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サブカル大蔵経283齋藤忠光『地図とデータで見る都道府県と市町村の成り立ち』(平凡社新書)

北海道民にとっては疎外感を感じるエキゾチズムの塊、旧国名。陸中、羽後、備中。鉄道旅行してた時、駅看板の旧国名が一番日本の重層性を感じさせる魔法の装置でした。

旅してた時、宿のテレビで六時半からの地方ニュースを見ることを心掛けてました。そこで出てくる地名の響きや、見たこともない地図のアップで描かれる天気予報の画面に、パラレルワールドを感じてました。

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故郷に帰ることを国に帰ると言う人は多い。国(クニ)は、北海道と沖縄を除き、平安時代初期までに日本全国に制定され、かたちづくられた。p.11

 国は、日本全体を指すものではない。その成り立ちから考えると、国ということばのイメージするものは、非常に怪しい可変性を持つ。その時々に利用されがち。

町や村は中世から発達し、近世には定着しているが、市は明治時代の町村合併後のものである。p.20

 〈市〉は新しいんですね。馴染みも薄いのか。基層ではクニが単位なのかなぁ。

明治期の人口順位。明治12年1位石川県2位新潟県。3位愛媛県。明治21年1位新潟県、2位兵庫県3位愛知県。明治31年1位東京府2位新潟県3位兵庫県。47位鳥取県。平成27年47位鳥取県p.84

 新潟すごい、というか、完全に日本海側が表。圧倒的表。今、裏日本。プロレス的逆転、今後あるかもしれません。

北海道では1郡に1町村しかないところもあって、郡よりも支庁名の方が一般に定着している。p.139

 渡島、檜山、胆振とか、本州の人に一番馴染みない地名かもしれません。


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