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ポートフォリオレビュー/アワード 2023 Vol.2 松永 誠「I surrender」 (推薦写真家:中藤毅彦)を鑑賞しました

富士フイルムが45歳以下の若手写真家応援プロジェクトとして運営する「ポートフォリオレビュー/アワード」を鑑賞しました。

個人的にVol.3 minachom「短パン男」 (推薦写真家:浅田政志)とVol.4 茂木智行「Scratched Moments」 (推薦写真家:GOTO AKI)から強い印象を受けました。 その他Vol.1 加藤 卓「土と太陽」 (推薦写真家:野村恵子)もよくて、非常に見応えのある展示でした。
そういった力作の中でもVol.2 松永 誠「I surrender」 (推薦写真家:中藤毅彦)もすごく良かったので、ごく簡単ですが別記事に起こします。
なにしろ自分があまりにも好きすぎるので、別記事に起こすのも贔屓の引き倒しじゃないかと恐れてしまうほどですよ。

まずは作品を観ていただきたいのですが、中藤さんの選評にも「展示では、彼の写真の発する熱・流れを感じて欲しい」とあるように、とにかく熱いんですよ。
熱苦しいほど。
しかも、その熱苦しさがきっちり作品の駆動力になってる。空回りしてない。選評には「受賞後、発表に向けての新たな撮影とともに、暗室で手焼き作業をすることでプリントとしての物質性も含めて、作品の完成度を高めていきたい」とありましたが、このへんはモノクロのストリートフォトで定評のある中藤さんのご指導と、松永さんの情熱が見事に調和しているのではないかと思いました。
というのも、作品にどこか懐かしい感じが漂うのです。それは、決して単なる回顧ではない、コンポラ以降の日本路上写真が重ねてきた伝統の重みと言っても良い、先人の蓄積を咀嚼し、消化しているがゆえの「懐かしさ」で、巨人の肩に乗って未来を見据えるかのような、そういう熱さと懐かしさが同居し、調和する良さ、美しさなのですね。

当日は作家の松永さんともお話させていたいたのですが、実に真摯で写真への愛と情熱に溢れた方で、これからが本当に楽しみです。

ポートフォリオレビュー/アワード 2023はFUJIFILM PHOTO SALON Space1 / 2にて4月11日(木)まで開催されています。
是非会場へ足を運んで、作品をその目で鑑賞してください。

¡Muchas gracias por todo! みんな! ほんとにありがとう!