サブカル大蔵経766逢阪まさよし/DEEP案内編集部『「東京DEEP案内」が選ぶ首都圏住みたくない街』(駒草出版)
インターネットサイトの【DEEP案内】シリーズは、一時期ハマって見ていました。露悪的な筆致と見せかけ、いつも丁寧な現地取材で公正な記事という読後感でした。
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今回、名古屋の記事を読んでみると、はからずも河村市長問題の背景を指摘していました。すごい。
東京と近郊に焦点を当てた本書を最初に読んだ時は、知らない地名ばかりでした。だいぶ勉強になりました。
その時読みながら書いたメモは、
呪われた土地池袋。北口のヤバさ。
町田南口看板売春は違法行為です。
八潮トラック産廃オウムヤクザ。
神田今川小路二階雀荘浅丘ルリ子。
蕨市の共産党市政とクルド人。
山谷玉姫公園泥棒市朝5時から6時。
新大久保と南新宿四丁目旭町ドヤ街。
と物騒なワード満載な感じでした。興味本位で訪れてはいけないということもたびたび記されていますが、だからこそ行ってみたくなったことを覚えています。実際これを読んでから、百人町や竹ノ塚を訪れました。
東京という大都市圏を知る上で、『翔んで埼玉』のようなdisりは愛情の裏返しみたいなかたちで、本書が観光客誘致のガイドにならないかと夢想しています。いつの日か、埼玉の蕨や八潮、神奈川の川崎や鶴見に行って、本書のたまらない地図を参考に歩いてみたいです。
ちなみに、本書冒頭の「住みたくない街の見分け方」をメモを取ると、「サラ金、パチンコ、チェーン飲食店、ネカフェが多いこと」とあり、「あれ?これ、自分の住んでいる街のことじゃん」と気付きました。
自分の住んでいる所について客観的に教えてくれる人はなかなかいないので、ありがたかったです。
だが、池袋という土地がそんな小手先だけのことで簡単に変わるような街であるはずがない。p.74
池袋の歴史。巣鴨プリズン。サンシャインは「墓標」,
「カラチの空」で食えるビリヤニ。スパイスがふんだんに使われ旨いっちゃ旨いが炭水化物オンリーで胃袋が重くなる。p.118
八潮のパキスタン料理店。今なら多様性の象徴か。
小田急線のノロノロっぷりは結構イラつく。p.163
事件のあった小田急線の描写。
ここを知ってしまったら築地で食うのがバカバカしくなるほど素晴らしい。p.300
北千住の柳原商店街のお店の紹介文。きちんと褒めるところは褒める公正さ。私も一昨年訪れましたが、いい雰囲気でした。
「犬以外大小便禁止」p.339
山谷の張り紙。犬以上に厄介な人間の排泄物。どこか頓知も効いているような。
ちなみに、今年は、神奈川県編が発刊されています。
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