サブカル大蔵経667樋口毅宏『さらば雑司ヶ谷』(新潮文庫)
著者のタモリ本は読んでいたのですが、本書は未読で、先日久しぶりに入ったブックオフで手に取ることができました。
一昨年東京に行った時、高田馬場から鬼子母神を通って池袋まで歩き、その時、初めて雑司ヶ谷というところを体感したので、ご当地本としても買ってみました。
俺もそうだが、雑司ヶ谷の人間は地元の寺や地蔵に精通していない。/雑司ヶ谷を舞台にした小説を書いた作家のほとんどは、(当然のことだが)この町出身のものではない。p.118
地元の人ほど雑司ヶ谷を書かないのかもしれません。で、本書は
この小説は膨大で絢爛豪華なサブカル知識を駆使して、雑司ヶ谷を舞台にした、大殺戮のガンバルマンが展開されるというハードコア、ハードボイルド小説なのだ。(解説/水道橋博士)p.254
という内容で、同世代のお笑い番組や芸人たちのことがふんだんに引用されたり重ねられたりしている小説でした。日本のタランティーノなのかなぁ。
どう考えても社会的抹殺を受けてしかるべきこの芸人は、しかし半年後、奇跡的な復活を遂げた。p.24
たけしへのラブレター
『忠直卿行状記』と出会ってから俺は変わった。p.28
山口貴由魂も感じる。
駄菓子は鬼子母神の中にあるウッチャマこと内山のお母さんが営む駄菓子屋でよく買い物をしたp.45
一昨年、何も知らずにこの店に行きました。あとから、ものすごい歴史のある店だったことを知りました。三種類ほど買ってお会計が65円だったかな?ここのおばあちゃんが生き神さまみたいでした。あれは現実だったのだろうか?ひょっとしてこの小説の一番偉い婆様のモデル…?
さっきのガンバルマンといい、なんだか、自分がたけしに思えてきた。p.205
ガンバルマンという時代の宝物。今、水道橋博士がさまざまな配信や対談でこの時代のことを探究・ご開帳しています。
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