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ゆるふわ的足立康史論 2024冬

こんにちは、海原雄山です。

今回は、年末年始SNS上で色々と注目を浴びた足立康史衆議院議員についてて、考えられることをnoteにまとめておこうと思います。

実は、代表選のときにも足立康史衆議院議員をテーマにしてnoteの記事を書いたことがあります。(以下参照)

ですが、1年以上経ってアップデートしてきたこともありますので、2024年冬バージョンとして受け止めていただければと思います。

なお、足立康史衆議院議員について論じたブログ記事として、X(旧Twitter)のFF関係である小ライス氏の記事が有名だったりします。


また、足立康史衆議院議員を敬愛するむさしまる氏のnoteも興味深いものがあります。

これらの素晴らしい先行文献があるにも関わらず、当方が今改めて足立康史衆議院議員について語る意義はあるのかとお思いの読者の方もいらっしゃるかと思いますが、当方なりに新たな観点からお話を書かせていただこうと思います。


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足立康史はある意味で橋下徹の後継者!?

さて、足立康史衆議院議員(以下「足立氏」)ですが、主張だけ見ると、日本維新の会の創始者の1人とも言える橋下徹氏の主張と被るものが多いです。

特に、今まさに話題となっている政策活動費をはじめとした、政治と金を巡る考え方についてはかなり一致している部分は多いです。(旧文通費については必ずしも同一と言うわけではなさそうですが・・・)

基本的に、「公平・公正」「情報公開・透明化」という考え方を原則においている点では一致しており、政策活動費の使途等をオープンにすることを求めているようです。

一方、松井前代表をはじめとして、もとより政治家のキャリアが長い方々からは、一定使途を秘匿することを是としています。

これはこれで理があって、例えば、コンサルに調査を依頼した場合、誰に依頼をかけたのか、どれくらいの金額なのかという部分をオープンにすると、こちらの手の打ちが見えてしまったりということもありますが、コンサル側にとってもどれくらいの金額で仕事を引き受けているのかがバレてしまうという商慣習上よろしくない事態も起こり得るのです。(下記ブログ参考)

そのため、公開するにしてもマスキング等を行うことで、一定の情報機密性を保持していく必要があるので、今後このような今までの運用の見直しがなされることが期待されます。

政策活動費がどのような扱いになるのか、それがどういう結論であれ、足立氏の考えの基軸には橋下氏と重なる部分があるのは確か。実際足立氏は、過去に橋下氏のオンラインサロン会員でしたので、その影響は大きく受けているものと考えられます。

なのになぜ諍いが絶えないのか?

しかし、足立氏がリスペクトしている橋下氏や、前代表の松井氏との諍いがことあるごとに勃発するのかということですが、私のnoteを読んでくれている方々ならもうご存知のように、「いらない一言が多い」に尽きると思います。

私は、足立氏の主張の全てではないにしろ、共感する部分が多く、足立氏の発言には注目しています。(と言っても、足立さんの熱心な支持者のみなさん程に一言一句追っているわけではないですが・・・)

SNS上でもかなりいいこと書いていて、こちらも勉強になることが多いです。

なのに、なぜ炎上してはヘイトを買うことになるのか、それは、「いらない一言」が多いのです。

この「いらない一言」には、2つの面があります。

内容面の話

1つは、内容面の話。言葉遣いという

党組織の体質に問題があるならそこにのみ言及すればいいのに、なぜそこに松井前代表を絡めるのか。

前代表であり組織の責任を負う立場であったので、松井氏の責任を問うという理屈は一定納得のいくものですが、仮にも自分が所属している党の代表を務めていた人物。いわば上司にあたる人物です。

別に前代表の言うことをすべて追従しろというつもりもないし、上司が間違っていたら諫めることも部下の仕事です。なので、批判すべきことは批判すればいいと思います。

ですが、どうも世の中の受け止めはそういう風には見えないみたいです。以下代表的なツイート。
(小ライスさん、勝手に引用しちゃった。ごめんね。)

どうも、松井氏に対する個人的な感情が混ざっているように見えてしまっているようです。

ちなみに元ツイはこちら。

この例で言うと、政党オーナーは、えてして「誰のおかげで当選できたのか分かってるんか?」と公認権を盾に圧力をかけがち(前代表は、その傾向が強かった)の()の部分は要らんでしょ。

