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サブカル大蔵経941『時刻表 完全復刻版 1964年10月号』(JTBパブリッシング)

 店頭で手に取った時、電流走る…!

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 とりあえず地元の路線をめくると…

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 幻の駅、西永山駅…!(p.434)

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 日本海とオホーツクの両翼占める駅名。(p.15)

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欄外の「駅名の起源」も面白い。まさか石北本線「天幕駅」が人名だとは!(p.428)

前回の東京オリンピックに合わせて開通した新幹線。本書は、今回の東京オリンピックに合わせて、一昨年に復刻されました。

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 新幹線は、翼のないジェット機だった。(p.28)

 足のいらないジオングか。

それにしても本書から発せられる高揚感はすごい。

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 こだまは〈特急〉ひかりは〈超特急〉(p.42)

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 綺羅星の如し主要特急名たち(p.63)

本書なんぼでも読むところありすぎです。読み物としての時刻表の潜在力が開花している。宮脇俊三が、時刻表を読む人種がいると言っていたとおり、その時刻表の価値があらためて証明されたような。

そんな中、現在、北海道は鉄道路線廃止が続いています。

〈夢の新幹線〉が在来線に引導を渡す。

北海道もまた冬季オリンピックを呼ぼうとして、それに合わせて新幹線を延伸させようとしている。北海道にとって新幹線は当たり前の存在ではなく、いまだ夢の超特急なのかもしれない。それに合わせて赤字路線を都合よく手放そうとしている。本書には新幹線の負の部分は描かれていない。

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今回廃止の決まった富良野ー新得間を通る根室本線。当時は小樽発2059-根室着941というまさに根室本線の名にふさわしい一本があった。(p.422)その根室本線もこの改変で名実ともに役割を終える。

時刻表とは実用の書。交通公社も本書を旅行案内書として編集している。

57年後の現在、本書は使えない。青函連絡船も廃止された路線達も存在していない。彼らが実際のダイヤグラムに組み込まれていたその数字を読み愉しむしかできない。

最近YouTubeで、今は亡き国際プロレスの試合をよく観ています。プロレスも過去のカードを愉しむことが多い。

はじめに (前略)本書を手に新たな鉄道の時代へのきっかけとなった列車たちに想いを馳せてみませんか?p.1

本書の復刻の意義。もう想いを馳せることしかできないのか。

同時に、プロレスも鉄道旅も、今も頑張って運営されている。また行ってみたい。

過去と現在が私を通してつながるのかも。


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