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彼女とあの娘と女友達(あいつ)と俺とシリーズ:海辺の彼女編

薄ぼんやりした日々をダラダラと過ごす『俺』は、ひとときの楽しみを共にする相手を探しては生活している中年男。そんな『俺』の出逢った『海辺の彼女』は、犬を飼う美しい人妻。彼女と重ねるエロティックな逢瀬、そして食事や小旅行で共有する居心地のいい時間を切り取った短編集。

登場人物


40代の中年男

海辺の彼女
犬を飼う人妻

以下、収録作品の解説。

海辺の彼女とサザエのつぼ焼き

ネットで知り合った彼女が住む海辺の町へ出かけた俺は、下心をみなぎらせつつ駅前のロータリーに立つ。しかし、そこに彼女の姿はなかった……。
海辺の彼女編 第1話

再開発地区の片隅で食べる焼き鯖寿司

海辺の町からくる彼女とのデートに遅れた俺は、待ち合わせ場所の催事場へ急ぐ。しかし、会場はあまりにも大勢の人々でごった返して、彼女は簡単に見つかりそうにもなかった……。
海辺の彼女編 第2話

問屋街のロースカツランチ

海辺の町に住む彼女が、朝から俺の部屋へ訪ねてくる。妙にノリノリで、いきなり寝床へ忍び込んできた。
海辺の彼女編 第3話

狐につままれたような丼を彼女と食べた時の流れぬ定食屋

売り言葉に買い言葉、ふとした偶然から美しい人妻と旅立つことになった俺。
海辺の彼女編 第4話

地域振興事業臭がかすかに漂う雪見鍋

寒々しい秋の夜長に部屋で鍋でもつつこうと、馴染みの女友達を誘ってみたものの、みんな都合が悪くてひとりぼっち。結局、海辺の町に住む人妻を誘ったら、地元へ来いと言う。まぁ、これは行くしかないよなぁ……。
海辺の彼女編 第5話

世界の表面

好奇心にまかせて買った安物の白ワインと牡蠣の燻製は、予想を超える濃厚な食べ物だった。
「彼女とあの娘と女友達と俺と」書き下ろし作品
海辺の彼女編 第6話

1979年の渡し船

クリスマスも過ぎた年の瀬の夕暮れ時、いつものようにネットでセフレ探しでもしようかとパソコンを立ち上げた俺に、海辺の彼女から久々のメッセージが届く。家族旅行に同行しない彼女と、ゆっくり正月を過ごさないかとの誘いだった。
海辺の彼女編 第7話

圧力鍋とシスターフッド

緩やかな付き合いを重ねていた海辺の彼女が、娘の彼氏へ圧力鍋を贈りたいと言い始めた。わけをたずねたら、女の機嫌が悪い時にちゃんとフォローしてくれる少年との、不思議な心地よい関係を語り始めた。
海辺の彼女編 第8話

寒い消化試合を優しく抱きしめた焼きそばの味

彼女が持て余していた野球観戦チケットで、俺とふたり球場へ向かう。試合が始まるまでのひととき、俺は予想もしなかった彼女の気持ちを聞かされる。
「彼女とあの娘と女友達と俺と」書き下ろし作品
海辺の彼女編 第9話

海辺の彼女編暫定納品


表紙デザイン:館山緑

彼女とあの娘と女友達と俺と: 海辺の彼女編 (インゲン書房)

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