公認権を盾に圧力をかけるというのはどういう事象を指しているのか、またその是非についてはここでは論じるつもりはありませんが、上記の()の部分は、松井氏個人へ向けられたものであり、政党オーナーの性質一般への問題意識を記すだけなら要らない一言であったと思います。

この一言を入れることで、せっかく政党の在り方についての素晴らしい意見も、途端に個人同士の感情的な諍いに堕してしまうのがもったいないと言えます。

「いや、それは必要な一言なのだ。松井氏個人への問題提議だ。自分はハラスメントを受けた。」というならば、粛々と訴訟でも何でもされれば良いと思いますが、そういうことでもないなら、いちいち書く話なのかと思います。ブレるんです。

これに限らず過去(すでに削除されたポスト・ツイートを含め)いくつかの松井氏等に対して、失言(人によっては、必要な批判と捉える人もいるでしょうが、私はあえてこう書いておきます)で虎の尾を踏むことで、しなくていい喧嘩をしては、大いにヘイトを買ってしまうことがしばしばありました。私がTwitterを始めて2年半程で何回か見ているので、過去にさかのぼればもっとあるかもしれません。

松井氏はいわば維新の生みの親とも言え、さらには大阪府知事や大阪市長を長く勤めてきて大阪のQOLを底上げしてきた立役者なので、松井氏を慕う有権者は多くいますし、また、党内にも松井氏の人柄を慕っている議員は多くいます。

そこを踏まえて、接し方を考えなければ、松井氏を慕う人たちから猛烈なヘイトを買うことは避けられないでしょう。

逆にあえて松井氏に刃を向けることであえて炎上を狙って議論に注目してもらう戦略なのかもしれませんが、その戦略をするにはやや対象がずれてるように思います。

この手の炎上マーケティングがうまいのは、他ならぬ橋下氏なのですが、橋下氏の場合は、その火をつける先が、既得権たる団体であったり中央省庁であったりするわけです。一番の代表例が、「クソ教育委員会」発言でしたね。

あれはあれで非常にセンセーショナルなものだったりもするし実際一部から強烈な橋下ヘイトを買う一因となったのですが、多くの大衆の関心を惹きつけ、大阪府知事、大阪市長という首長として改革を行うための議論を優位に進めていくのに役に立ったものではありました。

しかし、足立氏の炎上マーケティング(だとすればそれ)は、政党の内側に向けられることが多いのです。

党内の改革について、考えは頷けますが、党内世論を喚起しようとして橋下氏の手法を真似しても(真似しようとしたかどうかはわかりませんが、仮にそうとして)、自党に向けられたものは同僚議員やそれを支持する人たちからは困惑されるのではないでしょうか。

ましてや、それが有権者からも党内の議員からも慕う人の多い松井氏が炎上のダシに使われていたとしたらなおのこと。

人によっては、維新の自爆を誘発しているという見方の方もいるでしょう。

「党内議論をオープンに行っているだけだ」として肯定する方も多いかと思いますが、維新をゆるっとふわっと支持する私個人の受け止めとしては、(これは足立氏に限らずですが)党内のいざこざをオープンにされても、「何やってんだか」と冷めた目で見てしまいます。

TPOの話

そして、前項の終わりと地続きの話ですが、TPOにも問題があるように思います。

政策面での議論は国会等で大いにやっていただきたいと思いますが、先ほどの党内改革の話はSNSの平場でやるような話でしょうか。

これは賛否あると思いますが、まだ党内コンセンサスを得ていない個人的見解を党内議論に先んじてSNSで吐露するというのは、私個人は好ましいことではないと思います。

それは、党としての統一見解を出す前に代表や党三役でもない議員個人の考えが先行して世間に出回ることで、世間の混乱を呼ぶこともあり得るからです。

しかし、それは「議論をするな」ということを言いたいわけではありません。多様な意見を交わし合うことでより良い議論が生まれうるわけですから。

なので、党内のしかるべき会議体等で発言の機会を得て、党内コンセンサスを形成していくのがあるべき姿と考えます。それこそが組織で動くということではないでしょうか。

そこのところが、いわゆるアンチ足立を生んでしまう元凶になっているいくつかの要因のうちのひとつなのではないでしょうか。

自由に発信することができるのがSNSの良いところではありますが、大変恐縮ではございますがTPOを踏まえてご発言いただけるとありがたいです。

繰り返すように私も足立氏の議論には納得することも多く、大いに参考にさせていただいている部分も多いですが、そうした良いところをかき消すように不必要な諍いを起こして、議論の本質が霞んでしまっているのではないかと危惧してます。

