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サブカル大蔵経536山田風太郎『叛旗兵』(廣済堂文庫)

時代小説いろんな切り口あるが、直江兼続と本多正信という謀臣二人に補助線が引かれると、こんな見事な振る舞いになる。

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武蔵、小次郎、前田慶次郎も登場。長編に筆がのる風太郎。

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石田三成さえも山城の脚本と演出に踊らされた1人ではないかと見えるふしもある。p.13

 天下を諦めない人たち。黒田、伊達、そして…。

山城は振り向いて行った。「ただ天に背かれた方には、どうにも差し上げる酒がござらぬでな」p.73

 直江兼続が関ヶ原で小早川を裏切らせた平岡石見守に一言。

「太閤様の御恩を忘れて、分のよいほうについた、どこやらの腰ぬけ大名衆のような男になりますまい。」p.81

 福島たちの立ち位置がやはり…。

すなわちこれが江戸非人の頭・初代車善七になる。p.113

 車姓の始まり。

吉川さんの「宮本武蔵」には、そのころから存在していたことになっているが、p.130

 唐突に作者の独り言が出てくるのも乙。

平岡、貴公、また松尾山から下りて、どこにつく気じゃp.159

 本多正信対大久保長安。

その日のために山城さまは、今日まで生きて来られたのではないか。p.436

 関ヶ原から大坂の陣の人の想いと動き。

細川与一郎は、例の有名なガラシャ夫人から生まれ、その妻は加賀大納言利家の七女であった。p.560

 細川と前田。

山城と幸村の風月相知の仲を知るに足る。山城が幸村の女児を引き取った。p.646

「真田丸」や「へうげもの」では、伊達に引き取られていました。

本多佐渡守という人間の物凄さは、実に肌に粟を生ずるばかりだ。p.654

 その本多家も…

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