伝えること、自分を知ること  book review

          遺失物管理所 about books no.5

          地下鉄に傘を置き忘れたかもしれない。 会社を出る時になって気づいた。 自宅を出る時はどうだっただろう? 持って出なかったのかもしれない…。 正直なところ、忘れたかどうかも怪しかった。 コンパクトな黒い傘で、100グラムほどの軽さ、雨晴兼用、数年前にコンビニで限定販売されたものだ。 雨の日はさほど役立たないけれど、晴れた日は必要った。 もしまだ店頭に同じもがあれば、また買うかもしれない。 私にとって軽さは貴重だった。 翌朝、地下鉄の改札で尋ねてみると、私の乗り降りする駅に『お

          遺失物管理所 about books no.5

          犬のことを考えている  book review

          『チェスターとガス』 ケイミー・マガヴァン・作 西本かおる・訳 小峰書店  犬は飼い主を選べない。でも、もし犬が飼い主を、パートナーを選べるとしたら?  この物語を読んでから、私は犬のことが気になるようになった。チェスターは、私が今まで知っていた犬と違うように感じたせいかもしれない。犬は飼主に、パートナーにこれほど尽くそうとするものだろうか?  いや、違う。そもそも私は犬の飼主になったことはない。幼少期から犬は側にいたけれど、飼主は父だった。彼らはいつも父を待っていたし、

          犬のことを考えている  book review