せっかくの素晴らしい主張もただの痴話喧嘩になっては、それこそ損失だと思います。

次の代表選にも出るべし

「上記の難点を克服すれば良い」と言うのが、大体の足立康史論の結論だったりします。それはもちろんのことなのですが、今更それを書いたところでわざわざ私がこれを書く意味はないでしょう。

今回はもう少し踏み込んだ話をしたいと思います。

繰り返すように、私は足立氏のおっしゃることにも一理あると膝を叩くことも少なからずあるわけです。

ですが、ただその優れた考えをSNS上で吐露するだけでは、維新という大きくなりつつある政党の中で賛同者を得ることは難しいでしょう。

もちろん一般有権者の反応がSNS上で可視化されて、それが党内に波及してというルートもなくはないと思いますが、SNSの政治界隈は世論の極々一部にしかすぎません。大半の一般有権者はSNSで政界をのぞいたりしません。

例外があるとすれば、SNSの炎上案件がワイドショーとかでたまに取り上げられるくらいですが、きっと発信者や政党にとってダメージの大きな形での取り上げられ方や受け取られ方になるでしょう。

では、どうすれば良いか。

私はシンプルに各種会議体における議論による党内合意形成が必要だと思いますが、それを行うにも前提があって、足立氏の賛同者を党内に作らないといけません。

正しいことをしたければ上に行けと、踊り大捜査線で和久さんがおっしゃってたと思いますが、別に上にならずとも自分を支えてくれる人を増やせば、それなりに組織の中で影響力や発言力を持つことはできます。

今も賛同者はいるとは思いますが、それを増やすことで、足立氏の考えを後押ししてくれる人が増え、それが党の方針に反映されやすくなります。

そして、もう一つ提言できることがあるとするなら、代表選に出ることでしょう。

代表選に出ることで、さまざまな論点について自らの考えに注目してもらうことができるでしょう。

もっとも、代表選にただ出るにも推薦人が必要ですし、票が全然集まらないというのでは、党内における立場をただ悪くするだけなので、やはりまず一定の賛同者を集めてからということになります。

ですが、代表選に出ることで、うまく党内の問題点を議論の俎上に載せることもできますし(SNSでの場外乱闘と違って、正式な党の行事である代表選は問題点を議論する場として機能する)、それにより党外からの世論の後押しも受けやすいため、一定の票を得られればたとえ負けたとしても自分の考えを党の方針の反映してもらいやすくなるでしょう。

代表選という過程を通じて、党の内外に多くの賛同者を得るきっかけにもつながると思います。普段維新の動きも追っていないゆるっとした維新支持者にも討論などを通じて考え伝えることができますので、自らの主張がいかに正しいかを知ってもらうプレゼンテーションの場として、これ以上にない舞台でしょう。

なので、もし、「維新はかくあるべし」という理想像をお持ちなら、足立氏は是非次回の代表選も果敢にチャレンジしてほしいと思います。

まとめ(要は手順の話)

実は本記事は、そんなに足立氏の個別の主張についてあまりあーだーこーだ言っていません。足立氏の政策が正しいかどうかなんて見定めるだけの定見もないので、あまり語りようがありません。聞いてて筋が通っているなとは思うことは少なからずありますが、本当に正しいのかを判断するだけの体系的な知識が私に無いからです。

ただ、踏むべき手順を正しく踏んでいるかどうかはなんとなくわかるわけです。踏むべき手順を踏んでいれば、あとは党内で揉まれて党の見解として世に出るわけです。(そうあるプロセスやガバナンスが本当に効いているかは別として)

私は、「踏むべき手順をちゃんと踏んでほしい」と言っているにすぎません。(もしかしたら、私の見えないところでされているかもしれませんが、私が見える範囲では改善の余地があると思いますので。。。。)

その一つが代表選といったしかるべき場所に出てご自身の主張(可能な限り『人』ではなく『事象』を批判対象として)をされること、そしてそのために自分に賛同してくれる仲間を集めること。

この2つさえクリアできれば、より大きな影響力を持って、ご自身の理想を実現できることと思われますので、よろしくお願いしたいところです。


サブスク向け少しおまけ

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